悪役御曹司の勘違い聖者生活 木の芽(電撃文庫)
勘違いの行き着く先は勝手に聖者認定? 悪役御曹司の勘違い聖者生活物語。
大枠としては勘違いものですね。あとは異世界転生要素もあります。
確固たる信念のもとに悪役として生きるため、武力やハーレムを欲して横暴の限りを尽くす主人公。
しかし非道を働いていると思っているのは彼だけで、実際にやっていることは善行ばかりであるため
知らないうちに周囲の好意や敬意を集めることになってしまい…と、コミカル色が濃いです。
ラブコメ面は四人のヒロインにプロポーズし、結婚の約束完了。
主人公は現代日本から悪徳領主として名高い四大公爵家・ヴェレット家の長男に異世界転生した青年。
魔法適性を持たないものの、強靭な肉体を持っている。特技は努力。
前世ではいい人を演じ続けた結果、苦い思い出ばかりが残ったことから、転生した後は
やりたい放題自由気ままな生活をおくるという信念に沿って生きる格好いい悪役になる、を目標としている。
また、中途半端な真似や、弱い者いじめをするような格好悪い悪意を嫌うようになった。
尊大かつ自信家、打算的な性格だが、目的達成のための努力を苦に思わないタイプ。
ハーレム願望を持っているが、自身に向けられる好意には鈍いところがある。
ヒロインは忠義激高メイド、ボクっ娘同級生、男装の幼馴染、腹黒生徒会長。サブに狂信の男勝りな機械技師。
一番のお気に入りは完全実力主義のリッシュバーグ魔法学院に入学した唯一の平民、マシロ・リーチェ。
透き通った蒼と翠のオッドアイ。ふんわりとしたボブスタイルでまとめられている水色の髪。
そして、その下にある自己主張の激しい胸が目を惹く美少女。特技は耳かき。
人当たりが良く天真爛漫、向上心が強く健気な性格で、いつもゆるふわマイナスイオンを出している
癒し系を体現しているような存在だが、嫉妬心を露わにした時の圧は凄まじい。
現時点(四巻)においての評価はC。
無自覚慈善活動を繰り返し、果てには聖者認定されてしまう主人公の姿に笑いが止まりません。
まあ、勘違い以前の問題として、努力を是とする時点で悪役向きじゃないんですよね彼…
将来楽するために努力するって、もうその時点で悪役メンタルからズレていますし。
とはいえ、人間としては好感が持てますし、ヒロインたちから好かれても納得の一言なのですが。
部下ヒロインのアリスが指示を曲解して動いて彼の聖者化を助けていく流れも面白いです。
本筋は宿敵からの刺客である魔龍を撃破し、聖者としての名声をさらに高める主人公。
しかしその裏では宿敵が世界を舞台にした、大切なものを賭けた戦争の準備を着々と進めており…?