『君は勇者になれる』才能ない子にノリで言ったら覚醒したので、
全部分かっていた感出した
                       流石ユユシタ(角川スニーカー文庫)



最強勇者は師匠としても超一流!? 異世界爽快ファンタジーストーリー。
剣と魔法のファンタジー世界が舞台となっている物語ですね。魔王が一体きりではなく、何体も出現するという
字面だけ見ると結構ヤバイ世界観になのですが、対抗者である勇者(主人公)がぶっちぎりで強いため
魔王は現れるたびに即座に討伐されており、基本的に世界は平和であり、シリアス度も低め。
大枠としては教官ものなのですが、弟子側がちょっとした助言でガンガン強くなっていく天才ばかりなため
どちらかというとメインは主人公の婚活や、勘違い要素が前面に出ているコミカルな掛け合いと言ってよいかと。
ラブコメ面は告白さえすればOKを出してくれる女性が多いことも知らず、婚活に勤しむ主人公ですが…?

主人公は三十歳にして日常が恋しくなり、後継者を探して引退を目指すことにした歴代最強の勇者。
公的に勇者として活動する際にはいつも鉄仮面を被っているため、素顔を知っているのは両親のみ。
実は現代日本からの転生者であり、前世では学生だった。転生原因はトラックに轢かれたこと。
勇者モードの時は俺様系キャラを通しているが、素は小市民であり、フツメンな自分に劣等感がある。
そのため、基本的にイケメンが嫌い(自分のファンなら許す)で、神も嫌い。
才能のなさを並外れた鍛錬でカバーし、歴代最強の勇者にまで駆け上がった努力家。
金銭欲や権力欲、名誉欲は薄いが、人から感謝されるのは嫌いではない。
初恋の人は元パーティーメンバーのリンリンだが、今ではもう特に意識とかはしていなかったりする。

ヒロインはツンデレエルフ、男装の令嬢剣士、マイペースな格闘家、ヤンデレな弟子、王女な弟子。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
主人公の眼が思いっきり節穴であると見せかけて、結果として慧眼になってばかりなのが笑えます。
まあ、主人公の目的を考えればむしろ好都合なことが多いですし、事実上、問題などないわけで。
唯一、損を被っているとすれば敵対する魔王側だけですしね。
キャラに関しては、歴代最強の勇者という大層な肩書きを持っているにもかかわらず、驕らず偉ぶらず
色々と鈍感なところこそあれど、中身は小市民なままの主人公が見ていて愉快。
そんな彼を慕うヒロインや弟子たちも、勘違いしている部分はあっても好意や尊敬は本物なので安心ですし。
本筋はエルフの国を襲った魔王を撃破し、またしても世界を守った主人公。
勇者の後継者候補として選んだ弟子は現在三名。婚活も後継者育成も順調(?)な様子ですが、さて。