百合ゲー世界なのに男の俺がヒロイン姉妹を幸せにしてしまうまで
                                              流石ユユシタ(オーバーラップ文庫)



一つ屋根の下、凸凹で個性豊かな四姉妹との共同生活物語。
大枠としてはホームドラマ要素が強い同居ものですね。異世界(ゲーム世界)転生要素もあり
主人公は原作知識を持っていますが、歳の差に加えて原作のジャンルはタイトル通り百合ゲーということもあり
それが活かされるのは恋愛ではなく親愛という点が特徴でしょうか。将来的には恋愛に発展するかもですが。
また、ヒロインたちにはそれぞれに異能力が備わっていますが、異能バトルや陰謀による悲劇はないです。
あくまで彼女たちの心を解きほぐすための重要なギミックのひとつという扱いの模様。
ラブコメ面は主人公が成人男性、ヒロインたちが小学四年生ということで現状では進展はなさそうですが…

主人公は親戚の葬式に参列し、孤児となった幼い四姉妹を成り行きで引き取ることなった瞬間
前世の記憶を思い出しここがゲームの世界だと気付いてしまった市役所職員(二十一歳)の青年。
物腰穏やかで冷静沈着、責任感が強い性格で、良く言えば慎重、悪く言えば考えすぎるタイプ。
高校からずっと自炊をしているため、料理の腕は高い。欠点はギャグセンスがないこと。
前世では高校一年生で死去している。

ヒロインは超シスコンな長女、ツンデレな次女、厨二病な三女、頑張り屋な四女。
一番のお気に入りは厨二的な発言をよくする日辻四姉妹の三女、日辻千秋。
肩にかからないほどの銀髪ショートヘアーとオッドアイが特徴の美少女。
厨二病を患っており、仰々しい口調で喋ることからゲームユーザーには厨二系ヒロインと言われている。
心を許した相手には素直で物怖じしない性格で、自由奔放に見えて実は一番の気づかい屋さん。
四姉妹の中で一番チョロく(人を見る目があるともいう)、ゲームでは好感度が上がりやすいキャラだった。
運動が大好きで、姉妹の中でも一番運動神経が良いが、勉強は苦手。

現時点(一巻)においての評価はC。
やりたいことはわかるけれど、色々と設定を詰め込みすぎなのでは? というのが正直な感想になる作品。
別にこれいらなかったのでは? という設定が多いです。特に原作が百合ゲーである意味が謎。
後々原作主人公が関わってきたりするのかもですが、主人公がいる時点で彼女は不要ですしねぶっちゃけ。
タイトルから考えて「百合環境なのに男が活躍!」というギャップを売りにしたかったと思われますが
それなら原作時間軸スタートであるべきでしたし、作中では百合要素もほぼ皆無だから結局何もかもが薄い。
肝心の主人公にしても、姉妹を幸せにしたいという動機は理解できても熱意がイマイチ伝わってこないですし。
ずっと不憫だった姉妹が主人公との生活の中で幸せを得ていく様は尊いのですが…
本筋は少しずつ四姉妹との距離を縮め、家族になっていく主人公ですが、さて。