10年ぶりに再会したクソガキは清純美少女JKに成長していた
館西夕木(オーバーラップ文庫)
元「クソガキ」で現「美少女JK」との年の差すれ違いラブコメストーリー。
大枠としては年の差を主題にしたラブコメですね。昔一緒に遊んでいた子供が、美少女に成長していた。
言葉にすると単純かつ簡単なことですが、当事者からすると意外に厄介なものなのでしょう。
実際問題、一桁年齢だった子供が十年経ってJKに成長したならば、見た目や性格が大幅に変化していても
おかしな話ではないですし、その実例が目の前に現れたとして、すぐにはわからないほうが自然なわけで。
まあ、この作品のメインヒロインである春山未夜の場合は、再会しても気付かれなかった自分に対し
再会してすぐ気が付いてもらえた龍石眞昼の存在があるので不憫であり、意地を張っても仕方がないのですが。
ラブコメ面はクソガキ(現JK)三人娘のうちの二人から愛の告白を受けた主人公ですが、さて。
主人公はあまりの激務に体を壊したため、東京のブラック企業を辞め、地元に帰ってきた二十八歳の青年。
十年前は毎日のように家にやってきたクソガキたちの相手をしてやっていた。
ぶっきらぼうに見えて心配性で面倒見がよい性格だが、彼女いない歴=年齢。
社畜時代に酷い扱いを受けていたことが原因で、携帯電話の着信音にトラウマがある。
読書が好きで、得意ジャンルはファンタジーや冒険小説だが、好みは謎解きに重きを置いた本格推理小説。
子供の頃は平気だったが、今は虫が苦手で触れることができない。
中学時代は野球部、高校時代はバスケ部(高校野球は年間を通して強制坊主となるため)に所属していた。
ヒロインは清純派JK、活発JK、愛が重いJK。サブ(昇格候補?)に勝気な従妹。
一番のお気に入りは高校三年生で女子バレーボール部に所属している元クソガキ、龍石眞昼。
ボーイッシュでキリっとした顔立ち、黒髪ショートカット、百七十センチを優に超える長身の爆乳美少女。
明るく活発で落ち着きがないが、気遣いができ周りを引っ張っていく姉御肌な性格。
発育以外は十年前とほとんど変わっていなかったがゆえに、主人公は彼女にすぐに気づいている。
北高三大鉄壁聖女の一人(アイドル級の美貌を持ちながら、彼氏を作らず告白も一刀両断なため)。
実は見かけによらず料理上手。
現時点(五巻)においての評価はC。
アラサーの主人公とJKなヒロインたちが織り成すラブコメ、と書くと犯罪臭が凄いですが、この作品の場合は
舞台が都会ではなく、主人公とヒロインたちが昔馴染みという点もあって後ろ暗さ感は薄め。
作中では十年前の描写が度々挟まれており、登場キャラの過去と現在の対比がわかりやすく描かれているのも
お互いが抱く親しみや好感度、そして交流の気安さに納得しやすい材料になっていますしね。
まあ、それにしたって読者視点だと主人公は恵まれすぎ、羨ましすぎと感じてしまいますが。
昔自分が遊んでやっていた子供が美少女JKに成長し、変わらぬ好意を見せてくれるとか男の浪漫ですし。
本筋は二人の美少女JKから告白を受けて、彼女たちを女性として意識せざるを得なくなった主人公。
そしてメインヒロインながらも一人蚊帳の外状態な未夜の巻き返しやいかに。