銀弾の銃剣姫 むらさきゆきや(MF文庫J)
不死身の少年と異能の兵士である少女の織り成す、バトルアクション&ラブコメ。
元兵士で常識知らずなヒロインに振り回される主人公、という構図なのでてっきり
ドタバタな学園生活がメインなのかなと思いきや、シリアスバトルとラブコメが半々くらいの構成でした。
ラストは世界の危機は救われ、だけど戦いはこれからも続いていくぜエンド。
ラブコメ的には、メインヒロインのルノアと結ばれ、しかし主人公を巡る恋の戦いはこれからも続く、で終了。
主人公はいきなり異界人に殺されて、そして不死身の肉体を手に入れてしまった高校生の少年。
普通第一主義で、平穏を好んでいるのだが、一巻ラストで吹っ切れて激動の日々を受け入れている。
ただし、あくまで受け入れただけであり、好んで異端に走ることは望まない。
イザ近しい誰かに危険が迫った時は、保身よりも先に救助へと身体が動く性質。
また、貞操観念というか、恋愛に関しては結構固い考えの持ち主。
ヒロインは元軍人な犬チック少女、優等生な幼馴染、十歳の天才少女。
あと、サブポジにレズ兵士少女やマイペースな兵士少女、司令官なブラコン姉なども。
一番のお気に入りは普通の生活や恋をすることを望む軍人少女、ルノアヴェル。
見た目は細身の美少女でしかないにも関わらず、身体能力は人間離れしている。
が、軍人としての生活が長かったがために極度の常識知らずであり、喋り方も新兵っぽい。
また、羞恥心よりも軍人としての思考が優先されるため、大胆な行動をとることもしばしばだったりする。
軍人時代にロクなものを食べてこなかった反動から、食べ物に目がなく、食欲で理性が飛ぶことも。
意外に感情的な性格であり、特に慕っている主人公が絡むと色々乱れることが多い。
評価はC。
最初に期待したものとちょっと方向性が違うなぁ感が最後まで取れなかった、というのが率直な感想でしょうか。
ドタバタラブコメは文句なく面白かったですし、ヒロインたちの魅力も余すところなく描写されていました。
だからこそ、設定をコメディ色の強いものに、そしてシリアスをスパイス程度にしていれば、と思わざるをえない。
バトルや本筋のシリアスパートがダメだったというわけでは決してないのですが…
クライマックスの盛り上げ方や、最後の戦いの決着のつけ方とかは王道感があってよかったですしね。
まあ、ラスボスの存在感が微妙、展開が駆け足過ぎ、などといった問題もありましたが。
でも、結論としては、この作品で一番読みたかったのは最終巻後のドタバタな日々だったという現実。