この最強美少女パーティーは、雑用職の俺がいないとダメらしい
                                              なめこ印(富士見ファンタジア文庫)



実力隠し最強主人公と、強そうに見えて実は彼に頼りきりな三人娘のハーレム冒険ファンタジーストーリー。
問題児しかいない美少女パーティーを元暗殺者な主人公が裏から護衛するというのが大まかなあらすじ。
殺伐とした人生を送ってきた主人公が、ヒロインたちの巻き起こすコミカルな騒動に振り回されながら
彼女たちをサポートし、そんな日々をなんだかんだで楽しむ姿にほっこりする作品です。
なお、ヒロインたちが起こすトラブルにはエロハプニングも多いのでサービスカットもバッチリ。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロイン側の好感度は順調に上がっているようですが…

主人公は冒険者パーティー「三妖精(トライアド)」所属のサポーターである青年。
その正体は三妖精リーダーであるパルメの父に護衛として雇われた元伝説の暗殺者。
表では雑用を行い、裏ではこっそり魔物を駆逐して三妖精をサポートしている。
良く言えばクール、悪く言えば不愛想で淡々とした性格をしており、受動的。
十歳の頃に魔導学者の実験体として親に売られ、その一年後に実験室から逃げ出し
今度は闇ギルド「夜会」に拾われ、命じられるがまま敵を屠り、人の命で飯を食う生活をおくっていた。
殺伐とした人生しか経験していなかったがゆえに、色恋沙汰には耐性がない。

ヒロインは自信家なリーダー、超ドMな回復術士、内気な魔導師、相棒な猫精。
一番のお気に入りは「三妖精」の魔法攻撃担当にして稀代の天才魔導師、マリエール。
オッドアイが特徴的な、おっとりとした顔立ちの大人びたスタイルの巨乳美少女。
重度の魔力酔い体質で、魔法を使おうとすると酔っ払い、大魔法を味方ごとブッパしてしまう。
素直で物腰穏やか、気弱で控えめな性格だが、自分を外に連れ出してくれた仲間を大切に思っている。
本に出てくる黒騎士ベルセリアが大好きで、彼に似ているという理由で出会った頃から主人公に好意的。

現時点(一巻)においての評価はC。
元伝説の暗殺者が己の正体がバレないように護衛任務に挑む!
と書くとシリアス風の作品に見えますが、護衛対象に重い背景や悲惨な過去があったりするわけではなく
ただただトラブルメイカーであるだけ、という話なため、サクサクと読み進めることができます。
表に裏にと護衛対象であるヒロインたちをサポートする主人公の活躍にはご苦労様の一言ですが
彼女たちと距離が近づいたり、お色気イベントに遭遇したりと美味しい目にもあっているので無問題?
いやまあ彼自身は色恋に対して免疫がないようなのでご褒美になっているかというと微妙なのですが。
むしろこれだけ手厚いサポートを受けているヒロイン側のほうがもう彼から離れられないのでは…?
本筋は闇ギルドの刺客を撃退し、主人公の護衛任務は続行へ。