勇者パーティーをクビになったので故郷に帰ったら、
メンバー全員がついてきたんだが 木の芽(角川スニーカー文庫)
もう、みんなと結婚してハーレムライフ始めます。ハーレム×スローライフファンタジーストーリー。
冒頭で主人公が勇者パーティーから追放されますが、追放ものに分類される話ではありません。
そもそもパーティーに主人公を嫌っている人間は一人もいない、というより全員恋愛感情を向けていますし
追放の理由も彼を大切に思っているからこそですからね。魔王討伐もサックリ終わるので復縁自体すぐですし。
当然のことながらざまぁ要素はないですし、命がけのバトルや胸躍る冒険はすでに終わっているわけで。
なので、平和になった世界でスローライフしながらヒロインたちに迫られる主人公、という構図がメインです。
ラブコメ面は勇者パーティーの仲間三人を嫁にしてハーレムエンドが確定中。
主人公は幼馴染の勇者レキから魔王との決戦直前に唐突に別れを告げられ、失意のまま故郷へと帰った青年。
しかし、その後すぐに速攻で魔王を倒したパーティーメンバーに次々とプロポーズをされてしまう。
真面目でお人好しな性格。負けず嫌いで弱音を人前では見せないタイプ。
また、助けたいと思った相手には惜しみなく自身のできる限りをしてしまう、天性の人たらし。
色恋には年齢相応に興味があるが、その割に自分に向けられる好意には鈍いところがあり
そのくせ無自覚に口説き文句やプロポーズ紛いの台詞を吐くこともしばしば。
ヒロインは幼馴染な勇者、あざとい聖女、甘えたがりな賢者。昇格候補に脳筋な魔王の娘。
あと、他にも主人公に惚れている女性(竜人族・獣人族・不死人族に最低一人ずつ)が複数いる模様。
一番のお気に入りは主人公をよくからかって遊んでいる聖女、ユウリ・フェリシア。
普段身に着けている黒が基調のドレスと、凶悪なまでに豊満な胸が目を惹く美少女。
人の倍以上数多の痛みに触れてきたがために他人の痛みがよくわかり
それゆえに必要以上に自分を責めてしまうところがあるなど、性根は聖女らしい心優しさの持ち主だが
色恋に関しては清楚可憐な外見に反し、耳年増な性女だったりする。
「聖女」の加護を得たことで、女神の生まれ変わりとして崇め奉られてきた苦しみを理解し
思いを投げかけて救ってくれた主人公を恋い慕っている。
現時点(三巻)においての評価はC。
不可抗力な部分もあるとはいえ、思わせぶりな言動ばかりしていた主人公が悪い、がすべてな気がする作品。
この男、善意のみで下心はなかったとはいえ、パーティーメンバー以外にも粉をかけていたようですし…
まあ、当事者たちは誰も損していないのでいいのではないでしょうか。うん、きっとそう。
一人の男を女たちが取り合う、という形ではありますが、修羅場というほどのことにはなりませんしね。
主人公の気苦労は推して知るべしですが、これはまあ自業自得の範囲でしょうし。
というか、一番可哀そうなのはラスボスのはずなのに、雑に浄化させれてしまった魔王な気がする。
本筋は聖女関連のゴタゴタを解決したかと思いきや、魔王軍が再び侵攻をはじめてしまうという大事件が。