ハズレ属性【音属性】で追放されたけど、
実は唯一無詠唱で発動できる最強魔法でした
   路紬(GA文庫)



実は最強だった「音属性」で成り上がる逆転無双ファンタジーストーリー。
名家に生まれ、将来を期待されるも、発現した属性がハズレであったがゆえに家から追放されてしまう。
しかしその実、その属性はハズレなどではなく、規格外の力を秘めており、力を開花させた主人公は
逆転無双を開始し、成り上がりの道一直線に。という、タイトル通りの典型的な追放ざまぁものですね。
ただ、この音属性。汎用性は高いですし戦闘においても強さを発揮するのは間違いないのですが
作中の実戦では苦戦することが多いため、言うほどの最強感はない感じですね。
ラブコメ面はメインヒロインのルルアリアにロックオンされている主人公ですが、さて。

主人公は魔法の名家グレイフィールド家の長男として生まれ、膨大な魔力を有していたことから
父から将来を期待されていたが、誰も聞いたことのないハズレ属性「音属性」を発現させてしまったため
実家を追放されてしまうも、その後に音属性が最強の属性だと知った少年。
物腰穏やかで謙虚な性格をしており、貴族として生まれ育ちながらも権力や名誉にあまり興味がない。
馬鹿にされても怒りを見せず、人を助けることを当然として動くことができるなど、根は善性だが
魔法以外を与えられない人生を送ってきたがゆえに、人の心がわからずに、相手を傷つけてしまうことも。

ヒロインは行動派な王女、生真面目な護衛騎士。サブにクールな竜騎士、ロリババアなギルマス。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(二巻)においての評価はC。
この作品、追放を行った側である実家の父親と弟がいくらなんでもバカ&短絡的すぎではなかろうか…
人格は良好、属性判明前から家に多大な利益を与えていた主人公をいきなり追放とか。
せめて音属性が本当に使えない属性なのか、ちゃんと調べてから動けばよかったというのに。
追放する側が慎重だったり良識的だったりすると話が成立しないのはわかるんですけども。
ここまで愚かだと、そんな奴らと普通に家族をやっていた主人公の株も下がってしまうわけで。
いやまあ彼は彼で、その育ちゆえの歪んでいる部分があるのは確かなのですが。
そこをきちんと指摘できるメインヒロインのルルアリアの正妻感が輝く、というのも上手い補完ですし。
本筋はルルアリアを狙う黒幕を撃退するも、その過程において最悪の未来が示唆されてしまったことで
その阻止のために次巻は主人公の失われた記憶を取り戻すべく叡智と大乱戦の国へ。