灰色の叛逆者は黒猫と踊る   虹音ゆいが(HJ文庫)



灰色の絆が世界を変革するリベリオン×バトルファンタジーストーリー。
人間と魔獣の戦闘が見世物として扱われる闘技都市が舞台ということで、世界観はかなりシビア。
闘技場の門徒を叩いた闘士達は二年以内に八割以上が死ぬという命の軽さっぷりですし
主人公にしても、実力者ではあってもあくまで見習い闘士の中での序列第一位でしかないですからね。
立場は文字通りの最底辺ですし、戦闘力にしても上には上がいる、信頼できる味方も少ないという。
だからこそ、そんな中でようやく見つけた守るべき存在のために死力を尽くして戦う姿は熱いの一言。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は闘技都市アイレムの見習い闘士首席である少年。
外見は上背があるすらりとした細身の体、漆黒のロングコート、切れ長の目、灰色の髪。
「灰色」と呼ばれる特殊な存在であるがゆえに、同類であるミィカと出会うまでは常に孤独を感じ
自分を肯定することができず、未来が見えないことから二十歳になったら死ぬと決めていた。
思慮深く、物腰穏やかで心優しい性格。闘士でありながら目立つことを嫌い、無駄な殺生を好まない。

ヒロインはツンツン魔女、楽しいこと好きな親友、努力家な後輩、クールな男装娘。
一番のお気に入りは主人公の後輩である十五歳の見習い闘士、リュミア・テスカトル。
薄緑色のサイドテールに豊かな胸が目を惹く、あどけない雰囲気が漂う美少女。
人懐っこい努力家。直情的な性格をしており、喜怒哀楽がすぐに顔に出るタイプ。
「です」を多用する変わった口調が特徴的。主人公の親友であるソフィーネによくイジられている。

現時点(一巻)においての評価はC。
まだ一巻なので後々描写されるのでしょうが、それでも色々説明というか段取りが足らない印象の作品。
わけもわからず、状況に納得できないまま話だけがガンガン進んでいきますし…
というか、過去のことがある魔女はともかく、主人公が迫害される理由が不透明すぎてモヤモヤ感が酷い。
キャラに関しては、ヒロイン側の個性が強いがために若干影が薄くなっている感がある主人公ですが
決めるべき場面ではしっかりと決めてくれる格好良さはちゃんとあるので一安心。
本筋は敵となったかつての師を倒し、一緒に生きたいと望んだ魔女ミィカを助けることに成功した主人公。
しかしその裏では世の中を乱さんとする魔女の勢力が暗躍していて…?