血の繋がらない私たちが家族になるたった一つの方法
                                                  雲雀湯(角川スニーカー文庫)



他人以上、恋愛未満の同居ラブストーリー。
大枠としては同居もののラブコメですね。男友達な幼馴染と血の繋がらない義理の妹との三人で一つ屋根の下。
しかも、今まで実妹だと思っていた相手が実は血の繋がらない義妹であることが判明したり
高校入学後は幼馴染とは偽装カップルになったりと、三角関係へと恋愛模様が動く下準備もバッチリ。
タイトルの答えは「結婚」だと思われますが、主人公とそうなれるのは当然一人だけなわけで…
物語開始時点では全員が恋愛感情を欠片も発露していない状態であるだけに、先が楽しみやら切ないやら。
ラブコメ面は三人とも今のところはまだ家族としての意識が強いものの、異性としての意識も生まれてきて…?

主人公は離婚し、長年離れていた両親の復縁で七年ぶりに義理の妹・英梨花と再会し
気の置けない男友達みたいな幼馴染・美桜を加え、三人で一つ屋根の下で暮らすことになった少年。
少しぶっきらぼうなところこそあるものの、真面目で妹&友達思いな性格。
小さい頃から母親と二人暮らしだったため、料理は不得意だが他の家事はそつなくこなすことができる。
剣道をやっていたが、高校ではやっていない。かつて色恋沙汰で失敗した経験あり。

ヒロインは人見知りな義妹、男友達な幼馴染。
一番のお気に入りは七年ぶりに再会した義理の妹、葛城英梨花。
色素の薄い瞳、すっきり通った鼻筋、スラリと伸びた長い手足、雪のように白い素肌に華奢な身体。
月の輝きにも似たミルクティを思わせる髪を靡かせる、北欧の血をひいた透き通るような美少女。
見た目はクールで、人前での態度もツンと澄ました冷ややかな表情をしている上、淡々としていて素っ気なく
話しかけるなというオーラを発しているが、実は人見知りなだけなので、グイグイこられると弱い。
根は泣き虫で臆病、、甘えん坊であり、兄である主人公には全幅の信頼を寄せている。
学力は新入生代表に選ばれるほどだが、料理や裁縫は不得意。

現時点(二巻)においての評価はC。
美少女二人と同居生活。主人公が羨ましいのか不憫なのか判断に悩む作品。
無責任な立場の読者として見れば羨まけしからんの一言なのですが、彼の立場になって考えてみると
男友達同然だった幼馴染が高校デビューで美少女になるし、久しぶりに再会した妹も美少女になっている上
血が繋がっていなかったと告白してくるわけで。そりゃ戸惑うし異性を意識してしまうのも致し方なし。
ヒロイン側にしても、元々の距離感の近さゆえに遠慮がないですしね。意識が完全に変わってからが本番でしょう。
本筋は色々ありながらも絆を深めていく三人ですが、幼馴染の発言によって波乱が起きそうで…?