ある日、他人の秘密が見えるようになった俺の学園ラブコメ
                                               ケンノジ(角川スニーカー文庫)



弱小モブがある日を境に恋愛強者に。高嶺の花もギャルも全員オトす、EASYラブコメストーリー。
大枠としては学園ラブコメですね。特徴は主人公に「他人のステータスが見える」という力がある点。
読心能力ほどの利便性はないものの、相手の本性や秘密が丸わかりになるため、会話を広げやすいですし
そうなると対人関係は勿論、恋愛関係にも有用なのは間違いないわけで…
ステータスが見えると言っても、異能バトルなどの物騒なイベントが発生するわけではないですしね。
平和な現代日本で得る力としてはちょうど良い塩梅の便利さではないのでしょうか。
ラブコメ面は本命がメインヒロインの高宇治沙彩で揺るがずの主人公ですが、さて。

主人公はある日、他人の秘密ともいえる「ステータス」が見えるようになってしまった少年。
臆病な性格で事なかれ主義だが、自分のことでは怒らず、他者のために怒ることができるタイプ。
ステータスが見えるようになったことで、男らしさが成長していくことに。
ラジオオタクで、趣味は深夜ラジオを聴くこと。
同じクラスの高宇治沙彩に惚れており、同じ趣味を持つがゆえの親近感がその切欠。

ヒロインは押しに弱い同級生、ギャルな幼馴染、賭博師な先輩、フレンドリーな級友。
一番のお気に入りはギャルでビッチと噂されている幼馴染、瀬川春。
明るい金髪に、笑うとちょっとだけ覗く八重歯が自称チャームポイントな巨乳美少女。
男女問わず交友関係が死ぬほど広い抜群の社交性の持ち主で、ノリは軽いが面倒見の良い性格。
見た目は派手で、普段の言動もいかにも貞操観念の緩そうなギャルといった感じだが、根はピュア。
気心が知れている主人公にはすぐに手(足も)が出るが、気質は一本筋が通っている。

現時点(二巻)においての評価はC。
ファンタジー世界の概念である「ステータス」を学園ラブコメに投入するという発想が面白い作品。
数値的な要素(好感度とかスリーサイズとか知力体力魅力とか)は表示されませんが
相手の普段は見えない本当の性格や秘密が丸見えというのは大きなアドバンテージ。
この作品に登場するヒロインたちは見た目と中身のギャップが大きい面子揃いなので尚更ですね。
それに、ステータスが見えることが主人公自身の成長にも繋がっているのも良い感じ。
確かに目に見える形で己の成長がわかるなら、大きな自信になりますしやる気も出ますし。
話の展開に説得力があるので読み進めやすいですし、感情移入もしやすいです。
まあ、この主人公の場合、力無しでも春という幼馴染がいる時点で十分恵まれていた気がしますが。
本筋は修学旅行を通じて、またさらに想い人と仲良くなった主人公。