ゾンビ世界で俺は最強だけど、この子には勝てない 岩波零(MF文庫J)
滅亡寸前の日本で、可愛い後輩とイチャイチャサバイバルな極限状態ラブコメストーリー。
大枠としてはパニックものですね。突如発生したゾンビパニック(ゾンビに噛まれるとゾンビになる)によって
崩壊した現代日本が舞台になっており、主人公はゾンビになっても自我を保つことができる唯一の人間。
という設定なわけですが、パニックものにしては雰囲気が明るめというか、ノリが軽い点が特徴でしょうか。
勿論、危険や危機は多く、生活環境も時間と共に下降の一途と極限状態なのは他作品と同様ですが
主人公の周囲を固めるのが姦しいお年頃の女子だらけということもあり、深刻な空気ばかりにはなりません。
あと、主人公の特異性がしっかりとラブコメに活かされているのも面白い。
ラブコメ面はメインヒロインの日向晴夏と恋人同士ながら、他ヒロインからも好意を寄せられており…?
主人公は突如発生したゾンビパニックの中、遂にゾンビに噛まれてしまい、死の恐怖に怯えるも
友達の妹・日向晴夏と数年ぶりに再会。彼女の善意の申し出によって最期に最高の思い出を作ってもらい
心安らかに死を迎えようとし、しかし自我を保ったままゾンビになれることが判明して生き延びてしまった少年。
相手がゾンビであっても、極力殺すことはしたくないと考えられる善性の持ち主。
物語開始時点まで彼女いない歴=年齢だったが、年頃の少年らしく、色恋には興味津々。おっぱい大好き。
五年前、日向兄妹と交流があった頃、晴夏に仄かな恋心を抱いていた。
ヒロインは小悪魔な後輩、真面目な先輩、奔放なギャル、内気な同級生、天然気味なJD、男勝りなJD。
一番のお気に入りは女子寮に立てこもっていた三人の少女の一人な高校二年生、一ノ瀬あゆみ。
黒髪の背が低い美少女。真面目で内気な性格をしているが、頭脳明晰。
本を読むのが好き。加えて理系ということもあり、簡単な機械の修理ができる。
ゾンビ発生時、風邪で休んでいたがゆえにゾンビに遭遇せずにすみ、難を逃れた。
現時点(二巻)においての評価はC。
ゾンビパニックはサバイバル上等な極限環境を作るための出汁でしかなく、メインはあくまでラブコメ。
という、因果と結果がある意味逆になっている作品。無論、当事者たちは生存に真剣なのですが…
ゾンビ世界らしく、ライフラインの確保の大変さなど、リアルな部分もちゃんと描かれていますしね。
しかしこの主人公、ゾンビに襲われて死にかけたり欲望が叶ったり美少女たちと共に暮らすことになったりと
短期間で人生ジェットコースターすぎである。結果論だけでいえば運が良いの一言なのでしょうけども
まあ、特異体質が大きいとはいえ、頼もしさは十分なので素直に活躍を応援できるのはグッド。
一方、ヒロインたちは少々恋愛脳が強すぎる感がありますが、変に鬱々とするよりかは華やかで良いかと。
本筋は仲間が二人増え、二体目の特殊ゾンビを撃破した主人公たち。
いよいよゾンビを作り出したと思われる組織の情報を集めることになりましたが、さて。