お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 鈴木大輔(MF文庫J)
ブラコンな妹に振り回される兄の話。
に、見せかけて彼に好意を持つ一癖以上ある少女達にも振り回されるハーレムな話。
に、見せかけて実は一番の曲者が主人公であるというどんでん返し連発なドタバタラブコメ。
キャラの掛け合いがかなり面白く、単発イベントをヒロインごとにローテーションで回す構成になっています。
ただしメインヒロインである妹が実は血が繋がってないという設定は流石にどうかと思う。
ある意味この作品の存在意義を否定してないでしょうかこの設定w
ラストは主人公が公衆の面前で色々はっちゃけた告白を決行。そして平和で騒々しい日常は続いていくエンド。
ラブコメ的にはヒロイン四人を相手にハーレム成立。ただし一番はあくまでメインヒロインの秋子であり
他の面子は二番、更には後々人員の増加もありえるよ! みたいな感じで終了。
主人公は六年ぶりに再会を果たした妹の秋子(+他多数)と一つ屋根の下で暮らすことになった少年。
本心から自分はシスコンではないと思ってるようで、そう思ってるのは自分だけという末期ぶりだったりする。
また、周囲に隠してはいるものの、生活費を稼ぐために小説を書いているという意外な一面も。
ちなみに、既に数冊ほど本を出版しているため、肩書き的に小説家といって差し支えない。
なお、書いてる内容が兄妹間の恋愛――いわゆる近親相姦ものであるあたり、色々手遅れくさい。
作品自体はコアなファン(ていうか妹)もいるらしく、生活費程度は売れている様子。
普段は怠け者な事なかれ主義者だが、固く決心したことは何が何でも独力でやり通す意思の強さを持っている。
ヒロインはブラコン妹、下ネタ舌無表情少女、眼帯肉食系生徒会長、銀髪ボクっ子、幼女婚約者、気弱な眼鏡娘。
一番のお気に入りは無表情のまま下ネタを空気のように繰り出す少女、那須原アナスタシア。
たった三度目の邂逅でいきなり主人公に告白してきたりと突飛な言動が目立つタイプ。
一見すると超然キャラであるものの、意外にもぬいぐるみ好きであったりとギャップ萌えヒロインだったりする。
実はオカルト関係と純粋に自身を慕ってくれる人間に弱い。
容姿・運動能力・頭脳・カリスマ等あらゆる能力に長けているも、家事全般だけは壊滅的。
評価はC。
全体的に大きな事件や動きはないですが、逆にそれが独自の雰囲気を作っている作品。
どうということのない話がどうということもなく書かれてるだけなのに何故か楽しい。
キャラに関しては、妹以外目に入っていなかった超然主人公が巻を経るごとに人間味が出てくるのが良い感じ。
悪い方向というか、ダメな部分ばかり表に出てきていて評価が下がりっぱなしのはご愛嬌ですがw
まあ、ヒロインたちも彼に劣らず曲者揃いな上、振り回したり振り回されたりな関係が愉快なんですけどね。
本筋は全体を通してみれば結末を含め破綻のない構成で進み、十分に楽しめる物語に仕上がっていた印象。
というか最終巻が出て完結しただけもう感無量ですよ。前巻から四年も経っていたのでもう諦めてましたし。
あとは本編で直接語られなかったアレコレをアフターストーリー巻として出してくれれば…