最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室   吉野憂(ガガガ文庫)



最強にウザい彼女と手を組んで、学園の頂点を目指す頭脳バトル×コメディストーリー。
大枠としては頭脳(?)バトルものですね。舞台となる私立鷺ノ宮学園は上流階級の子息が集まる学園で
マウントを取って勝ち上がることが学園長の方針であり、絶対のルールとされています。
つまり、この物語において重要なのは「いかに相手を言い負かすか」という点なんですね。
字面だけで判断すると馬鹿馬鹿しいことこの上ないですし、実際このマウンティングバトルは
コミカル色が強いように描かれていますが、登場人物たちはいたって真面目なのが余計に笑えるわけで…
ラブコメ面はマウントために恋人(仮)契約をした月並千里がいるも、主人公は現状恋心皆無。
むしろセカンドヒロインである夜桜環奈という良い雰囲気で…?

主人公は優劣比較決闘戦のために月並千里と恋人(仮)契約を結ぶことになったザ・一般人の少年。
スペックは普通の見た目に人並みの身長。運動は昔から大嫌いで、得意なことは何もなし。
友達も少なく、彼女どころか女友達すらおらず、異性として好意的な感情を抱かれたこともない。
自意識過剰で押しに弱く流されやすい、嫌とは言えない優しい性格で、自分よりも相手のことを大事にしがち。

ヒロインはマウント好きな令嬢、ライバルな貧乳令嬢、元読モな友人。
一番のお気に入りは気の弱さを克服するために学園に入学した元読者モデル、東雲翼。
大きな瞳に小さい顔。美白で全てのパーツが整いすぎているが、自信なさげな表情に
ところどころぴょんと跳ねた銀色の髪の毛が抜けていて近寄りやすい雰囲気を醸し出している美少女。
気弱で自分に自信がなく、庇護欲をそそる性格をしており、マウントバトルではその性格と美貌を
活かした戦法をとっている(とらされている)ため、周囲からは計算高い、あざといと思われている。

現時点(三巻)においての評価はC。
いくらコミカルに描かれているとはいえ、やっていることがマウントの取り合いである以上
どうしてもイラッとする台詞が多く出てくるのが難点ではありますが、掛け合いは間違いなく面白いです。
お前らは何を言っているんだ? と、ツッコミが主人公とシンクロすることもしばしばですしね。
その人のイメージに合った動物のホログラム同士が戦う最新技術が使われていたり、解説があったりと
残念かつ無駄な労力が費やされまくっているのも、アホらしさが突き抜けていて逆に感心しますし。
本筋は学園内で起きた殺人未遂事件を解決し、夏休み突入。しかし突如として無人島生活がはじまり…?