絶対魔剣の双戦舞曲 榊一郎(HJ文庫)
あらゆる最強魔法を異端の剣が打ち砕く、無双教導アクションストーリー。
大枠としては教官ものですね。魔術全盛の大魔法時代の中、名門女学院に希少な男性教師として赴任。
という、女の園で黒一点というハーレム環境なわけですが、主人公はほとんど女性に興味を見せないので
異性に囲まれた動揺からあたふたと情けない姿を見せてしまう、みたいなことはありません
その上で、認められてからは生徒達からチヤホヤされるので良い意味での黒一点感を味わえるかと。
魔剣術による戦闘シーンも実にスタイリッシュで、良い感じに主人公の強者っぷりを楽しめます。
ラブコメ面は英雄の血脈を絶やさぬため、世継ぎを望まれている主人公の妻の座を狙うヒロインは多く…?
主人公は異世界渡りの英雄の末裔で、魔術無効の絶対異能を持つ没落貴族の青年。
魔術の才がないが、代わりに超人的な魔剣術を習得しており裏の世界では「魔術殺し」として恐れられている。
妹の監視のために名門のウェブリン女学院に教師として赴任し、令嬢らに己の秘剣術を教えることに。
長めの黒髪に切れ長の黒瞳、そして線の細い身体に端正な顔立ちと、外見は中性的な美男子。
クールでぶっきらぼうと陰気な性格だが、必要とあらば陽気な人間として振る舞うこともできる。
暗殺者として黒ずくめの格好を好んでおり、同時に並々ならぬ拘りを持っている。
ヒロインは卑屈な奴隷令嬢、姉代わりなメイド、努力家な才媛、気さくな暗殺者、バイな皇女。
一番のお気に入りはウェブリン女学院理事長の孫娘にして貴族の才媛、ルーシャ。
白金の長く癖のない髪。紫がかった美しい双眸、よく整った目鼻立ちの美少女。
勝気で気位が高く、生真面目な性格の努力家で、自分にも他人にも厳しいところがある。
学院長の娘だからと気を使われることを嫌がったり、非を認めれば素直に謝罪したりと性分は高潔。
周囲から持ち上げられているが、魔術の成績が低いがゆえに戦いにおいては一切の油断がない。
現時点(三巻)においての評価はC。
主人公が異世界転移者の子孫、という設定の捻りが特徴的な作品。
異世界転移者ゆえの特異能力を継いでいて、それでいて異世界に定着した子孫だから基盤と常識もある。
と、正にいいところ取りなわけですが、主人公は暗殺者だからなのか言動が厨二くさい…
いや、当人はいたって真面目だし、格好いいといえば格好いいのですけども。
メインヒロインにして教え子であるリネットも、良い娘なので成長を応援したくなる魅力がありますしね。
本筋は自在戦艦による皇都急襲、そして仇敵である魔王を撃退し、姉を取り戻した主人公。
物語としては一区切りついたものの、仇敵も敵国も健在と安堵はできない状況。