天使な幼なじみたちと過ごす10000日の花嫁デイズ   五十嵐雄策(電撃文庫)



幼なじみは三人。花嫁は一人。一人の少年が幼なじみと結婚するまでの物語。
六歳年上、同い年、八歳年下。それぞれ大きく年齢が離れている三人の幼なじみをヒロインにしたラブコメです。
物語冒頭で主人公は結婚式をあげようとしていますが、相手が誰かはその時点ではわからない。
読者視点でわかっているのはただひとつ、相手が「幼なじみ」であるということだけ。
果たして花嫁は三人のうちの誰なのか。それが明かされるまでの過程が各時代のシーンごとに描かれています。
ラブコメ面は三人の幼馴染のうちの誰かと主人公が結婚するのは確定のようですが、さて。

主人公は三人の幼なじみと出会って10000日。幼なじみの一人と結婚する少年(青年)。
温厚で面倒見のよい性格をしており、懐も広いのだが、その一方で自分のことには無頓着になりがち。
また、イケメンな上、自覚なく自然に王子様ムーブをするので異性からの人気は高いものの
妹的存在である花織を溺愛し、何よりも優先しているため、恋愛への興味がほぼ皆無だったりする。
というか、花織に関すること(ある意味では彼女のことでも)以外に極端に鈍い。
十歳の頃、父親と喧嘩して家出した自分を慰めてくれたお姉さんこと麻生和花菜が初恋の人。
母親がいなくなってから、父親が仕事で家を空けることが多かったため、家事は一通りできる。
どちらかといえば人と話したり騒いだりするのが苦手で、必要以上に騒がしい場も苦手。

ヒロインは天使な年下幼なじみ、陽キャな同級生幼なじみ、ポンコツお姉さん幼なじみ。
一番のお気に入りは幼いころ主人公の隣の家に引っ越してきた年下幼なじみ、菜々星花織。
淡い栗色をしたサラサラの髪の毛、太陽のようにまん丸でぱっちりとした目の美少女。
天真爛漫な性格で、頭がよく、行動力に優れていて、幼いころはかなりやんちゃだった。
幼少時に主人公と結婚し、お嫁さんになるという約束を交わしており、彼のことが大好きなのだが
お年頃になってからは気持ちが凄く空回りしがちになってしまっている。

現時点(一巻)においての評価はC。
この主人公、タイプも年齢も大きく違う幼なじみ三人と仲良くし続ける人生とか、勝ち組すぎる…
いやまあ最終的に一人を選んでいる以上、どこか残りの二人に失恋をさせているのですが。
そもそもの話、自覚がなかったとはいえ、三人ともに思わせぶりな態度をとり続けていたわけですしね。
とはいえ、三者三様の魅力がありますし、何よりも幼なじみという長年の付き合いを考えると致し方なし?
あと、メタ的にいえば、八歳年下の花織が土俵に立てる年齢になるまでは決着つけるわけにはいかないわけで。
キャラに関しては、これだけ恵まれておきながら外面も内面もイケメンとか、主人公盛られすぎぃ!
鈍感なのは話の都合上仕方ないですが、それだけに花嫁になったヒロインは凄いし超の付く勝ち組である。
本筋は結婚までの日々が描写されていく中、花嫁の放った不穏なセリフが気になるところで…?