ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子 鬼影スパナ(MF文庫J)
個性豊かなヒロイン達と共に、偽りだらけの学園ライフに挑む少年のファンタジーコメディストーリー。
大枠としては勘違いものですね。肩書に反して雑魚同然の魔力量しか保持していない主人公が
タイトル通りのハリボテ魔導士として、嘘とハッタリを駆使しながら学園生活をおくっていく話になっています。
少ないMPをなんとかやりくりして最大限に活用、悪運も合わさって難題をクリアしていく彼の姿は実に痛快。
ラブコメ面は今のところ進展なし。主人公の妻の座を狙うヒロインはいるようですが、さて。
主人公は若干八歳にして「ステータス魔法」を開発し、特級魔導士に認定されるも自身のステータスを見て
MPがたった5しかなかったがゆえに魔導士として生きることに見切りをつけ、杖職人になると決めるも
家督を継ぐために魔導学園を卒業する必要があるため、やむを得ず裏口入学することになった少年。
常識人で温厚な性格をしており、身の程をよく理解しているがゆえに、保身重視で安定志向。
伯爵家の嫡男として生まれ、天才魔導士ともてはやされながらもえらぶったところがなく
周囲の評価と実像の差異、更にはそれを悪化させる弟子のマルカの存在にいつも頭を悩ませる苦労人。
色恋には紳士で奥手。
ヒロインはおバカなメイド兼弟子、傍若無人な奨学生、大らかな第二王女、ぼっちな同級生。
一番のお気に入りは主人公とMPを上げる共同研究をすることになった図書館の主、ネシャト・アンヌール。
緩い三つ編みにした青髪、瓶底のような分厚い眼鏡をかけた、少し不健康そうな隈を持つ目をした美少女。
大人しく人見知り、根暗で卑屈な性格のため、優等生だが友達が少ない。
正体不明の杖職人タットル(主人公の偽名)に関して「愛してます!」と言い放つほどの大ファン。
現時点(一巻)においての評価はC。
とにかく主人公が苦労人過ぎて不憫極まりないですが、その不遇っぷりこそが見ていて楽しい作品。
それにしても、前世で何やらかしたのってレベルでこの主人公、不幸である。
彼自身は堅実志向で身の丈に合った人生しか望んでいないというのに、本当の実力がバレれば退学という
チキンレースな学園生活。本来ならば最大の味方となるはずの弟子は折角の奮闘を台無しにしてくる始末。
ある意味元凶である弟子兼メイドなマナマルカには悪意なんてこれっぽっちもないんですけどねぇ。
魔力量がないというだけで、才人なのは間違いないだけに、最後には師弟共々幸福を掴んでほしいものです。
本筋は封印から解き放たれた魔龍を倒し、意図せず一躍名を轟かせた主人公。
しかしその代償として、弟子を含めて嬉しくない目のつけられ方もしてしまったようで…?