Vのガワの裏ガワ   黒鍵繭(MF文庫J)



VTuberになりたい女子高生と、クリエイター&ストリーマーたちで送る青春ラブコメディストーリー。
大枠としてはクリエイターものですね。VTuberが題材となっていますが、メインは活動(配信)ではなく
VTuberができるまでの過程。キャラクターデザインやモデリングといったVTuberのガワ作りの部分。
つまりはタイトル通りVTuberの裏側が取り上げられているのが新鮮で興味深いです。
まあ、チームメンバーが全員十代の少年少女ということもあり、目標に向かって前に進む熱情、挫折と成長。
そして深まる仲間の絆。これらが合わさった青春群像劇こそが本当の主題なわけなのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロイン側の恋慕は高まりつつあるようですが…

主人公は十六歳の高校生にして、自他ともに認める「神絵師」であるイラストレーターの少年。
ある日、孤高の美少女・果澪から「ママになってくれないかな?」とお願いされることに。
高いプロ意識とストイックさが生む圧倒的な画力で、投稿イラストは万バズが当たり前。
R18にならない程度にえっちなイラストが得意。ペンネームは「アトリエ」。
顔は良いのだが、口を開けば二次元美少女の話ばかりなので、学校では残念枠に見られている。
また、人より表情筋が固いからなのか、腱鞘炎用にテーピングをすることが多いからなのか
ある程度親しい人間からは、愛想が良くない、目つきが悪い、女殴ってそうなどと言われがち。
人間性は割と破綻しているが、コミュ力が高く、お節介焼き。また、面倒くさい女の子を呼び寄せる体質。
リアルの色恋にはかなりの偏見を抱いており、面倒くさいと考えているがまったく反応をしないわけではない。
中学生時代、身勝手な主張を生放送で他者に押し付けていた自分が黒歴史。
好きなものはブラックコーヒー、嫌いなものは甘いコーヒー。

ヒロインは高嶺の花な級友、面倒見の良い級友、自堕落な隣人、ストイックな後輩。
一番のお気に入りは人気イラストレーター兼VTuber「きりひめ」であるクラスメイト、山城桐紗。
さらりと伸びたベージュのロングヘアに、琥珀色の両目。通った鼻筋に、きめ細やかな肌。
女性の柔らかな雰囲気と、色々な意味で大人っぽい佇まいを内包した巨乳美少女で
イラストのみならず、2Dモデリング、VTuberとしての活動もできる多才さの持ち主。
男子人気は勿論、本人の対人コミュニケーション能力も合わさって、女子からも人気を博している。
生真面目でツンとしているが、落ち着きがあり、面倒見の良い性格で風紀委員気質。
センシティブな話題が苦手で、特に禁句なのは本人的にコンプレックスな豊満ボディへの言及。
主人公とは同じ学生絵師としてお互いを助け合う仲。好きな食べ物はラーメン。

現時点(二巻)においての評価はC。
最近ラノベでも登場することが多くなってきたVTuberですが、素人には配信以外の部分はサッパリなのが
当然であるだけに、その裏側を取り上げているという点だけでも興味を惹かれる作品ですね。
キャラに関しては、業界トップの神絵師と呼ばれているだけあって、主人公のストイックっぷりがインパクト抜群。
イラスト最優先具合が突き抜けていて、そりゃ顔が良くても残念枠扱いされるわな、とw
メインヒロインの果澪も、マイクロビキニ姿で「ママになってくれないかな?」と彼に劣らない言動を見せますし…
本筋は新たに登場したVTuberな後輩の抱える問題を解決し、次巻へ。