皇子に転生して魔法研究者してたらみんながリスペクトしてくるんだが?
                                          なんじゃもんじゃ(ダッシュエックス文庫)



暗殺者襲撃は日常茶飯事! 圧倒的な魔力を誇る転生皇子の常識外れな英雄譚。
大枠としては同世界転生ものですね。大昔の国王が子孫に転生という点が特徴でしょうか。
主人公の前世は帝国史上最強と称された大王であるため、実力、威厳、王族としての振る舞い等を
転生した時点で既に保有しているのが強みであり、そのため魔法研究者と自称しながらも
幼少期から命を狙って襲ってくる暗殺者を返り討ちにしたりと爽快感に溢れる構成になっています。
ラブコメ面は一巻時点で既に婚約者が決定しているも、王族なので側室や愛人の追加に期待。

主人公は帝国史上最強と称された第三代大王が前世であるフォンケルメ帝国の第十一皇子。
生まれてすぐに暗殺未遂に遭ったのを手始めに、何度も命を狙われている。
一度大王を務めたことがあるだけに、思慮深く理知的だが、性分が武の分野に寄っており
そのため、ダンスや礼儀作法、人を見る目などといった分野は得意ではない。
前世においては大王在位三十二年で国土を三倍にするほどの覇王だったが、イケイケが過ぎて
戦場で先頭に立って戦っていたことが災いし、最後は魔法の集中砲火を浴びて爆死している。

ヒロインは生真面目な婚約者。サブに屋敷妖精など。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
転生と俺TUEEEを組み合わせるとはこういうことなのだ! と言わんばかりの作品。
主人公が転生前に大王をしていたということもあって、悪い意味で自重したり、弱気を見せたりせず
皇族らしい上からの立ち振る舞いが自然に、そして嫌味なくできているのが新鮮でよかったです。
情実人事を行わず、人材の線引きもしっかりしているので隙が無く安定感がありますしね。
ただこれ、最終的には皇帝を継ぐことになるのだろうか。当人に今のところその気はないようですが…
本筋は順調に功績を積み上げ、次期皇帝の座に近づいていく主人公。
しかし未だ命を狙ってくる敵の正体は判明せずと懸念材料もあり…?