高嶺の花には逆らえない 冬条一(ガガガ文庫)
謎多き高嶺の花と織り成す、ゾクゾク必至の新感覚ラブコメストーリー。
大枠としては学園ラブコメですね。主人公はリア充にも陰キャにも当てはまらないキャラをしているためか
スクールカースト要素はほとんどありません。謎多き高嶺の花ヒロインである立花あいりの言動に
振り回されつつも、家族や友人たちと楽しそうにドタバタな日々をおくる彼の姿が描かれています。
主人公を見下して馬鹿にし、貶めようとする恋敵が自業自得の罰を受けるざまぁ要素などもありますが
コミカルな作風と主人公のキャラが幸いしてか、過度のストレスが溜まることはないかと。
ラストは高嶺の花は理想をやめて自分らしく生きていくことになったのだったエンド。
ラブコメ的には高嶺の花な立花あいりではなく、武田千鶴を選び、結ばれて終了。
主人公は学校一の美少女・立花あいりに一目惚れをした高校一年生の少年。
筋トレが趣味で体型は細マッチョ。家には彼よりもっと筋トレが趣味な父親が金を賭けたホームジムがある。
引っ越しが多い人生だったがゆえにコミュ力は高いが、天然気味な性格をしている変わり者。
かなりのお人好しで、自身を貶めようとした相手にさえ救いの手を伸ばしてしまう。
中学の時、美術部だったため絵は得意な部類。
ヒロインは高嶺の花な級友、ぽっちゃり系な同級生。
一番のお気に入りはひょんなことから主人公の昼友となった同級生、武田千鶴。
ぽっちゃりしたショートヘアの(痩せている時は)美少女。
昔は痩せていて、その頃は異性から好意を向けられるほどの可愛らしさだったのだが、それが原因で
いざこざに巻き込まれ、辛い思いをしてしまい、それならばとわざと太ったという経歴の持ち主。
塞ぎこんでいた時期が長かったせいか、コミュニケーション能力が低下しており、いつもスンと不愛想。
特技は料理(母親が料理研究家)。イルカが好き。うめき声が可愛い。
評価はC。
主人公のどこかとぼけた、しかし芯を突く優しさを見せるキャラが良い意味で印象に残りましたね。
確かに彼にならヒロインたちが心奪われ、家族や友人は親愛を寄せるわな、と納得できます。
あと、ヒロインを混ぜても変わらない主人公一家のノリのよい仲の良さが見ていて愉快すぎましたw
不満点があるとすれば、主人公を貶めんとする恋敵への対応の甘さ(最終的には和解している)ですが…
これに関しては主人公の美点ゆえというのもあるので痛し痒しといったところ。
本筋は高嶺の花であることを否定し、それを救いとするというタイトル回収の仕方に感心しました。
てっきり、高嶺の花と結ばれて尻に敷かれる的な言葉通りのオチになると思っていたので…