『ふと疑問に思ったこと』



 「リオーネよ、常々私は思っていたことがある」

 「なんでしょう、エクリア様」

 「何故お前は常にそんな破廉恥な格好をしているのだ?」

 「なっ!?」

 「睡魔族、あるいは踊り子なら話はわかる。彼女らはそれが当たり前だからな。だがお前は仮にも一国の姫だ」

 「い、いえそのっ! これは動きやすさを求めた結果といいますか」

 「ライトアーマーでももう少し布地は多いと思うが……」

 「うっ」

 「そもそもお前は男嫌いで通っているはず。にも関わらず男の目を引くような格好をするとはどういうことなのだ?」

 「き、キャラデザインの人に聞いて下さい!」



 まあリオーネの武器は鞭っぽい連結剣だし、女王様イメージであんなんなんだろうなぁ


 『移動力』



 「お姉様、お供いたします!」

 「それじゃあちゃんとついていらっしゃいね、リン」

 「はい」



 クラスチェンジ後。



 「……ダメだ。まるでついていけない」

 「そりゃあんだけゴテゴテした鎧をつけてりゃ足も遅くなるだろうさ」

 「と、盗賊風情が何を知ったようなことを!」

 「ていうかその鎧を着てないと駄目な理由でもあんの? カーリアンとまではいかなくてもラピスくらいまでは軽量化できるんじゃ?」

 「お姉様を呼び捨てにするなっ! それに……だ、駄目なんだ。この鎧を脱いでしまったら私の個性が!」

 「すまん、あたいが悪かった」


 『待っている間』



 「騎士殿は……来る、来ない、来る、来ない」

 「ぐるー(それで何本目だよご主人様)」

 「来る、来ない……来ない……」

 「きゅるん(今日はもう来ないって、帰ろうぜ。お供の奴涙目だったぞこの前)」

 「やはり来ない……ああ、やはりこの鎌は持ってこないほうがいいのだろうか。無骨すぎるし……」

 「ぐぎゅー(いや、それ以前に血を拭けよ。錆びるぞ)」

 「そもそもここは血生臭すぎる。何故こんなところで出会ってしまったのか」

 「ぎゃー(あれ、遠回しに俺責められてる?)」

 「いや、贅沢は言うまい。出会えただけでも幸運なのだ。騎士殿……」

 「ごあっ(うわっ、乙女モード入っちゃったよ。こりゃまだまだ帰れそうにないな)」


 『正妻』



 「あの人も男だし、仕方ないことだとはわかってはいるの」

 「は、はい」

 「でも嫌なの! 私以外の人に目を向けるのも向けられるのも嫌なの!」

 「そういわれましても、ご主人様はあの通り大変魅力的な方でいらっしゃいますから……」

 「大半の個別エンドの半分くらいはあの人は再婚しちゃうし! カーリアンEDなんかウエディングドレスまでっ!

  私だって着たことない(描写がない)のにぃっ!」

 「ご、ご愁傷様です……」 ←自分もプロポーズされるEDなのでちょっと嬉しそう

 「私の存在意義って何? トゥルーED以外だと死んじゃうし、巷ではヒロイン扱いされないし!」

 「ペテレーネ、ここにいたか」

 「ご主人様?」

 「そろそろ休憩にしたい。お茶を入れてくれないか」

 「か、かしこまりました!」

 「ねえ、貴女ならこの気持ちわかって……って、いない?」


 『IF』



 「もしも父が生きていたならば……」

 「?」

 「いや、ふと思ってな。あるいはラピス、お前と結ばれる未来もあったかもしれん」

 「それは……愛の告白と受け取ってもいいのかしら?」

 「お前がそう思うのなら、それでもいいが?」

 「ふふっ、そうね。そんな未来があったなら、とても素敵だったと思うわ」



 「ちなみに私は生きてますから……生きてますから!」

 「お、落ち着いてくださいイリーナ様!」


 『俺の嫁』



 「ああ、相変わらずティナ様は美しく、優しい……」

 「全くだ。流石はメンフィル軍お嫁さんにしたい女性ナンバーワン」

 「いや、俺はペテレーネさんのほうが」

 「うるさいだまれ。でも、ティナ様は修道女だろ? 結婚とかできないんじゃないか?」

 「いや、イーリュンは婚姻を禁じているわけではないはずだ」

 「じゃあ俺たちにもチャンスが!?」

 「……お前、あれ見てそれを言うのか?」



 「陛下、服にほつれが……」

 「すまないな、ティナ」

 「いえ、それでは動かないでくださいね。ふふっ、だらしのない格好をしていては皆に示しがつきませんよ?」



 「俺がバカだった」

 「気にするな。あっちにはもっと気の毒な方がいる」

 「それは、私の役目なのに……っ!」

 「うわあイリーナ様の手が木の幹にめり込んでいる!?」


 『ふと疑問に思ったことA』



 「カーリアン、お前の目元のハートマークには一体なんの意味があるんだ?」

 「何よ急に?」

 「いや、ふと気になってな。それでどうなんだ?」

 「フフフ、他ならぬリウイの質問だし、答えてあげるわ。これはね……ビームの発射口よ!」

 「…………」

 「あ、疑ってるわね? 見てなさい……セクシービーム!」

 「……ただのウインクじゃないか」

 「ノリが悪いわねェ。俺のハートが打ち抜かれた! くらい言いなさいよ」

 「言うわけなかろう」

 「ちぇっ」

 「だが、まあ……可愛かったぞ」

 「えっ!?」

 「柄にもないことを言ったな。忘れてくれ」



 (……私のハートが打ち抜かれちゃったじゃない)


 『正妻A』



 「ふふ……うふふ」

 「おい、イリーナ様ご機嫌だな」

 「ああ、どうしたんだろう? 確か陛下は遠征中のはずだぞ」

 「陛下からの手紙でも届いたんじゃないのか?」



 「カーリアン様のものが二本。ペテレーネさんのものが三本。私のものが五本……勝ったわ!」



 「しかしイリーナ様は何をしているんだろうな、陛下のマントなんか抱えて」

 「糸屑でもとってるんじゃないのか?」

 「いや、あれは糸屑っていうか髪の毛だな。でもなんで選り分けてるんだ? なんか数えてるし」

 「どんな意味があるんだろうな」


 『対抗馬はエスカーナ』



 「俺はリネアだと思うぜ」

 「あ、あの、俺はやはりファーミシルス様かと……」

 「ふむ、ルースはそうだろうな。俺はペテレーネだな。あいつは脱いだら凄いぞ」

 「国王まで混ざって一体何の話をしてるのさ……」

 「ん? 誰の胸が一番デカイのかって話だ。ミオ、お前さんは誰だと思う? やっぱカーリアンの姉ちゃんか?」

 「ちょ、ちょっと待ってよブラム! なんでカーリアンって決め付けるのさ!」

 「しかし甲乙つけ難いな」

 「なんせ公式データにはスリーサイズはないしな」

 「そこ、メタ発言をするな。ふむ……逆ならばすぐに答えを導きだせるのだが」

 「逆? ああ……」

 「確かに……」

 「どこぞのロリ魔神一人しかいませんしね」



 「わ、我を見てしみじみと言うなぁっ!?」


 『犬猿の仲』



 「全く、これだから男も知らない生娘は困るわ」

 「だ、誰が生娘だ! 私はもう……!?」

 「あら、いいことを聞いてしまったようね? お相手はやっぱり陛下?」

 「なっ!? そ、そんなこといえるはずがないだろう!」

 「クスクス……可愛らしいこと。でも可愛らしいだけでは駄目よ? 技術も磨かないとね」

 「技術? その、あの……あれに技術などあるのか?」

 「当たり前じゃない。貴女、男女の交わりは愛さえあればいいとか思っているでしょう?」

 「当たり前だ」

 「そんなことじゃあすぐに相手の男に飽きられるわね」

 「な、なんだと!?」

 「どう? 貴女さえその気なら私が手取り足取り教えてあげるわよ?」

 「こ、断る! ……失礼する!」

 「あらあら、真っ赤になっちゃって……少し惜しかったかしら? ねえ、リシェル」

 「どういう返答を期待していらっしゃるのですか……」



 「くそっ、あの女狐め! 私をからかうなど……など…………うう、本を調べてみるべきなのだろうか」


 『理想の嫁』



 「リウイはどういう人と結婚したい?」

 「カーリアン、俺には一応イリーナという妻が既にいるんだが」

 「いやホラ。あの娘の場合は政略的な部分があったじゃない? だからリウイ個人としての理想っていうか」

 「ふむ、そうだな……おい、顔が近いぞカーリアン。ペテレーネ、お前もだ」

 「あ、も、申し訳ございませんご主人様!」

 「アハハ……まあいいじゃない。で、どうなのよ?」

 「とりあえず一人浮かんだぞ」

 「誰、誰?」



 「プリゾアだ」



 「……え? 冗談?」

 「いや、大真面目だが。婆は凄かったぞ。家事炊事から身の回りの世話まであそこまで完璧にできるものを他に俺は知らん」

 「確かに、あの方の名前を出されると反論のしようがありませんね……」

 「え、い、いいのお妃様? 言い出しておいてなんだけど」

 「私はあの方に鍛えられましたから。こればっかりは何もいえないのです」

 「私も、プリゾア様が相手となると……」

 「あ、あのお婆さん何気に凄かったのね……」