最強デスビームを撃てるサラリーマン、異世界を征く   猫又ぬこ(HJ文庫)



お人好しの青年がビーム無双で思うままに生きる英雄譚。
大枠としては異世界転移ものですね。女神の手違いで死んでしまったのでそのお詫びとして特典をもらって
異世界へ転移、と導入はいかにもテンプレといった感じ。特徴は特典の中に「ビーム」が混じっていること。
このビームですが、攻撃のみならず、飛行や治癒、防御にも使えたりとかなり便利な万能っぷり。
主人公は冒険者として活動することになるのですが、こんなチートを持っている以上、成り上がりは余裕。
お約束通り、ヒロインを助けたり魔物を瞬殺したりと無双かつ爽快な活躍っぷりを見せてくれます。
ラブコメ面は主人公がアラサーということで、十代のヒロインたちを女性としていないのですが、さて。

主人公は女神の手違いで死んだ後、お詫びとして「三つの趣味」を得て異世界転移することになった青年。
三つの趣味、すなわち「収集欲」「獣耳欲」「光線欲」に抗えないように洗脳されている。
真面目で謙虚、お人好しな性格で、女神に強制付与された三欲以外の欲が薄く
結婚をしたくないというわけではないが、色恋にもあまり積極的ではない。
誰に対しても物腰穏やかで礼儀正しいが、言いたいことはしっかりと言うタイプ。
前の世界では無関心な父と教育熱心な母のもとに生まれ、物心ついた頃から英才教育を受け
遊ぶ時間などなく、友達付き合いも許されず、娯楽らしい娯楽に触れることもできず、勉強漬け。
就職してからも毎日毎日家と会社を往復するだけ、貯金だけが増える日々をおくっていた。

ヒロインは親切な獣人娘、凛々しい獣人娘、勝気な獣人メイド。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(二巻)においての評価はC。
とにかくビームが万能過ぎてヌルゲーになっている冒険者生活が描かれている作品。
実際問題、攻撃の手段としてだけで見ても、遠近両用で光速という時点でかなり反則くさいのに
移動手段や盾としても使えて、回復すらもできるわけですからね。もはやビームという名のチートである。
まあ、導入の時点で既にギャグ感というか、作品全体に漂うゆるゆる感は否めなかったのですが。
冒険者ギルドの杜撰さとか、異世界が魔法具前提すぎだったりとか、色々な部分がガバガバですし…
なので、細かいことは気にせず、ビーム無双と獣人娘たちとのもふもふイチャイチャを楽しむのが吉。
幸い主人公が真面目で謙虚と鼻につかないキャラなのでストレスフリーで読み進められますしね。
本筋は南の魔王を撃破し、剣聖の称号に続いてA級冒険者の肩書きを得た主人公。