DUEL SAVIOR INFINITE Scwert2-4
試験とは、すなわち受験者または試料の能力や性質を測定するために行う行為の事であり、俗にテストと呼ばれる類のことである。
一般的に試験といえば、教育機関で人を対象に行われる学力試験、入学試験、単位認定試験、卒業試験などがあり、また入社、すなわち就職する際に入社試験を課す一般企業がある。
これらは基本的に対象は【人】であるが、工学分野においては【製品】や【材料】の品質など、信頼性などを評価するための試験が行われていたりする。
そういった観点から見れば、この試験が前者に属するものであり不思議でもなんでもない普通の試験であるわけだが、もちろん普通と違う点がいくつかあった。
まず、1つが学力試験などのペーパーテストではなく体を動かす実技試験の類であり、いわば試合といえる試験内容であること。
しかも試合の勝ち負けの後には天国と地獄が待っている。
このような点からも現代社会でいうところの、試験とは違うことが窺うことが出来る。
もちろん、このような条件など我々の社会的モラルに反するし、そもそも強ければ何をしてもいいというのは社会的モラルに反する事を否定する事など出来るはずも無い。
しかしながら、どんなに愚痴を言おうともこの制度が撤回される事がないのも確か。
ようは地獄を見たくないのなら勝てばいいのだから、そういった意味ではかなり分かりやすい制度とも言えた。
必然的に参加者達は緊張に身を硬くする事だろう――――― 一部の例外を除き。
そんな緊張する場面は――――――
「みんな揃ったかしらぁ〜ん? それじゃ、授業を始めるわねぇ〜ん♪」
ダリアという1人の能天気女教師によって、思いっ切りぶっちされました。
「授業でもこうなのか……」
大河のどこか呆れたような、そして疲れたような声が響き渡るが、それは事実であった。
あまりにもハイテンション過ぎる。
仮にも教師であるのだから、もう少し威厳というものを持って欲しいものだと考えるが無理ってものだろう。
もしダリアが慎みという言葉の行為を実行したとしたら、それはそれでイメージに合わないし下手すると鳥肌が立って寒気に全身が凍結してしまうかもしれない。
それでもちょっとはテンションを落として欲しいと考えるのが大河やアダムたち救世主候補全員の共通意識だったわけだが、そうなる気配は微塵もない。
「アラ、裏表ノナイ、素敵ナ教師デスヨ?」
「なんで台詞が棒読みなんだ?」
完全に台詞を棒読みしているベリオにアダムがつっこみを入れる。
だがその理由は、直後に来た。
「なっお〜、たとえ怪我とか大怪我とか死に繋がる怪我をしても、先生は責任を取らないからねぇ〜ん。
というより〜、先生のところに責任が来ないようにしてねぇ〜」
素晴らしい宣言だ。
本当に教師なのか疑うような宣言であるが、残念なことにダリアは純度100%以下の教師である。
なんで100%以下なのかについては、まぁ気にしないで欲しい、理由があるのだよ色々と。
なんとなく、アダムはベリオが気苦労しているだろうと思い、その視線のままアダムはベリオを見る。
なお、その視線の90%以上は同情で出来ている。
「……苦労してるな」
「ええ……苦労してるのよ」
疲れ切った顔をするべリオにアダムは若干同情したような台詞を投げかけた。
もちろん、投げかけたところで意味などないだろうが。
「さて、今回の1組目はぁ〜」
そう言って取り出した物は、10面ダイス2つ。
どこから取り出したかは、無視しよう――― きっとドラ○もんが持ってる四次元ポケットじゃないはずだから、というかそうだと思いたい願望が混じっているように思える。
聞くところによると、よく使って要るらしいし、特に何か不都合があるわけでもないので無視しても構わない現象だと思う、たぶんなのだが。
振られて出たダイスの目を見たダリアは、にんまりと笑う。
「リリィ・シアフィールドちゃんとぉ〜、ベリオ・トロープちゃ〜ん♪」
「はい!」
「手加減しないわよ、ベリオ」
そんなことを言いながら、リリィとベリオは同時に闘技場の中央へ移動する。
そうして、お互いに愛用の召喚器を召喚した。
「試合は無制限1本勝負。では、始め♪」
DUEL SAVIOR INFINITE
Schwert2-4
候補者達の闘技場 〜examination〜
「一方的、か」
観客席まで下がったアダムが呟く。
「かなり、とまではいかないけどなぁ」
「そうだね」
リリィVSベリオの戦いはある意味において一方的であったが、これは仕方のないことだった。
試合が開始してから、リリィは攻撃魔法を連発するのに対し、ベリオは補助魔法や防御魔法を展開しながら迎撃した。
だが、いかせんベリオの攻撃魔法の数が少なすぎる為、バリエーションに欠けており結果的にベリオの攻撃はパターン化してしまう欠点が存在する。
逆に、リリィは豊富で多彩な攻撃魔法を屈指してジリジリとベリオを追い詰めていくわけだが、この光景は最初から約束されたようなものであり不思議な光景ではなかった。
ここで訂正しておくが、普通の魔術師ならリリィのような真似は出来ない。
それは純粋な魔力の保有量の差が原因である。
通常の魔術師の魔力を10としたのなら、リリィは少なくとも200から300以上はある。
更に、ライテウスという召喚器という絶対的なアドバンテージがリリィにはある以上、更に普通の魔術師とリリィとの間に差が生じてしまうのも仕方のないことだった。
「この世界、後衛系のジョブは不利なのかな?」
「いや、そうじゃなくて――――― おそらく、リリィが特殊なんだろう。
普通なら、多分これだけの魔法を連発すれば力尽きて行動不能になるはずだからな」
「じゃ、俺でも普通の魔術師なら倒すことが出来るのか?」
「たぶんな。まぁ、対策がないとは思えないけど」
「そっか。おっ、終わったみたいだぜ」
防御に徹していたベリオに、リリィは特大の魔法を叩き込む。
防御し切れなかったのか、ベリオのシールドが破られ、リリィの魔法がベリオに直撃する。
多少、威力は下げていたのか、直撃しても倒れてしまうだけですんだ。
ついでに、ベリオはどうやら気絶したようだ。
「生きてるよな?」
「それはそうだろ? いくらリリィでも、仲間を殺すことなんてないさ」
こうして、第1組目の戦い、リリィVSベリオはリリィの圧勝で終わった。
◇ ◆ ◇
「それじゃぁ、二組目に行くわよぉ〜」
気絶したベリオを医務室に運んだ後、平然と試験に戻る。
10面ダイスを2つ振り、出た目を通す。
「ん〜、当真 未亜ちゃんと〜」
「えぇっ!? わ、私!?」
「そ〜、わ・た・し♪ それと、リコ・リスちゃ〜ん♪」
「………ぃ」
「なにぃ〜〜〜〜!!?」
恐らく「はい」と言ったのだろう。
だが、その声はあまりにも小さいため聞き取ることが出来ない。
なお、それに伴って大河が大声で叫び声をあげた。
理由は、余りもので彼の対戦相手が男であるアダムに決定してしまったからであり、結果的に勝とうが負けようが大河の望む展開になることは100%ありえない事になってしまったからだ、問題などないわけだが。
「ってことは、俺はアダムとかよ!! 男と戦って勝っても嬉しくとも何ともねぇ!!!
ドォチクショォォゥ!!!!」
「大河、うるさいぞ」
「アダム!! お前にはわからねぇのか!!
この俺の憤りと悲しみが!!!」
「わかりたくない」
神様に対して文句を言い始めた大河に、アダムは不快そうに表情を歪めながら呟くが大河本人はまったくといっていいほど聞いていない、というか聞く余裕なんてないようだ。
とはいえ、この状態の大河が誰かに迷惑をかける可能性なんて皆無なのだから問題はやはりない。
大河にとっては、メンバーの誰か(アダムと未亜を抜いて)と戦って勝ち、イチャイチャした展開を所望していただけに落胆は激しい、その理由がかなり不純であることは間違いないのだが。
何で、大河のやる気が際限なく下向きになってしまったのは間違いないが、だからといって誰かに迷惑が掛かるわけでもないので、やっぱり問題なんてない。
当然ながら大河はまったく納得していないのか、超神速といえる程のスピードで未亜に詰め寄った。
「未亜、頼む!! 今すぐに俺と交代してくれ!!!」
「だ、駄目だよ…だって、これだって規則なんだから」
その規則の半分近くは不条理で出来ていたりするのだが。
「だからって、俺はアダムと戦っても嬉しくとも何ともねぇ!!
なら、せめて委員長のような美人と戦って勝った後にあんな事やこんな事を………」
「へぇ、お兄ちゃんはそんなこと考えてたんだぁ」
瞬間、大河の鳩尾に超強烈なボディーブローが突き刺さった。
「ぐらべばぁ!?」
どこかの某世紀末格闘漫画で「お前はもう死んでいる」という決め台詞と共に意味不明なギャグ的断末魔を轟かせながら木っ端微塵に指一本で粉砕される雑魚キャラのような悲鳴を上げ、地に伏す大河。
痛そうなのだが、結局のところ誰も気にしている様子はない。
ただ、よくよく見ると悶絶する大河と清々しい笑みを浮かべる未亜以外の全員が冷や汗のようなものを流していたような気がするが、まぁ気のせいだろう。
「さて、と………お兄ちゃん、言い残す事は?」
素晴らしい笑みを浮かべている未亜だが、目は全然笑っていない。
「み、未亜・・・・・」
「なぁ〜にぃ〜?」
「白………グッジョぐらべば!!??」
「HAHAHAHAHA、ネタはいらないよ、お兄ちゃん」
何やらグロテスクな状況が見えるが、おそらく気のせいだろう。
とりあえず、だ。
〜少々お待ちください〜
とりあえず死に際1歩手前の状態の大河を無視し、同時に決心したように未亜は闘技場の中央へ移動した。
移動すると、未亜はジャスティを召喚する。
だが、開始の合図はない。
見ると、開始の合図をする役目であるダリアが冷や汗を大量に流しながら固まっている。
後ろの方にあるモザイク処理を施された物体については、出来れば無視したいのだろう。
「先生、早く始めましょう」
「え、あ、そ、そうねぇ」
未亜に呼ばれて我に帰るダリア。
ただ、微妙にへっぴり腰のような体勢になっているのは気のせいだろう。
「それじゃぁ、始めっ!」
試験が開始された。
「えぇい!」
開始直後に、未亜は矢を放つ。
が、瞬間、リコの姿が消えた。
「え!?」
驚く未亜。
そりゃまぁ、いきなり目標が消えたのなら、驚くのは当たり前だ。
すると、リコが元々立っていた場所から少し離れた場所に現れた。
これは俗にテレポートと呼ばれるアヴァター式の魔法であり、使い手はかなり少ないことでも有名である。
他の世界では『空間転移』とも呼ばれる魔法。
「――――― ネクロノミコン」
そう呟くと、リコの背後に真っ赤な本が出現する。
不思議なのはその本はリコの背後に―――― すなわち空中に出現したということだろう。
「開いて――――― 」
それが開いた瞬間、本には一つ目が存在していた、それはなんて歪な光景。
本の中に目があるなんて、本当に歪でひどく生物的だ。
「撃って―――― 」
呟くと、目から歪曲するビームが発射される。
「ッ!」
咄嗟に、未亜はその場から飛び退く。
同時に、ジジッと未亜が立っていた場所をビームが抉った。
「………さない」
ポツリとリコが呟くと同時に、本は向きを変えてビームの射線軸をずらす。
ちょうど、薙ぎ払うように。
「ちょっと待って!!」
咄嗟に未亜はジャンプする事で薙ぎ払われたビームを躱わした。
目標を失ったビームが何もない虚空を薙ぎ払う。
「このっ!」
着地と同時に数発の矢を放つ未亜。
当然、本来なら見当違いの場所へ飛んでいくのだが、それらが突然空中で停止すると矢の矛先を一気にリコへと向け、一気にリコに襲い掛かった。
軌道補正―――――― それが、未亜の召喚器ジャスティの能力の1つ。
「………まだまだです」
だが、矢はリコに当たらない。
リコは連続でテレポートを駆使して襲い掛かる矢を全て避けていく。
どうやら矢の軌道補正は1回限りらしい。
「―――――― 捲って」
リコの命令通りにネクロノミコンはページを捲り、次の術式を起動する。
起動した瞬間、突然ネクロノミコンのページから真っ白な手袋に包まれた手が出現した。
それも、右手と左手の両手が。
「へっ!?」
これに焦ったのは未亜である。
何だ、その手は、なんて感想を持ってしまうがそれどころではない。
何しろそのその両手には、導火線に火が点いた爆弾が持たれていたのだから。
「ば、爆弾!!??」
「投げて―――――――― 」
未亜の悲鳴を無視して、リコの命令通りに両手は躊躇なく未亜に向かって爆弾をぶん投げた。
「ちょ、ちょっとま……」
未亜のタイムを言う前に、爆弾は盛大に爆発した。
◇ ◆ ◇
「けほ……けほ……」
発生した煙と一酸化炭素のため、咳き込む未亜。
まさか爆弾なんていうものを召喚して投げてくるとは思わなかった。
度肝を抜かれた、とはこの事をいうのだろう。
「う〜、い、いきなり爆弾を投げてくるなんて」
ついこの前まで一般市民であった未亜にとって、戦いとは未知の領域の話。
故に、戦闘経験という側面を見れば未亜とリコには天と地といえるほどの差が存在した。
だからこそ、通常手段で未亜がリコに勝てる可能性は皆無といえるだろう。
基本性能もさることながら、戦闘経験や場の流れの把握という戦いにおいて勝利する為の絶対条件といえるものが未亜には欠如しているのだから。
だが、だからと言って勝てない可能性がないわけでもない。
未亜がリコに勝つための方法は唯1つ―――― 奇抜な攻撃手段を用いた短期決戦、それしかない。
しかし、未亜はそれに気付かない。
そもそも、その答えに到達する為の戦闘知識も不足しているのだ。
ならば、その答えに到達するはずも無い。
とはいえ、召喚器というアドバンテージがあるのも事実。
たとえ知識や経験がなかろうとも、基本性能は一般人を遥かに凌駕する。
それに、未亜の召喚器であるジャスティは、弓術という面でいえば無敵といえるだけ無類の強さを誇る。
ならば、それを利用しないてはないというのは未亜でも何となくだが理解できた。
「――――― 捲って」
だがリコはそんな時間を未亜には与えてくれない。
リコが再び本のページを捲り、捲られたページの真ん中に巨大な1つの赤い目が出現した。
その目が未亜を見、そしてその目にエネルギーを溜めていく。
「あ、ま、まずいかも……」
それは直感的、といえる事だった。
今から行われるリコの攻撃に当たれば自分は敗北するという予感。
だが、今のままでは迎撃できない。
未亜が行う弓の攻撃よりも、リコのビームの攻撃の方が出力は上なのだ。
故に、未亜にリコの攻撃を防ぐ手段は無い―――― 未亜の負けというのは確実な未来。
ああ、だというのに未亜は思った、思ってしまった―――― 負けたくない、と。
「あぁぁぁ、ァァァァァァァ!!!!!」
矢を生成し、その矢に一気に力を込める。
力が込められた矢は光となり、光は無限加速して更なる力を生み出した。
矢の前に環状魔法陣が生成される、力を更に向上させ矢の速度を上げる為だ。
それらは全てジャスティが自動に行っている事。
「ッ!?」
リコが表情を歪めるのが見えたが、未亜にはそんな事を近くしている余裕など無い。
今にも暴発しそうな力を、何とか制御するだけで精一杯なのだ。
「撃って――――― !」
その叫ぶという行為はリコにしては珍しい事だったに違いない。
本の目から撃たれたビームは歪曲しながら一直線に未亜に襲い掛かる。
時間が止まる、全身の血液が沸騰する、力が全身を駆け巡る、0秒後の敗北の姿が見えている。
「ァァァァァァァッ!!!!!」
その叫びは、獣の咆哮にも似ていて――――――
閃光の一閃―――― その名に相応しい一撃が、放たれた。
◇ ◆ ◇
本の目から撃たれたビームを一瞬で消滅させ、一直線にリコへと突き進んだ光の閃光は―――― しかしながらリコに直撃する事無く終わった。
あの瞬間、まさに直撃するかしないかのコンマ数秒という短い刹那の時間の中で―――― リコは未亜の攻撃を見事にテレポートで躱わしたのだ。
本来なら直撃してもおかしくないほどのスピードだったし、距離的にも躱わせる可能性なんてないに等しい。
だというのに、リコは躱わした―――― たとえギリギリだろうとも、間違いなく躱わしたのだ。
それは、神業と呼ぶに相応しい回避行動だったに違いない。
「このままだと、未亜は負けるな」
観客席で冷静に戦いを見ていたアダムが呟く。
それを聞き、驚いたように大河がアダムを見た。
「え!? だって互角じゃないか!!」
確かにリコの爆弾という度肝を抜かれるような攻撃や、未亜の光の閃光と呼ぶに相応しい弓矢の攻撃は一時的に流れを両者の間を行き来したものの、現在は完全に両者の間で止まり互角の展開となっている。
とはいえ、現状はあくまで拮抗状態であり、であるならば決着が付かないのも当然のこと。
ならば、逆説的にこういうこともいえる――― もし、リコが未亜の実力に己の実力を合わせていたのならどうなるだろうか?
「まぁ、一見ならな。
でも、経験の差もあるし、何よりリコのあのネクロノミコンっていうのは自立的に動いているみたいだ。
だから、実質的には2対1だから、このままでは押し切られて終わりだ」
「そう、なのか?」
「ああ、ほら」
その言葉は正しいし、何も間違ってなどいない。
アダムがそう言った瞬間、放たれた未亜が放った矢をテレポートで回避し、焦った未亜の背後に現れるリコ。
その僅かな未亜の隙を突いて―――――
「未亜!! 危ねぇ!!」
大河の叫びと、思いっきりリコは本で未亜の後頭部を強打するのは同時だった。
◇ ◆ ◇
「えへへ、負けちゃった」
観客席に戻ってきた未亜が苦笑いをしつつ呟く。
外傷などは特にない、あえていうなら後頭部の部分に小さな瘤を作った程度だが、これも脳に致命的な損傷を与える程でもないし、少なくとも後遺症などに悩まされるほどの大きさでもない。
どうやら、大丈夫のようだ。
「大丈夫か?」
「うん、かすり傷と、頭に少し瘤があるくらいだから」
「そっか、そりゃよかった」
酷い怪我ではないと知って安堵する大河。
そんな大河の態度に、未亜は嬉しく思う。
やはり、優しい兄なのだと――――― まぁ、かなり女癖が悪い面があるが。
「それより、残りはお兄ちゃんとアダムさんだよね?」
「かぁ!! よりによって男のアダムとかよ!!」
「酷い言い草だな」
大河のいつも通りの態度に、アダムは呆れたように呟き、同様に、未亜も呆れたような顔をしていた。
とはいえ、大河の女癖は今に始まった事ではないので治そうにも治せそうにないのだが。
「もう、ちゃんとやってよね、お兄ちゃん」
「わぁってるよ……じゃ、行って来るぜ、未亜」
「うん、がんばってね、お兄ちゃん」
そう言って大河は闘技場の中央へ移動する。
それに引かれるように、アダムも闘技場の中央へ移動した。
「さて、手加減はしねぇぜアダム!」
「オレは手加減してやるから安心しろ」
ムッとした表情をする大河。
面と向かって、手加減してやると言われたら、さすがにムカついたらしい。
「その余裕綽々の態度、ムカつくぜ。
今に度肝を抜かせてやる―――― 来い、トレイター!」
「嫌にやる気満々だな、大河――― アマテラス」
大河の右手に典型的で無骨な西欧の剣が、アダムの左手に大きな片刃の剣が握られていた。
そのまま、大河は正眼に構え、アダムは無形に構える。
それだけで、素人と熟練者の差が明確に生じていた。
あからさまな隙が目立つ大河に、これといった隙がないアダム。
そう、2人の立ち居地とは正しくそれであった。
「それじゃぁ、始めっ!」
「行くぜ、アダ……」
開始と同時に一歩踏み出そうとした大河に、アダムは速攻で地面をサッカーボールを蹴るような要領で蹴り抜いた。
「ムッ……!?」
迫り来る土や石の数々。
その瞬間に、大河は悟った。
完全に出鼻を挫かれた、と。
「ちぃっ!!」
出鼻を挫かれる形だったので、避けるにしても時間に余裕などない。
となると、防ぐしかない。
「くっそっ!!」
トレイターの刀身を利用して襲い掛かる土や石を防ぐ。
防いだ瞬間、大河は宙を舞った。
「へっ?」
間抜けな声だと思う。
そう思ってしまうほど、簡単に大河は宙を舞っていたのだから。
その原因が、足払いだと気付いた時―――
「あだっ!?」
背中から思いっきり地面に落ちる。
衝撃により肺の空気が一気に排出され、空気を求めて無様に舌を出し過呼吸の如く呼吸を繰り返す。
そんな大河の顔面近くに、刃が突き立てられた。
「これで1回死んだな、大河」
背後から聞こえてきた声と、顔の真横に突き立てられた刃が全てを物語っている。
彼我の距離は約10mはあった。
その10m以上はあった距離を、アダムは一瞬にして0にしたのだ。
救世主候補としての身体能力、という点もあるだろうがそれ以上に恐るべきはそれを可能とした移動法か。
「くっ」
「負けを認めろ。実戦なら、今ので死んでる」
「………参った」
「そこまでぇ〜」
大河とアダムの戦いは、アダムの圧勝で終わった。
◇ ◆ ◇
「はん! まさか、一瞬でやれるとはね」
「うっせっ!」
闘技場から観客席に戻ってきたアダムと大河を出迎えた第一声は、そんな皮肉だった。
痛烈な悪意が込められていたが、実際に大河はアダムに一瞬で敗北したのは事実。
あまり強く言い返せないし、言い返せるはずもない。
「とはいえ、まさか接近しようとした大河君の出鼻をああいう形で砕くとは」
「こればかりは経験の差だ。
何も正道だけが戦う手段じゃない。
時には、邪道ともいえる手段を用いた方がいい時もある。
ようは、時と場合というやつだな」
戦場においては正道も邪道もない。
究極的にいうなら、勝てば正義であり負ければ悪なのだ。
故に、時には邪道の方が強い場合もある。
人間的論理や価値観など、戦場においては不要物の何でもないのだから。
「ぐぅぅっ」
「あら、卑怯だって叫ばないのかしら?」
相変わらず挑発するような物言いのリリィだが大河は易々と挑発に乗らない。
とはいえ、実際に乗らないだけで内心はかなりイライラしているようだが。
「ふん、とんだ腰抜けね。こんなのが救世主候補だなんて、呆れるわ」
「うっせっ! そもそも、戦場に卑怯もくそもねぇんだよ!
だいたい、勝利するために自己の最善を尽くす事を卑怯といってどうするよ!?」
「へぇ、ただの馬鹿男かと思ってたけど、意外にその辺は理解してるのね」
そうだとも。
戦場において、罠や人質など当たり前だ。
確かに、人間的論理から言えばそれらは卑怯なのだろう。
だが、殺し合いの場において罠や人質が何だというのか。
罠や人質は、別の側面から見れば勝利するために最善かつ効率を重視した結果に過ぎない。
ましてや、力量が劣っている者が力量を上回っている者を妥当しようというならそれらの手段を最大限に有効活用しなければ、勝利はかなり難しくなる。
だからこそ、そういった卑怯な手段を用いる事も戦場では普通なのだ。
全ては、勝利するために。
それを卑怯と罵るのは、本当にお門違い以外の何でもない。
「で、結局お兄ちゃんはどうするの? この後、罰ゲームでしょ?」
だが、現実とはかくも厳しい。
忘れかけていた現実が、唐突に襲い掛かってくるのだから。
「あ〜、忘れていたかった現実が」
「襲い掛かってくると? そもそも、始まる前はかなりノリノリだったじゃないか」
「だとしてもよぉ、それは相手が女の子でしかも勝ったらあんな事やこんな…」
「本当に懲りないよね、お兄ちゃん」
グワシ、と誰かが大河の肩を掴んだ。
1秒毎に掴まれた手の力が増し、ギリギリと嫌な音が響き渡る。
それに比例するかのように、1秒毎に大河の表情が苦痛に歪み始めた。
気のせいだろうか、その握られている手から紫色の瘴気のようなものが噴出している。
「さ〜て、お兄ちゃん…ちょっと未亜とお話しをしよっか。
大丈夫だよ、そんなに時間は掛からないから」
「お前の場合は話しじゃなくて……」
「何の事かわからないよ、お兄ちゃん♪」
そのままズルズル引き摺られていく大河だが、その目は明らかに助けを求めていた。
だが、他のメンバーは未亜の全身から放たれる瘴気に恐怖しているのか動く気配は一切ない。
いや、アダムだけは余裕の表情をしている。
「ア、アダム!! 助け…」
助けを求めるより、大河は闇の中へと消えていった。
「終わったな」
面白い見世物を期待するような口調でアダムが呟いた瞬間――― それは始まった。
「滅ッ!!!
滅殺!! ヌゥン! テイ!! ウリャァァ!!!
滅殺!! ヌゥゥン!! ウリィャァァァァ!!!
天魔!! フンフンフンフンフンフンフン!!!
天魔!! 豪斬空!!!
天魔!! ウゥリィヤァァァ!!!
滅殺!! ウリャァァァァ!!!
滅殺!! ウォォリャァァァ!!!
覚悟はよいか!? 愚か者めッ!!!
愚かな……失せろ!!!
我こそ、拳を極めし者!!」
何があったかは、言わずとも分かるだろう。
◇ ◆ ◇
現在、アダムと大河は礼拝堂の裏道に来ていた。
勝ったものは、負けたものを1日自由に出来るという横暴極まりない決まり故にだ。
もちろん、大河は乗り気ではないのは当然だし、そもそもこの制度は間違いなく勝てば官軍という類の制度である。
なら、勝者が天国を見るのは当然だし敗者が地獄を見るのは当然だった。
大河にしてみれば、自分が勝つことが大前提であり、負けることなんて欠片も考えていなかったかもしれないが。
「で、なんでこんなところに呼び出したんだよ?」
「ん? ああ、言ってなかったか?」
「言ってねぇよ」
どうやら、大河に何も言っていなかったようだ。
「特訓さ」
「特訓!?」
「そ、特訓」
そう言ってアダムはアマテラスを召喚する。。
「な、なんだよ?」
「トレイターを出してくれ」
「なんで?」
「だから、特訓だって」
「マジかよ………」
「マジだ」
呆れたようにアダムは言う。
そんなアダムの顔に、嫌そうな顔をする大河。
そんな大河の顔を見て、本当に呆れたような表情をアダムは作り上げた。
「なぁ、大河」
「なんだよ?」
「お前、守りたいものがあるか?」
「―――――― 」
大河は何も答えない。
だって、彼には事実として守りたいものがあるから。
それは、彼の大事な妹である未亜。
「大河、今のお前は、はっきり言って駄目だ、まるで戦い方がなっちゃいない。
だからこうして戦い方を教えるんだ」
「むっ、でもよ」
「力なければ、何も守れない―――― 自分の身さえも、な。
ずっと昔にそんな事を言った奴がいたが、それは事実だ。
時には力がなければ何も守れない、だからお前に戦い方を教えるんだ―――― 守れる力をつけるために」
「………わかったよ。来い、トレイター」
そう言ってトレイターを召喚する大河。
どうやら特訓することに納得したようだ。
「んで、どうするんだ?」
「まずは構え方からだ。大河、構えてみろ」
「わかった」
大河はアダムに言われた通り構えてみた。
ゴーレムと戦ったときも、アダムと試験で戦ったときも、時折この構えをしていた。
剣を握った右手を前に出し、剣を水平に横にして握っている指を相手に見せるような構え。
それは自己流――― すなわち我流の構えであるが、同時になかなか様になっている。
とてもじゃないが、戦いの素人の構えとは思えない――― それでも所々に隙があるわけだが。
「もう少し左脇を締めてくれ」
「こうか?」
そう言って、大河はアダムの指示通りに左脇を締めてみた。
少し力が入るが、それは慣れていないが故の不必要な力みだ。
それもまた慣れるものだろう。
「それでいい―――― 後は、もう半歩ほど左足を後ろへ」
「へいへい」
再び大河はアダムの指示通りに動き、左足を半歩だけ後ろへとずらした。
「それでいい――――― 元々、筋がよかったみたいだな。
それじゃ、次はオレに打ち込んでみてくれ」
「いいのか?」
「構わない、言っておくが遠慮は無用だ」
「んじゃ、遠慮なく」
そう言って、大河はアダムに踏み込む。
そして、大きくトレイターを振り上げた。
「おりゃぁぁぁ!!」
そう叫びながらトレイターを振り下ろす大河。
その大河の一撃を、アダムはアマテラスで受け止める。
「なるほど、な」
そう呟きながら、アダムはトレイターを弾き返した。
「うぉっと!」
2歩、3歩と大河は後ろへ下がり、何とかその場に踏みとどまった。
まさかいきなり弾き返されるとは思わなかったのか、大河は親の敵のような視線でアダムを睨みつける。
そんな視線で睨まれているアダムはというと、完全に大河の視線をスルーした。
反応していたら、話が進まないのだから。
「大河、お前の戦闘スタイルは根本的にオレと違うみたいだ」
「スルーすんなよ、んで、どういうことだよ?」
「わかると思うけど、オレの戦闘スタイルはスピード屈指して技を用いて敵を切り伏せるモノだ。
けど、大河の戦闘スタイルはそれと逆。
小手先の技なんて、お前には必要ない―――― スピードと、力を屈指して、敵を一気に捻じ伏せる。
それが、お前の戦闘スタイルだ」
そんなアダムのアドバイスを聞きながら、大河は本当に意外そうな表情を作り上げた。
まさか、たった一撃だけで己自身も把握していない自身の戦闘スタイルの本質を見破るとは思わなかったらしい。
「そうなのか?」
「これでも、人の本質を見抜くのは得意でな」
もっとも、完全に見抜くことは出来ないし、やはり間違える時は間違えることがある。
だが、こと戦闘関係に関しては、ほぼ100%の確率で的中するわけだが、この場では特に関係のないことだ。
「それじゃアダム、まずは剣の基礎を教えてくれよ」
「わかった、まずは基本的な剣術を教える。
大河、そもそも剣術なんてものはどんな流派でも基本は全て同じなんだ。
斬り込み方は唐竹、袈裟、逆袈裟、右薙、左薙、右切上、左切上、逆風、刺突き。
どんな剣術でも、この9つに分類される初歩の初歩といっていい剣術の基本だ。
同様に、槍や斧関係も、これらに類似する」
「ふむふむ」
「当然、用途や状態によってそれぞれの威力、効果範囲も違ってくる。
口で説明してもわかりにくいだろうし覚えにくいだろうから、それは実戦で慣れていけばいい。
最初に剣術の基本的な斬り方を教えておく。
それをしっかりと頭と体に叩き込め。
理想は、己の頭に関係なく体が条件反射で行うレベルまで引き上げることだ」
「ぐ、難しそうだぜ………」
「まぁ、条件反射で行うには日々の鍛錬が必要になってくる。
1秒、1分、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年、毎日欠かさず繰り返し行うことによって、ようやく条件反射による攻撃が可能となるわけだが―――― 大河には難しそうだな」
「うっせ」
アダムの痛烈な言葉に大河は苦虫を噛み潰したような表情になるが、強くは反論できない。
実際に自分を振り返ってみたところ、絶対に自分は三日坊主になる可能性が高いからであり、誰かに尻を叩かれない限りは自主的に鍛錬をする可能性はないに等しかった。
だから、大河はアダムの言葉に強く反論できない。
「話を続けるぞ―――― この9つの攻撃法は初歩の初歩であるが、同時に極意でもある。
基礎こそ極意とはよくいったものだが、それは正しいとオレは思っている。
勝つための要因は、基礎攻撃の完成度も含まれるからな。
大河には、今からオレが行う9つの攻撃を見てもらう、その攻撃方法を頭に叩き込んで欲しい」
「頭動かすのは苦手なんだが、わかったぜ」
大河の返事を聞くと、アダムはアマテラスを構えた。
非常に様になっている構え――――― 完成度でいえば、大河の構えはアダムの構えの足元にも及ばない。
「まずは唐竹」
そう言うとアダムはアマテラスを振り上げ、まっすぐ振り下ろした。
剣道などにおては【面】と呼ばれる動きがこれである。
もっとも基本的な斬り方である。
「続いて袈裟」
そう言ってアダムは、目の前に相手がいると仮想する。
そして、仮想の相手の左肩から右胴にかけて斬りおとした。
「次に逆袈裟」
先ほどの袈裟とは逆の動きをするアダム。
これらもまた、基本的な動きである。
「その次に右薙ぎ」
相手の右側から左側へアマテラスを薙ぎ払う。
剣道などにおいては【胴】と呼ばれる技である。
「この次は左薙ぎ」
相手の左側から右側へ薙ぎ払う。
剣道では【逆胴】と呼ばれる技だ。
「右切上だ」
仮想の敵の右下から左肩へ斬り上げる。
「これが左切上」
右切上の逆の動きをするアダム。
「次に逆風」
下から上へ斬り上げる。
「そして、最後に刺突き」
そうして、水平に突く。
これらが、剣術の基本の動きである。
「大河、この9つの動きをマスターするんだ。
この基本をマスターすることは本当に大切なことだ。
この基本の動きは、それぞれの武器に大抵の場合は対応しているからな」
「面倒だな」
いかにも大河らしい意見にアダムは苦笑いを隠せない。
本当に、なんて大河らしい。
「そう言うな―――――― 備えあれば憂いなし。
いざという時ほど、己が誇れるものが頼りになるものさ」
「本当かよ?」
「経験者が言うんだから間違いない」
「わかったよ」
「先に言っておくが、まずは1つ1つの動きを丁寧に行え。
決して手早くしようとするな――― それでは動きそのものが雑になってしまい、後々に悪影響を与える可能性があるからな」
「へぇへぇ」
アダムの忠告通りに大河は1つ1つの動きを丁寧に行っていく、己の体に馴染ませるように。
唐竹から始まり、袈裟、逆袈裟、右薙、左薙、右切上、左切上、逆風、刺突きの順番でトレイターを振るう。
こうして1つ1つ丁寧に、慎重に、そして素早く行い体に動きを叩き込む。
これらを病的なまでに繰り返すことによって、反射レベルで行えれば完全にマスターしたことになるのだ。
「にしてもよ、アダム」
「ん、どうした?」
何度も反復練習を行ない、一通りの動きを覚えた大河がアダムにふと疑問に思ったことを訊ねる。
それは、本当に些細なことかもしれない―――― 否、本当は些細なことではない。
「アダムの剣術ってさ、何処で覚えたんだ?」
「オレの剣術?」
「ああ、なんて言うか技の切れ味が良すぎるっていうか、完成度が高すぎるっていうか」
それを聞き、アダムは意外そうな顔をした。
「へぇ、意外に勘がいいな」
「どういう意味だよ!?」
「悪いが秘密だ――――― しいて言えば、元々はこんな戦い方じゃなかった、だな」
それを聞き、さらに意外そうな顔をする大河。
「どういうことだよ?」
「つまり、習った剣術を基盤にして、後は独自に昇華したもの。
それが、今、オレが使っている剣術だ。
まぁ、ほとんど我流だと思ってもらって構わないかもな」
もっとも、我流といえば我流かもしれないが少しだけ違いがある。
いや、大いに違うかもしれないが、とにかく通常の我流とは違いがあった。
アダムの剣術は元なった剣術が基盤となっている。
更に、親友であるダンテの剣術やネロの剣術を参照に改良を施しているので、既に原型はほとんど留めていない。
対人戦闘はもとより、対人外戦闘も視野に入れた剣術を主軸とした戦闘術。
其の名を、天真正伝無明神刀流という―――― ちなみに、名付け親はリリスであったりする。
「そうなのか?」
「ああ――――― それでも、達人クラスの剣術家の人に、数年弟子入りしていた。
その人は道場を経営してたんだけど、まぁその弟子たちの中じゃトップクラスの実力はあったと思う」
「だからか……なんか、お前と試験で対峙した時、斬りにくい感じがしたんだよ」
なんて事を言う大河だが、それは事実である。
達人クラスとなると、本来の体より遥かに大きく感じるものであり、そして、雰囲気からして常人とは違ってくる。
結果的に、常人は達人の雰囲気や威圧感などの類によって相手に打ち込むことは難しくなる。
もっとも、これは別に達人でなくても数年程度剣道などを行っている人物に相対した場合でも発生する事だ。
なお、これは経験談……作者の。
「さて、続きをするぞ大河。
お前がやるのは、基本の9つの斬り方だけでいい。
あとは、独自に昇華すればいいさ」
「わかった」
そうして、また剣術の特訓が始まる。
それらが終わったときには、すでに空は暗闇に包まれていた。
【元ネタ集】
ネタ名:滅ッ!!!〜
元ネタ:ストリートファイターシリーズ
<備考>
豪鬼が使用する超必殺技の数々。
ちなみに、中にはアーケード版や家庭用などにはない超必殺技まであったりする。
分からない人は、MUGENで調べてみよう。
ネタ名:天真正伝無明神刀流
元ネタ:SAMURAI DEEPER KYO
<備考>
元は無明神風流から。
前の天真正伝とは天真正伝香取神道流から来ている。
名前が似ているからと言って、無明神風流の技は一切使えない。
裏設定として、アダムは狂と面識があったりする。
ただし、今現在のアダムの強さは狂には遠く及ばない。
それはアマテラスを使用時の身体能力強化の恩恵を受けても同じらしい。
あとがき
前座が本番より長いとはこれいかに。
改訂前よりアダムと大河の戦いが短くなってしまいました。
というのも、実は身体能力云々で言えばアダムは大河より下です。
代わりに、経験で大河を上回っているのでその差が出た形となりました。
戦いに卑怯も何もないですから。