追放王子の暗躍無双 西島ふみかる(GA文庫)
伝説の王たちの力を継承した最強王子による暗躍無双ファンタジーストーリー。
大枠としては追放ものということになるのでしょうか。と言っても、主人公に復讐心はないですし
彼が母国に帰還した理由も、愛する家族である妹を守るためなので陰鬱さを覚えることはありません。
まあ、肝心の護衛対象である妹が王位継承問題のど真ん中にいるため、暗闘は多いのですが。
表向きには目立つことなく実力を隠し、裏では存分に実力を発揮し迫りくる脅威を容赦なく排除する。
正にタイトルに違わぬ主人公の暗躍無双っぷりが爽快感抜群でサクサク読み進められます。
いやまあ暗躍メインと言いながら、表舞台でも結構目立っている感はありますが…
ラブコメ面は今のところ進展なし。
主人公は紋章を持たぬがゆえに忌み子として王国から魔境へ追放され、十年もの間生き延びてきた元王子。
最愛の妹が暗殺未遂にあったと知り、魔境で英雄王たちから引き継いだ力を持って王国に帰還することに。
思慮深く物腰穏やかな性格で人当たりが良く、育ての親である王霊たちのことを慕っている。
反面、たった一人の妹であるセレスティアに対するシスコン具合はやや度を越しており
彼女のこととなると我を忘れかけることも。当然、彼女に危害を加えんとする者には容赦がない。
ヒロインは聡明な妹、好戦的な勇者、クールな侍女、部下三人娘、ドルイドの巫女。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
主人公の実力はチートと評しても過言ではないレベルではありますが、経緯が経緯なので
理不尽さや嫌味さはないですし、彼自身も妹の守護を第一にしているので無双が気持ち良い。
妹のセレスティアも、最初こそツンツンしてはいるものの、段々信頼を寄せていく様が可愛いですし
仲間となる他ヒロインたちも、それぞれの立ち位置から主人公に好意を抱いていくところがいいですね。
本筋はドルイド自治領の危機を解決し、悪党たちの陰謀を阻止した主人公ですが、黒幕の暗躍は続いており…?