〜東京魔王〜 鎌原や裕(ダッシュエックス文庫)
いずれ最強に至るモンスター育成ローファンタジーストーリー。
突如として世界各地にダンジョンが現れた現代地球が舞台になっている話ですね。
ただし、スタンピード以外ではモンスターはダンジョンの中から出てこないというお約束はガン無視され
普通に外に出てくるため、人類は蹂躙されて壊滅状態に追い込まれているという世界観になっています。
こういう設定の話だと、主人公は世界を救うためにダンジョン攻略を目指す、というのが王道ですが
この作品の主人公はそういった崇高な使命感や正義感は持っておらず、あくまで自分が生き延びるため
力をつけるため、もっと多くのモンスターを使役するため、と利己的な面が強め。
まあ、最終的には半強制的にとはいえ、世界を救うために冒険せざるを得なくなるのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。
主人公はモンスターを捕獲し破格の育成能力で最強のモンスターへ進化させる「モンスターマスター」の
特殊能力に目覚め、最強のモンスター軍団を作り上げていくことになった青年。
良く言えば堅実で慎重、悪く言えば貧乏性。対人関係を面倒と思っているタイプの陰キャ。
基本的に自己中な性格で、正義感や名誉欲は皆無。目標は最強のモンスター軍団を築くこと。
ライトノベル作家萌美優理の大ファンで、彼女のことを心から敬愛している。
最高球速154km/hを誇る強肩で、学生時代のあだ名は根暗超人。
ヒロインは陰キャラノベ作家。
一番のお気に入りは世界崩壊に伴い、自室に引きこもっていた人気ライトノベル作家、萌美優理。
幼少期のある時期から人間恐怖症になってしまい、その後現実から目を背け続けた反動で
架空の世界に没頭した結果、破格レベルの創造力を開花させ、ライトノベル作家として成功した。
ただただ不器用な寂しがり屋で、それゆえに自分に優しく接してくれる主人公に依存している。
対人経験が皆無に等しいがゆえにチョロく、おだてられたらやっちゃうタイプだが、褒めて伸びる典型でもある。
現時点(一巻)においての評価はC。
モンスターマスターという、自分で戦わずに仲間(モンスター)に戦わせる能力持ち主人公というのは
結構珍しい設定かと。と言っても、安全圏でふんぞりかえって指示を出すだけ、ということはなく
ちゃんと彼自身も前線に出張ったりもするので、主役らしくないということはありません。
終末世界での冒険、という構成も中々に浪漫心をくすぐってくれますしね。
まあ、ヒロインがちょっと闇深いというか、若干病んでる感ありますが、状況を考えれば仕方なし。
それに、破綻さえしなければ問題ないわけですしね!(ただし破綻しないとは限らない)
本筋は同じ希少スキルの持ち主たちとの邂逅を経て、人類滅亡の危機を知った主人公ですが…?