極剣のスラッシュ   天然水珈琲(富士見ファンタジア文庫)



無自覚最強な主人公が躍動する、迷宮ソードファンタジーストーリー。
大枠としては剣と魔法のファンタジー世界を舞台にした迷宮攻略ものですね。
バトルメインながらもコミカル色濃い目で、追放・勘違い・師弟・成り上がりといった要素があります。
ざまぁ展開はなし。追放理由は真っ当ですし、元仲間も別に悪い奴らではないですしね。
剣技のみで最強に駆け上がった主人公の無双の活躍っぷりを存分に楽しむべし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は初級ジョブで成長が止まったがゆえにパーティーを追放されてしまった剣士。
その後、ソロで戦い続けるうちに剣の技を極め「極剣」と呼ばれるほどの強さを得たが、自覚はない。
短気で態度も柄も悪いが、基本的にお人好しで仲間想いな性格。
金のために探索者になったと言っても過言ではないほどお金が好き。
ジョブの才能はなかったが、木剣職人としての才能には恵まれており、自分で木剣を作り続けた結果
「ウッドソード・マイスター」の二つ名で木剣業界では注目を集めるようになった。

ヒロインは脳筋弟子剣士、聡明な令嬢。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
作品内における強者の必須条件(ジョブ)に恵まれず、しかし心折れずに一芸特化に全振りして努力を重ね
その果てに天下無双の剣技を会得し最強の剣士となった主人公。うーん、正に男の浪漫。
自分の知名度を理解していなかったり、間が抜けていたり、沸点が低かったりと目につく欠点も多いですが
それらが上手いこと親しみやすさとなっているため、ただのストイックキャラになっていないのもグッド。
特に、武器を自作しているうちに名のある木剣職人になってしまったくだりは笑うしかなかったですし。
本筋は迷宮踏破を阻もうとする秘密結社の幹部の一人を撃破するも、未だ脅威は去っておらず…?