許嫁が出来たと思ったら、その許嫁が学校で有名な
『悪役令嬢』だったんだけど、どうすればいい? 疎陀陽(ダッシュエックス文庫)
悪役令嬢な許嫁と始めるドキドキラブコメストーリー。
大枠としては学園ラブコメですね。メインヒロインが婚約者という関係上、同居要素もあります。
現代日本が舞台であり、ファンタジー要素はないため、最大の特徴はメインヒロインである桐生彩音のキャラ。
すなわち、彼女がタイトル通り周囲から「悪役令嬢」と評されている点ですね。
まあ、彼女はパッと見だと確かに冷酷さが目立ち、字面通りの性悪キャラに見えてしまうわけですが
交流を重ねていく中で、実は普通の女の子であることがわかってきたりと、ギャップ可愛さがあるわけで。
この辺りは王道のラブコメらしさがあるというか、二人の距離が縮まっていく様子はニヤニヤが止まりません。
ラブコメ面は許嫁である彩音がグイグイと距離を詰めてきたことで、次第に絆されていく主人公ですが…?
主人公はある日突然、学園でも有名な悪役令嬢・桐生彩音が許嫁となってしまった高校二年生の少年。
バスケの元国体選抜候補で、バスケ選手としては低身長ながら高スペックのポイントガードだったのだが
チームメイトとの温度差が原因で頑張ることを諦め、中三に上がる前にバスケ部を辞めている。
基本的に面倒くさがり屋だが、やる気になると凄まじい集中力を発揮するタイプ。
旧華族の名家である東九条の分家の息子でありながら、いまいち家柄の凄さを理解していない。
色恋には鈍感で、幼馴染たちから向けられている好意に全く気が付いていなかったりする。
両親が共働きで母親がいないことがよくあったこともあり、料理の腕はそれなり。
ヒロインは負けず嫌いな婚約者、物腰柔らかな幼馴染、快活な幼馴染、天真爛漫な後輩、又従姉妹なお嬢様。
一番のお気に入りは主人公の又従姉妹にあたる東九条本家の一人娘、東九条明美。
前髪を切り揃えた腰まで届く黒髪に、黒目。和服が良く似合う美少女。
表面上はお淑やかで上品な大和撫子といった感じだが、思い込んだら一直線な行動力の持ち主であり
愛しの主人公のためであればなんでもしたりと、中身は結構な過激派。
幼い頃に交わした結婚の約束を信じ、日々自分磨きに奮闘しており、料理をはじめとした家事も一通りできる。
現時点(四巻)においての評価はC。
とにかくメインヒロインである桐生彩音が見せてくれる素の可愛らしさがたまらない作品。
内容にしても、彩音はあくまで悪役令嬢と言われているだけで中身は普通の女の子でしかないので
悪役令嬢もののお約束である安易なざまぁや婚約破棄はないので安心して読めますしね。
突然できた婚約者なのに、真摯に向かい合おうと努力する主人公の姿にも好感が持ててグッド。
脇を固める幼馴染たちも良い娘揃いで華やかさもバッチリですしね。ラブコメ的に負け確なのは不憫ですが…
本筋はバスケ大会で優勝し、後輩を元気づけることに成功した主人公。
許嫁である彩音との仲も順調かと思いきや、彼にぞっこんな又従姉妹が隣に引っ越してきて波乱の予感。