沢渡真琴は散り散りになった自分をかき集め、再び目覚めた。

だが、この街にはまだ目覚めを待つ者がいた。

月宮あゆ。

祐一の持っていた輝石を媒介とし、奇跡を誘発した思念体であった彼女は目覚めを迎えようとしていた。










DUEL RIDER



9.目覚め























福音市内にある総合病院。その一室で彼女は眠り続けていた。

病室に掛けられた名前は月宮あゆ。

祐一が真琴の帰還と同じくらいに目覚めを待ち続けた相手でもある。

一方で、彼女の状態はあまりに不可解でもあった。

現在、祐一は高校を卒業しているため、彼女がこん睡状態に陥ってから既に10年近く経過していることになる。しかし、彼女の体は年相応とはいえないが成長を続け、筋肉も衰えていない。

定期的に関節を動かしたり、体の位置や向きを変えるなどの行為は施されているが、それは筋肉を維持できる理由にはならない。

彼女は現在も生きており、定期的に見舞いに訪れる者もあるため病院としては観察し、記録をつけるに留めているが、入院当初から接している者以外の間では生きる人形呼ばわりで気味悪がられてもいた。

「ん」

そんな日々も、唐突に終わりを告げる。

「ここは、どこ」

掠れた声とともに、何の違和感もなく彼女は目を覚ましたのである。

当然、それを目撃した看護師らは驚き、病室を駆け出していく。残った者は水を経口投与してみたり、数々の質問を投げかけるなどの対処を行っていた。

そのように、非常にあわただしくなった病室に真琴はふらっと現れた。

「遅いお目覚めね、あゆ」

「真琴ちゃんは人のこと言えないと思うよ」

両手を腰に当て、呆れたように言う真琴と、掠れた声のままではあるものの呆れを滲ませた苦笑を浮かべるあゆ。

祐一にとっての戦う理由となった2人は、当たり前のように再会した。

そして、それは祐一の戦いがただの馴らしで終わらないことを示すこととなる。


























数日前のものみの丘での戦闘において撃破された残存ビーストは、美汐の証言とカノンによって記録されたデータにより伝承に残っているもの全てであると結論が出た。

「となると、俺は翔矢が行った世界から来る連中を警戒しつつ、あっちに行く手段を探すこと、でいいのか」

「はい。現在は葉塚さんも折原さんもこちらには来ていませんから、あまりここから離れるのはいいとは思いません」

祐一と美汐は連れ立って出かけたファミレスでカノンシステムから抽出した戦闘ログと、天野家に伝わる古文書を広げていた。一方で鞄の中には参考書が詰め込まれている。

美汐は現役の受験生だが、祐一は昨年を戦いに費やしてしまったため大学受験を断念していた。なので、今年は戦いと平行してでも少しずつ勉強しようと決めていたのだ。

うまく合格できれば可愛い彼女と一緒にキャンパスライフ、などという煩悩があるのは否定しない。

「でも、警戒だけか。カノンの形態を全て使ったわけじゃないから、あっちに行ったときのことを考えると少し不安になるな」

話やデータの上ではカノンの性能は熟知している。何が出来るのか、どういった機能があり、どのような状況に最も適しているのか。知識として知っていても、それを実際に確かめたわけではない。

作った方も祐一のために仕上げられたこのシステムが実際にどのように機能するか読めていない部分もある。

「だったら、都合のいい話があるわよ」

テーブルの上の資料に目を落としていた2人に声が掛けられる。

その声は、今までずっと待ち望んでいたもので。

その声を聞くために、この日まで戦い歩んできたのだ。

「真琴!」

真琴は、後ろで息を切らせたあゆを連れて2人を見ていた。

「あゆまで。2人とも」

言葉にしようとして、こみ上げてくるものに堪えきれず嗚咽を漏らす祐一。美汐も両の眼に涙を浮かべ口元を押さえている。

「な、何よ。泣かなくたっていいじゃない。折角戻ってきたんだから笑ってよ、ねぇ」

そう言う真琴ではあったが、実際にはその目には涙が滲んでいる。後ろのあゆにいたっては号泣している。

暫し、ファミレスの店内で号泣する男女4人という光景が繰り広げられることとなる。

落ち着いた頃になって、真琴が言う。

「ここ、肉まんないの?」

場を和ませようとでも思ったのだろうか。

「ない。コンビニも今は置いてない」

律儀に返してやる祐一も祐一だが、それでもこんな馬鹿みたいなやり取りがこの光景に現実味を与えてくれる。いつまでも、こんな風に笑いあっていたい。

しかし、それが許される状況ではないことをこの場にいる誰もが知っていた。

「祐一くん。あの人、祐一くんの使ってた赤の輝石は持っていったけど、祐一くんの想いで発現してたインフィニティーの力はそうはいかなかったんだよ」

輝石の導き手であった頃の記憶は、あゆにはしっかりと残っている。だからこそ、祐一がどのように奇跡を起こし、輝石の力を使ってきたのかをよく知っている。

クロスのオーバーフォームはクロスのリミッターを意図的に解除することによって発動していた。しかし、インフィニティーは違う。祐一がものみの丘で眠る存在や自らの意志、平和や自由を望む人々の心、それらを用いて、自らの定めた限界の向こう側へと立たせた。その名のとおり、限界を定めないことにより発現し、真琴の帰還を望む祐一の想いを含んでいたため、あの地で霧散していた真琴の意志をかき集めることで今の状況にも繋げていたのである。

つまり、インフィニティーの力は輝石に内包されるものではなかったため、テンペストが輝石を引き抜いた時点でその力は周囲に散っていた状態にあったのだ。

「で、その力を奪った奴がいるの。それはあまりに危ないから、何とかして欲しいのよ」

言われて祐一は天を仰いだ。

「そりゃそうだよな。だって、あれ、青を全て引き出した翔矢と渡り合って、オーバーで手も足も出なかったリオを倒したんだから、あれ持ってかれれば危ないよな」

自分が使っていた力だからこそ、それが野放しになっている現状がどれほど危険かよく分かる。

だが、祐一はカノンの力を信じていた。カノンはフェンリルと並び立つために作ったものだ。それが今更インフィニティーの力を持つ異形に負けてやる理由にはならないのだ。

「任せとけ。俺が解決する」

祐一は自身の胸を叩き、答えた。

「それはそうと、お前ら、後でちゃんと皆のところに行くぞ。帰ってきたって、教えてあげなきゃな」

真琴とあゆは2人揃って涙を浮かべたままの笑顔で力強く頷いた。


























ソレ自由に天を駆ける翼を手に入れた、と思った。

ソレは何物をも切り裂く爪を手に入れたと思った。

ソレは全てを砕く牙を手に入れたと思った。

ソレは間違いなく全能感に酔い痴れていた。

輝石の力を限界以上に引き出す意志の力、奇跡を呼び起こす力。

ソレはその力さえあれば恐れるものなど何も無いと思っていた。

丘での戦いは観察していたが、火力はあるが鈍重な戦士ではこの翼に追いつくことは叶わない。強固な鎧に身を包んではいたがこの牙と爪を阻むものではない。

ソレはそのように信じていた。

一方で、ソレは己が何であるか分かっていなかった。

何処から此処へと流れ着き、何を目的としていたのか。

ただ、手に入れた力を存分に奮う。そのことだけしか考えられなかった。


























祐一達は件の怪物が何であるかは不明ではあったが、丘で出現したことを踏まえて天野の家の力を借りることとした。

「ないですね」

「ないな」

しかし、ほぼ口伝で伝えられてきたビーストの伝承である。文献そのものが非常に珍しく、その数少ない文献にもそれらしい怪物の情報は載っていなかった。

そして、あゆは頭から煙を出しそうな顔でうな垂れ、真琴にいたっては『飽きた』の一言で調査を打ち切っていた。

図らずも、真琴が正しかったというような状況となっている。

「祐一くん、テンペストとの戦いとかで今までと違った状況って何か無い? それまでには無かったような事」

あゆに言われ、記憶を辿る祐一。

リオを打破し、テンペストと戦い、輝石を奪われ、テンペストがフェンリルになり、『門』が出現した。

「まさか、門なのか?」

先日、セイバーを装着して戦った際にも確認され、衛次も別件で同様の門を見たことがあると言っていた。

翔矢が向かった世界へと至る門。

この世界で門が開くとき、そこには必ず悪意が介在した。一度目のミノタウロス。二度目の黒幕来訪未遂。三度目の大量発生。そこには必ず、この世界を、黒幕を打破しうる存在を亡き者にせんとする悪意があった。

「だけど、そう考えれば辻褄が合う」

最も強力な存在を引き出そうとしたのが丘での出現時だ。そして、それのみ未遂に終わっている。

祐一は知らないが、ヘイムダル改めスレイプニルは単独で次元の壁を越える能力を有している。つまり、開かれた門を利用して逆走することでアヴァターを突き止めたわけだが、黒幕がこちらの世界に現れるために用意されていた莫大なエネルギーはそのまま門に残されていたわけである。スレイプニルはそのエネルギーを一切使用していないのだから。

あとは丘に残された記憶のビーストや狐たちの情報を拾い上げた門が自覚なきままに今の姿を形成するだけだった。

強大な力を持つ怪物としても存在するだろうが、同時にあれは門である。インフィニティーの力を有したまま無限に召還を繰り返すことも可能である。

そして、それは間違いなく三度目の門の事件と限りなく一致するのだ。

アレは放って置いていい存在ではない。

「ところでさ」

祐一が1人決意を固めたところで真琴がきっちりと腰を折りにかかった。

「アレ、何て呼ぶの? アレ、のままってちょっと気持ち悪いし」

「召還獣」

折りにかかった真琴は、逆に美汐によって打ち返されてしまう結果になった。

「私達のイメージする召還獣はこちらが呼び出すものですが、この際それは置いておいていいでしょう。アレが何をするものか、名を以ってきちんと定義してしまいましょう。名はつければ相手を縛れます。ある意味で言えば、あれが召還獣として定着してしまえばアレの能力は召還という内容に縛られます」

「でも、あまりに本質から離れすぎれば縛ることは出来ないってことか」

祐一の補足に、美汐は満足げに頷いた。

「なら決まりだ。召還獣を出来るだけ早めに倒そう。で、この件は葉塚さんと折原にも協力を依頼しよう。どこにいるか分からない存在を相手に俺達だけで探し回るのは難しいだろうしさ」

「いいけど、紹介くらいはしなさいよ。わたしたち、その人たち知らないんだから」

「わかってるよ」

紹介するのはいいのだが、祐一と美汐には真琴と浩平が喧嘩する光景が目に見えていた。彼らはあまりに似ているのである。

そして、それは祐一とも似ている、ということになる。そのことに気付いたあゆは取り敢えず、黙っておくことを選んだ。それを口にしようものなら、真琴と浩平で繰り広げられるはずの喧嘩がここでカードを変えて起きてしまうからである。

沈黙は金、雄弁は銀、とはよく言ったものである。


























アヴァター。破滅の脅威に晒される世界であるからこそ、破滅を願う者たちは当然のようにいた。

「主幹。あの村、おそらく何の被害も与えることも出来ないままに排除されたものと思われます」

両の眼を眼帯で覆った女が見てもいないことを報告する。見てはいないが、何が起きたかは知っていた。だが、過程がまるで分からなかった。

「でしょうね。救世主候補のみならばまだ、といったところでしたが。毛色の違うのが紛れ込んでいるようですし」

主幹、と呼ばれた男は救世主クラスの実情を分かったように語る。

「ですが」

語るのだが、彼にもわからないことがいくつもあった。

学園に救援要請を送った村がある。これについては事実である。そして、それを裏から操作していたのは彼らである。

だが、その後があまりに不透明だった。

まず、ヘルヘイムの果実の出現。おそらくこれをきちんとそうであると定義できるのは士たちくらいなので、それが何でどのような影響を及ぼすのかは破滅側でさえ分かっていないのだ。

次に、ヘルヘイムの果実に由来するインベスの出現とワームの出現である。このあたりはディケイドの存在がそれらの存在する世界とアヴァターを繋げたが故に発生した事象であるが、これについても破滅側には分からない話である。

そして、七海が感知した悪意の存在である。村長に擬態していたモンスターはそのままであれば破滅側の制御下にあったわけだが、悪意に憑かれたがためにビシャス化し、その制御から離れてしまっていた。しかし、元もとの行動が悪意そのものであるために大きく外れる行動はしなかったのである。

強いてあげれば、ビシャス化したことで戦闘能力や生命力が大幅に向上していたことだろう。

「あれは一体なんだったんでしょうね」

主幹は思う。

どこから狂い出したのか、と。そもそも、前提から何かを間違えていないか、と。

「ロベリア。救世主候補、という存在であればどれほどの力があるのですか?」

「力、か。上手く説明は出来ませんが…… まぁ、対した訓練も無しに、もしくは少々の付け焼刃程度の訓練で歴戦の勇士に並び立つ力。そう思っているくらいが丁度いいのかもしれません」

眼帯の女、ロベリアは答える。

「ふむ。つまり、彼らは何かがおかしい、ということですね」

「主幹?」

「まぁいいでしょう。王家が抱え込んでいるといっても、こちらの直接的な敵は救世主候補です。こちら側の救世主の選定も終わっています。あとは違えずにことを進めるのみ」


























帰還した大河たちはまず、七海と別れた。ルビナスについては一旦扱いを保留とし、正真正銘の召還器を保有していることから救世主クラスに一時預かりとなった。

そして、ダリア、ミュリエルの前に連れて来られた大河は手加減無しに頬を叩かれた。

以前の彼ならばここで食って掛かったのだろうが、流石に七海に物理と精神の両方をボコボコにされたのが効いているのか甘んじて受けていた。

「大河君。あなたは自分の感情のままに本来あるべき作戦を無視し、仲間を危険に晒すところでした。反省はしているようですが、流石に示しがつきませんので、何かしらの罰則を設けます」

「まぁ、罰って言ってもそんなに重たいものでもないのよ?」

ミュリエル、ダリアによって大河に言い渡された罰とは、

「分室に出向、ですか」

である。

「ええ。正確にはまだ帰還していない天原君の単独ミッションにおけるバックアップが目的です」

対外的には作戦を成功させて帰ってきている救世主クラスなので表向きは罰を与えることができない。が、大河が毛嫌いしていた翔矢との共同ミッションとなれば見るものが見れば罰であることがわかる。

そして、自身を見つめ返す機会を得ていた大河にとって、翔矢と行動をともにできるというのは都合がいい話ではあった。ただし、単独でなければ、だが。

「どんなことするんですか」

「簡単な話です」

簡単、とミュリエルは言うが、それが実はとんでもない爆弾であることをすぐに知らされることになる。

「学園や行政府に入り込んでいる破滅側のスパイの内偵捜査です」

大河は思う。絶対に簡単な話ではない、と。しかし、負目のある身ではそれを口に出すことはできなかった。

「とはいえ、大河君も天原君も学園全体に詳しいわけではありませんので1人くらいなら巻き込んでもらっても結構です」

この瞬間、セルが人柱になることは確定した。それを抜きにしても、セルは学園内や王都においてそこそこに顔が広く、このようなミッションには適役であった。

しかし、大河にとって誤算だったのはセルが翔矢に憧れを持っていたことだろう。

とはいえ、翔矢に対して嫉妬していただけ、と分かった大河にとっても瑣末なことなのだろう。


























一方の翔矢。

何故かスレイプニルの後ろにセルを乗せて街道を爆走していた。

これは到着時などに翔矢の見せた挙動がかっこよかった、とセルが褒めちぎり、自分も乗りたいとダダをこね、呆れ果てた翔矢が諦めた結果である。

「すげー、すげーよ!」

感動の所為か、語彙がえらいことになっている。

そんなとき、翔矢があることに気付く。

「止まるぞ」

彼が察知したもの、それは破滅のモンスターだった。それらは街道を塞ぐのではなく、街道を先行していた。

そして、街道の先には村がある。

つまり、このまま放置すれば村が蹂躙される未来が確定しているのである。

「降りろ。この先にモンスターがいる。俺が先行して叩いてくる」

「嫌だ。俺達だって、俺だって破滅と戦うために傭兵科でやってるんだ。俺にもやらせてくれ」

翔矢はセルを見誤っていた、と素直に恥じた。かつてはライダーでなければ戦えなかった。救世主候補も下し、行動を共にするでもない。翔矢にとって、他人は守るべき存在でしかなかったのだ。

だが、セルの意志は、勇気は、想いは。確かに戦士のそれであった。実力は至らなくとも、勇士のそれである。

「すまない。俺が間違えた。一緒に行くぞ。だが、無理はするな」

「ああ」

セルが頷き、翔矢は改めてスレイプニルを発進させる。

「飛ばすぞ」

「おう」

因みに、安易に頷いたことをセルは少々後悔することになる。

翔矢はバイクの加速に慣れているし、マシンの限界もよく知っている。しかし、セルは違う。彼は騎士クラスではない。貴族の出でもない。実家が牧場をやっているわけでもない。つまり、セルは馬にも乗ったことがない。

先ほどまでは翔矢が帰りを急ぐわけでもないから、とそれなりのスピードしか出していなかったわけである。だが、今はモンスターに追いつき、村に到達するまでに撃破することが求められている。単純に時速換算で当初40〜50km/hのところ、現在は100km/hは出ているのである。

流石に後悔はするだろう。

(一度言い出したことを引っ込めるのは情けないんだよっ)

後悔はしていても我慢をするあたりは男の子、だろう。必死にスレイプニルにしがみつきながら、背中に背負った大剣に意識を向ける。召還器でなければ、特別な銘のある剣でもない。ただ大きく、重たく、頑強な鉄の塊。これが、誰かを救う力になる。唯一無二の相棒だった。

しかし、セルは救世主にはなれない。彼は男で、召還器を持たないのだから。だからこそ、一度は大河に期待した。仲良くもなったし、妹の未亜には本当に憧れた。想いは日に日に募るばかりだ。

きっと、今の守られるだけの傭兵では大河は認めないだろう。未亜もセルを眼中には入れないだろう。

だが、目の前に広がるこの背中、救世主を否定する英雄は、何かを見せてくれる。可能性を広げてくれる。

今はただ、追い縋るばかりだ。

「追いつくぞ!」

「おうっ!」

スレイプニルはモンスターの群れを追い越すと反転、街道を塞ぐようにしてモンスターに立ちはだかった。

「俺達の世界の未来だ。他所からやって来た連中にだけ、いいかっこさせてたまるかよ!」

叫び、剣を抜くセル。

(この世界に、仮面ライダーはいない。でも、仮面ライダーになる男はいるのかもしれない)

剣を構えるセルの姿を見ながら翔矢は思う。自らの世界の未来を憂う者が出た。それは、間違いなくクレアが願っていたことだ。そして、彼はその願いのままに剣を取った。

この世界の、此処に生きる者の剣となる者のため、剣を与えられないか。

だからこそ。

「テンペスト、変身」

翔矢は戦う。仮面ライダーとして。この世界を守る同志として。

「フェンサー、いくぞ」

フェンサーフォームへと転じたテンペストはセルと並び立つ。

「よっしゃ。全部切り伏せてやるぜ」

「お前の場合は叩き潰すのほうが正しいかもしれんがな」

























to be continued…





















the next episode



10.Spycy

























後書き

また時間が空いてしまいました。

ライダーもいつの間にかエグゼイドが終わり、ビルドです。風都探偵もありますし、アマゾンズもありますね。

そんなわけで、前作から引っ張り続けてきた真琴とあゆの帰還です。予め決めていた流れではありますが、私、間違いなくここまでで10年かけてます。Kanonは何年前の作品だよって話です。アニメですら10年経ってます。年も取るはずです。

そして、ここまでで漸く前作の半分くらいですね。前作同様特別編(劇場版に相当)を考えてみてもいいかもとか思ってます。昔はPRISM ARKとクロスさせるといいなとか思ってましたが、流石にもう内容覚えてないですしね。うっすら程度ですよ。

前回がオリジナルライダーを敵役にしていたので、今回はどこかの版権タイトルがいいな、とか思うんですよ。あと、デュエルの世界観を壊さない程度の作品で。

取り敢えず、本編と並行して何か考えましょう。

需要は無視しますが。

では、また次回よろしくお願いします。