もて?モテ!   長野聖樹(MF文庫J)



ハーレム王国建設をマジで目指す男子高校生のモテモテハーレムラブコメディ。
重婚不可な現代日本を舞台にしておきながら、開き直った目標が実に清々しい。
少々のファンタジー要素がありますが、バトルとかは基本的にありません。
ただひたすらに、登場するヒロインを攻略してハーレムに加えていくだけの作品です。だがそれがいい。
ラストはヒロイン全員が告白し、それを主人公が受け入れてのハッピーエンド。
まあ、実質的にハーレムエンドといって差し支えのないエンドだったと思います。将来的にどうするかは謎ですがw

主人公はハーレム王国建設を本気で目指している少年。
一言で纏めると、ひたすら前向きなバカであり、基本的に憎めない性格の持ち主。
そのあけっぴろげな願望を除けば目立った欠点はなく、実家が古武術をやっているので戦闘力もそこそこ。
あえて言うなら、風邪を引くとやたら甘えん坊になるという特徴のがちょっと気持ち悪いかも。
空回りすることこそ多いものの、女の子を大事にする! という気持ちは人一倍強く、本物。
なお、ハーレム王宣言をしている割には貞操観念は古風で、エロ方面に関しても純情だったりする。

ヒロインは義妹、義姉、委員長、お嬢様、探偵少女、天才少女、剣道少女、アイドル、実妹、神様。
これにモブのメイド二人を加えて合計十二人と数はかなり多め。
多数の宿命か、出番の差がそれぞれで大きく、やはりメインである義妹が推されている印象。
とはいえ、一人一人に主役エピソードはちゃんと設けられているのですが。
一番のお気に入りは天才な眼鏡っ子少女、上村真優子。
寡黙で感情表現に乏しい、でも恋したら凄く可愛くなるという私の最も好むタイプのヒロインです。

評価はC。
多分、純粋にひとつの読み物として考えるともっと低い点数になると思います。
ただ、ハーレム推しの作風が私好みであったことと、ヒロインが皆可愛かったという点を加味してこれくらいかなと。
ハーレムラブコメとしてだけの評価ならほぼ文句のない満点の出来だったのですが…
お約束のお色気ハプニングは完備されており、個別イベントから複数人による賑やかな主人公争奪戦まで
ヒロインたちとのラブコメ模様のバリエーションも豊かでしたし。
細かいツッコミどころに関しては、頭を空っぽにして読むのが正しいのだと割り切れる感じの作風でしたしね。