探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、
世界が滅びる可能性がございますので。
   夜方宵(MF文庫J)



美少女名探偵と五人の助手が紡ぐ非日常系ミステリラブコメストーリー。
大枠としてはミステリーものということになるのでしょうか。作中では少年探偵団的なノリの組織を立ち上げたりと
特殊部活動ものっぽい要素もあるので、てっきり学内の軽いトラブルを解決していく系の話なのかなと思いきや
普通に殺人事件が発生するなど、予想に反し本格的な推理が楽しめるガチ目のミステリになって
……いるわけでもなく、更にそこに異能バトルが加わるなど、タイトルをしっかり回収するアンチミステリな作品。
いや、一応まともに謎解きする描写もあるのですけども、逆にそこだけが浮いている感も。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロインたちの好感度は順調に上がっているようですが…

主人公はある日、自称名探偵の美少女・推川理耶から一方的に助手に指名されたミステリ好きの高校生男子。
小さい頃から名探偵が好きで、ミステリ小説ばかり読んでいるミステリマニア。
ツッコミ役だがどちらかというと大人しい性格で、流されやすいというか押しに弱いタイプ。
豊富なミステリ知識に基づく鋭敏な論理思考能力(推理力)はかなり高め。

ヒロインは自称名探偵な迷探偵、ネガティブ系ナース、目隠しJS、二重人格なお嬢様、無表情なメイド。
一番のお気に入りは世界有数の財閥企業である万桜花グループの御令嬢な先輩、万桜花姫咲。
ハーフアップに結った桜花のように淡い桃色の髪、紫水晶のごとき双眸のお嬢様然とした雰囲気を纏った美少女。
お嬢様らしく物腰穏やかで言動に気品があり、聡明だが、実は二重人格であり
時折、粗野・粗暴・乱暴で一人称俺様な正反対の人格(名前はダベル)に入れ替わってしまう。
その正体は特定領域外不可確認異形種ヴァイルという生物との主導的融合を果たした
「天魔を喰らいし者(ヴァイルイーター)」その七番目の成功実験体である通称「NO.7」。

現時点(二巻)においての評価はC。
闇鍋感が半端なさすぎて、この話をミステリーと評するのはダメな気がする…
そもそもメインヒロインである推川理耶の異能がミステリーにおいては反則過ぎますしね。
どんなに有り得ない推理であってもそれを現実のものにしてしまう、とかお前は涼〇ハ〇ヒかよと。
迷探偵キャラの登場はミステリーのお約束ですが、迷推理が世界を滅ぼしかねないとかヤバすぎである。
推理させないために推理するとか、探偵役の主人公のムーブとしては斬新すぎではなかろうか。
主人公はメインキャラ内では唯一の普通人なので、心労も一際ですしね。だからこそ活躍が光るのですが。
本筋は小さな離島で起きた事件を解決し、更には仲間の幼女を狙う異能力者たちを撃退して次なる事件へ。