となりの百鬼夜行 杉本のこ(HJ文庫)
ぼっちな砂かけババア(十六歳)との出会いから始まる、学園ラブコメ&妖怪アクション。
メインはほのぼの、クライマックスにはバトル要素を挟んだシリアスを。
と、人間の主人公と妖怪のヒロインという形でよく見かけるタイプのハートフルストーリーものですね。
キャラはそれなりに登場してはいるものの、一巻の時点では実質的に主人公と
メインヒロインの千砂だけで話が回っていたので、次巻以降で他ヒロインたちがどう動くか気になるところ。
主人公はふとした切欠から、妖怪と関わりを持つことになった少年。
中二の頃に黒歴史ノート(恋愛ポエム)を好きだった女子に笑われるという過去から
恋を封印し、自身が普通の性格であることを自負するようになる。
また、他人の目を気にして大胆な行動を取れなくなり、異性にたいしてもシャイになってしまう。
しかしスケベ心は封印できなかったらしく、お色気イベントには普通に反応する。
この手の物語の主人公としてはお約束な、妖怪に好かれやすい体質である模様。
ヒロインは砂かけババア、優等生なクラスメイト。
あと、ヒロイン昇格候補に変態な幼馴染や巨乳な猫又なども。
一番のお気に入りは才色兼備な優等生、香椎苺花。
主人公のクラスの学級委員長を務めており、学年トップの成績、プロ級のピアノ演奏力、完璧なプロポーション。
と、正に才色兼備を絵に描いたような女の子。勿論同校の男子からの人気は絶大。
更には、素直で性格もよく、清楚さと華やかさを兼ね備えていたりと水泳が苦手であること以外、非の打ち所がない。
ただ、主人公の厨二感満載なポエムに心を打たれているあたり、感性が残念な疑惑がある。
現時点(一巻)においての評価はC。
一巻の時点では特に目新しいところはなく、無難にまとまっているだけといった印象。
全体的にも、今までに読んだことがある妖怪モノと大差ないので、今後差異を出せるかどうか。
一応、妖怪同士の相性や妖怪社会のシステムなど、独自の部分があるにはあるのですが…
今のところ、目を惹かれるほどの設定ではないですしね。
どうやら今後は妖怪関係のトラブル解決で話が進んでいくようですが、これまたよくあるパターンなわけですし。