じょっぱれアオモリの星 佐々木鏡石(角川スニーカー文庫)
ギルドを追放された魔術師がチートな無詠唱で最強を目指す異世界アオモリファンタジーストーリー。
大枠としては追放ものですね。ただ、ぶっちゃけ主人公が追放された理由は残当としかいいようがありません。
訛りのせいで誰ともまともに会話ができない、つまりは意思疎通ができないというのは致命傷すぎますわな。
魔物との戦いなど、命の危険がある仕事ですからね。そりゃ連携不可とか追放されても仕方がない。
そもそもいつまでたっても標準語を覚えられず、津軽弁しか喋らない主人公のほうに過失がありますしね…
なので、主人公が実力を発揮して活躍することはあっても、追放した側のギルドがざまぁされることはありません。
勿論、理不尽に危害を加えようとしてくる相手は別ですが。内容自体は普通の冒険者ものといった感じ。
肝心にして最大の問題である津軽弁も、翻訳ルビが振ってあるので特に問題なし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。相棒のレジーナは(勘違い含め)好意的ですが、さて。
主人公は長年所属していたギルドからクビを言い渡された、最果ての地・アオモリ出身の中堅魔術師の青年。
強烈な訛りで喋るため「通訳」スキルを持つレジーナ以外の人間とまともに会話ができない。
寡黙で朴訥、温厚な性格だが、凄まじい強情者。また、シャイであまり人づきあいが得意ではないタイプ。
見かけによらず器用で几帳面であり、家事も問題なくこなせるが、味付けはアオモリ風。
故郷を元気にするため、有名な冒険者となり、自分のギルドを持つことが夢。
ヒロインは勝気な相棒、尊大な公女。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(二巻)においての評価はC。
とにかく主人公の喋る津軽弁のインパクトが強い作品。大丈夫? 青森県民これ読んで怒らない?
ご当地ネタ(主に東北地方)もふんだんに盛り込まれていますし、ネタがわかる人は爆笑必至かと。
逆を言えば、わからない人には「お、おう…」という感想しか抱けないかもしれませんがw
あと、当作品の舞台はあくまで日本とは関係がないファンタジー世界なので、広義のパロディということでひとつ。
キャラに関しては、良くも悪くも強情すぎる主人公に評価が分かれそうですが、これが持ち味だからなぁ。
そんな彼をフォローする無二の相棒であるメインヒロイン・レジーナとの掛け合いは愉快なのですが。
本筋は魔物の暴走事件の主犯を撃破することに成功するも、更なる黒幕がいることが判明。
情報を得るために、新たな仲間を加えて一行は次なる旅路へ。