不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る 伏見ひろゆき(角川スニーカー文庫)
運命の恋人を探し出す、という目的のために学内SNSを作り上げた主人公の二重生活ラブコメ。
バトル要素なしのラブコメ主体のネットゲーものなわけですが、設定を活かしきれていない印象。
主人公をはじめとして、主要キャラが悪い意味でバカだったり間が抜けているため
ネットとリアルの二重生活がどちらもチグハグになっているように見えます。
ラストはヒロイン三人と心が結ばれての「俺たちの恋はこれからだ」なハーレム状態エンド。
主人公は運命の相手を求めて奮闘する高校生の少年。
小学生の頃に好きだった相手に裏切られ、そのことから中学三年間を引き篭もっていた。
そのため、純愛や純心にやたらと拘りがあり、チャラい人間やリア充を敵視&嫌悪している。
元引き篭もりであるがために、リアルでのコミュ力はほぼ皆無。
ゲームセンターでも、一人プレイ用のゲームを好んだりと根っからの引き篭もり思考。
また、思い込みが激しく早とちりの気があり、物事を深く考察せずに決め付けてしまうところも。
とはいえ、そんな面倒くさい性格であるが故に妥協や不正を嫌うまっすぐな部分もある。
やればできるタイプではあるのだが、方向性が斜め上なことが多い。
ヒロインは非リア充なお嬢様、世話焼きな幼馴染、本好きな初恋相手、超ブラコンな天才妹。
一番のお気に入りは裏切りの初恋相手、深山雪奈。
人見知りで無口気味な大人しい読書家といった感じの少女で、一部の男子に人気がある。
小学校時の主人公との交流で明るくなるものの、とある事を切欠に本編ではまた元の性格になってしまっている。
評価はD。
主要登場人物、特に主人公がダメすぎて内容に感情移入できないのがつらいですね。
作中でも言われてますが、ぶっちゃけウザイしキモイです。
本筋に関しても、大体序盤で予測したとおりの流れのまま、意外性もなく完結しちゃいましたし。
簡単にすむはずの話を、無理矢理ややこしくしただけな印象でした。一応綺麗にまとまってはいるのですが。
唯一評価できる点はヒロインの恋する乙女感がよく出ている可愛らしさですが…
だからこそなんでこの主人公なんだよ。というガッカリ感が凄いです。
話の根本が単なる勘違い(しかも主人公にかなり非がある)ですし。
あと、明らかにタイトル詐欺というか、リアルでも普通にモテてるじゃねーか!といいたい。