ゲームで不遇職を極めた少年、異世界では魔術師適性MAXだと
歓迎されて英雄生活を自由に満喫する あわむら赤光(GA文庫)
憧れの異世界を自由に満喫する、MMORPGライクファンタジーストーリー。
大枠としては(ゲームそっくりな)異世界召喚ものですね。召喚された理由が究極魔法の創造というのが特徴。
まあ、目的の達成が最終的にはお約束の魔王退治や世界救済に繋がりはするのですが
差し迫った期限やペナルティ、避けられない危険が課せられているわけでもないので切迫感はないですし
単純にタイトル通りの主人公が異世界で自由を満喫しながら活躍する姿を楽しむことができます。
ただ、肝心の呪文詠唱が少し短い(一行程度)のが不満点。もっと長文にして厨二感を増してほしい。
ラブコメ面は年上なヒロインたちに翻弄される主人公ですが、さて。
主人公はMMORPG「アローディア」にハマり、呪文を音声入力しないと魔法が発動しない謎仕様の不人気職である
魔術師職を極めて全ユーザー百万人の頂点に立ち、その結果としてゲームそっくりの異世界に召喚された少年。
どれだけ他のプレイヤーにバカにされても魔術師としてのプレイを貫き、遂には極めてしまったりと
純粋・純情・努力家の三拍子が揃っている、悪く言えば単純、良く言えば一本気な性格。
内心がすぐに顔に出たり、自分の欲求に素直だったりと、精神面は十四歳という年齢相応。
呪文を詠唱し、魔法を駆使するという行為に魅入られている。
思春期らしく色恋に興味があるムッツリスケベだが、基本的には奥手で純情。
ヒロインはからかい好きなメイド、凛々しい女騎士。あと、ツンツン吸血鬼が昇格候補?
一番のお気に入りは女神メルティアの計らいで主人公の身の回りの世話をするメイドさんとして
一緒に暮らすことになった、ハイラディア神殿に仕える十七歳の神官、セイラ。
クールで堅物そうな顔つきをした、凛とした銀髪巨乳美少女。
真面目で頑固、献身的な性格だが、主人公をからかって遊ぶのが大好きだったりとお茶目な面も。
また、誰に対しても物怖じせずものをいうことができたりと、かなり図太い。
幼い頃、吸血鬼に両親を殺され、村を滅ぼされ、その上自身は呪われ、常に命の危機に晒されながらも
つらさをまったく表に出さず、主人公に誠心誠意尽くすなど、その性根は気丈の一言。
現時点(二巻)においての評価はC。
主人公がロマン勢(百種の呪文を自在に暗唱できる)にもほどがありますが、気持ちはよくわかります。
いいですよね呪文詠唱。呪文名だけ、あるいは無詠唱のほうが効率的だし実戦的なのは百も承知ですが
格好良さは何物にも代え難いんですよねぇ。それがリアルでもできるようになるのだから最高ですわな。
その上で、ゲーム風の異世界を侮ったり己の力に驕ったりせず、ゲーマーとして地に足の着いた行動をとりつつも
破天荒な発想もする主人公が好感度大。決めるべき場面でしっかりと決めてくれるのもグッド。
あと、メインヒロインがからかい上手な三歳年上のメイドお姉さんという露骨さも嫌いじゃないですw
本筋は封印から解き放たれた魔王の右腕を撃破し、帝国の陰謀を粉砕。