名探偵は推理で殺す 輝井永澄(富士見ファンタジア文庫)
武器は推理のみ。奇妙な孤島を舞台にした、探偵バトルファンタジーストーリー。
主人公が探偵ですが、大枠としては異能バトルロイヤルものです。勿論ミステリー要素も大きいですし
推理という要素が作中において重要なファクターを担っているのも確かではあるのですが。
異能を分析したり、敵の罪を見破ったりと「勝利への道筋を推理する」という形になっているわけですしね。
まあ、この主人公は頭脳以外(技術面など)でも色々と有能なのですけども。
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか環境的に悠長に恋愛している暇ないですしね…
主人公は様々な世界から大罪人が送り込まれてくる世界「監獄界」にて、とある依頼を引き受け、大罪人たちが
命を懸けて殺しあう「闘争裁判」に参戦することになった、数多の難事件を解決してきた高校生名探偵。
卓越した頭脳を有しており、更に「弾道予測」「二段当身」などといった48の探偵技を扱う。
目の前に現れた誰かを助けられる力が自分にあるなら、それを行使せずにはいられないお人よしな性格。
探偵らしく常に落ち着きがあり、冷静なようで女心に疎かったりと年齢相応に未熟な一面も。
名探偵になる前はリトルリーグで名外野手だったため、投擲能力に優れている。
ヒロインは献身的な聖女。サブに陽気な詐欺師、ミステリアスな裁判員。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
100人の大罪人同士によるバトルロイヤル。しかも大罪人たちは様々な世界からやってきているので
猟奇殺人鬼、人斬り侍、山賊王、闇堕ち勇者など、相対する敵は実にバリエーション豊か。
そんな中で「名」が頭についているとはいえ、戦闘向きではない探偵に何ができるのか、という点を見事に
解決しているのが「罪威」という異能システム。これによってタイトルの「推理で殺す」が成立しているのが上手い。
キャラに関しては、戦闘力で劣りながらも名探偵としての力で危機を打破していく主人公が格好いいです。
仲間となる聖女や詐欺師もそれぞれが自分にしかできない活躍を見せてくれますしね。
本筋は闘争裁判の序盤戦が終了し、残る闘罪人は半分となる50人。
その一方で、監獄界に存在する謎の文明の跡、一枚岩ではない様子の運営陣など、まだまだ謎は多く…?