攻撃力ゼロから始める剣聖譚   大崎アイル(オーバーラップ文庫)



魔王の力を掌握した落第剣士が、最強の剣聖へと至る異世界ファンタジーストーリー。
周囲から無能と馬鹿にされている主人公が、ヒロイン(魔王)との出会いを切欠に力を手に入れ
最強への道を歩み始め、活躍を見せつけることで周囲を見返していく、という成り上がりものですね。
ちなみに、作中には現代日本からの転生者が登場しますが、主人公は生粋の現地人です。
あと、物語の舞台となる魔法学園は迷宮都市にあるため、迷宮攻略ものの要素もあります。
ラブコメ面はヒロイン二人からの告白を受諾し、恋人二人(実質三人)をゲットし、幼馴染とも和解。

主人公は名門剣士の家系ながらも、防御力は桁外れだが攻撃力を持たない欠陥剣士の烙印を押された剣士。
魔法学園ではその才を見込まれ、魔王の世話係に任命されることに。
真面目な性格で、常に感情を抑えているため落ち着きがあるが、悪く言えば覇気がないととれるところも。
桁外れの防御力を持っており、自力での攻撃力はないが剣技は優秀。

ヒロインは妖艶な魔王、異世界転生JK、元婚約者な幼馴染、聖女候補な生徒会長。
四巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(四巻)においての評価はC。
ラノベではよく見かけますが、客観的には決して無能ではない、それどころか突出した才能を持っているのに
その才能が家や国が求めたものではないから落第扱いされるというのは実に理不尽である。
だからこそ、切欠はどうあれ求めていた力を手に入れたことで主人公が報われていく姿は気持ちが良い。
主人公自身も、不遇時代であってもウジウジが少なく落ち着いているので応援しやすいですし
そんな彼に寄り添うヒロインたちや友人も気持ちの良い面子揃いでグッド。
本筋は学園祭で唐突に起きた神の試練を乗り越え、主人公の名はさらに上がり、次巻。