記憶喪失の俺には、三人カノジョがいるらしい 御宮ゆう(MF文庫J)
記憶喪失な少年と三人の彼女による、謎多き学園ラブコメストーリー。
タイトル通り、冒頭時点で主人公が記憶喪失になっているわけですが、そこに自分の彼女を名乗る美少女が。
けれどその数はなんと三人!? というインパクト抜群な設定がとにかく目を惹きます。
この手の設定の話は、三股であることをヒロインには隠しながら過ごし、バレないかどうかハラハラドキドキ。
という流れになるのがお約束ですが、この作品ではなんと彼女三人間で既に事情が共有されています。
つまり主人公は恋人公認で三股しているわけです。記憶喪失前の彼はツワモノすぎであるw
まあ、当然何らかの深い事情があったのは間違いないので、本作はその謎が重要なわけですね。
単純なお気楽なドタバタハーレムラブコメにならないのは残念ですが、このミステリアスさも面白いかと。
ラブコメ面は公認三股といううらやまけしからん関係を構築している主人公ですが、さて。
主人公は事故にあって記憶を失ったと思ったら、彼女が三人もいることが判明した高校生の少年。
記憶喪失になっても「これから色んな初めてがあるってことでしょ?」とサラッと言えるなど
よく言えば前向きでプラス思考、悪く言えば軽薄(不安を感じないわけではない)な性格。
まっさらであるからこそ人間関係を大事にしており、特に三人の彼女を大事に思っている。
記憶を失う前は人間関係から逃げていて友達がいなかったが、周りからは一目置かれていた。
ヒロインは幼馴染担当彼女、クラス担当彼女、後輩担当彼女。
一番のお気に入りはライトオタクで主人公のことを推している後輩担当彼女、笛乃ひな。
茶髪のボブにパッチリお目目の、純度百パーセントの可愛い系美少女。
素直で純粋、自分を押し付けない謙虚な性格だが、気弱で後ろ向きな面が強く、友達がいない。
主人公に対する依存度は高めで、頻繁にラインを送っている。
二次元が大好きだが、三次元からの供給もしっかりほしい系のオタク。
電子版しかない雑誌にちょっと載っただけのレベルだが、実はモデルでもある。
現時点(二巻)においての評価はC。
記憶喪失ものにおいて大事な要素と言えば、喪失前の主人公はどんな人間であったのかということ。
しかしこの作品の場合、主人公は三人の彼女がいたというトンデモ具合なわけで…
実質覚えがないのに物凄い重荷を背負わされる羽目になった主人公には合掌せざるを得ません。
役得の一言で片づけるには、明らかに多難だらけですからね。案の定、面倒な背景があるようですし。
ゆえに、記憶を取り戻すためにはストレスから解放されることだと医者から告げられていながらも
ヒロインたちの抱える問題を見過ごさず、首を突っ込んでいく様は流石モテる男は違うと納得できますね。
一方、ヒロインたちについては、未だ裏が不明なままなので評価は保留。表だけなら皆魅力的なのですが…
本筋は記憶をの一部を取り戻し、幼馴染の明日香と和解した主人公。
今の自分のまま、全ての記憶を取り戻すことを決めるも、カノジョの一人から衝撃の告白を受けて…?