天川天音の否定公式 葉村哲(MF文庫J)
現代日本が舞台の能力バトル&ラブコメもの。
…ではあるのですが、肝心の本筋がやたら設定過多というか複雑というか専門用語多すぎというか。
実に中二病っぽい雰囲気が漂いまくってる感があります、二つ名とか能力名とかモロにそんな感じでしたし。
正直私は最後まで全体像がよく理解できないままでした。
四巻完結ですが、書きたい部分を書ききってるようなので打ち切りではないのでしょう。
最後は戦いを終えた主人公が帰還、ヒロインたちの告白を受けるが答えを出せず的エンド。
ちなみに、作者さんの新作である「おれと一乃のゲーム同好会活動日誌」を読めばわかりますが…
この作品で未来の主人公とヒロインたちらしき人物の影があったり。
もしそれが本当に彼らであるなら、どうやら一人を選べずにグダグダハーレムになったと思われます。
主人公はあまり特徴はなく、目立たず、友人も多くない。
でも実はとてつもない過去と力を抱えていて…という実に設定が主人公な主人公。
家事が得意で、主夫根性からか汚い部屋と洗濯物、食べ物を粗末にすることは許せないらしい。
ハーレム系主人公らしく恋愛方面には鈍感で、その鈍感さゆえに自覚せずに臭い台詞を吐くこと多数。
ただし交友関係が狭いためにその被害にあうのは主にヒロインたちだけというのは良いのか悪いのかw
ヒロインは猫かぶりダメっ子、素直クール幼馴染、ベタベタ猫娘、人形少女。
ほぼ全員が露骨に好意を示しているのに、最後の最後まで恋愛感情に気がつかなかった主人公。
実に人間としておかしいと思います、もげろ。
一番のお気に入りは途中退場してしまった人形少女コッペリア。
感情のない人形少女が、主人公との交流で徐々に女の子らしさを身に着けていく。
最後は悲劇で終わりましたが、彼女のエピソードは実に好みの展開でした。
ビジュアル的にもど真ん中ストライクで、最終巻あとがきの復活ネタは是非書いて欲しいところ。
評価はD。
絵を含めたヒロインたちの可愛さや、ラブコメ部分は実にニヤニヤできてよかったのですが…
やはり本筋の部分が難解すぎたのが大きなマイナス点ですね。
もっとザックリとわかりやすい設定と敵、主人公でよかったと思います。