未来は幾つもに枝分かれしているものである。
よくパラレルワールドと呼ばれる世界。
しかし、パラレルワールドとは自然に出来上がっていく物であり、決して人が手を加えていいものではない。
けれど、『もし』時間も場所も時も超越して存在が居たとしたら?
その『もし』の存在によって意図的に変えられてしまった世界があったとしたら・・・?
この物語はそんなお話である。
うずまきナルト弱冠五歳。
初めて人の肉の感触を手で味わった刻であった・・・。
NARUTO −超越者−
グシャッ―
すっかり闇に染められた森の中、何かを押しつぶしたような嫌な音が響く。
「どうして・・・。」
呆然と少年が血溜りの中に立ち尽くしている・・・。
「どうしてボクを殺そうとするの・・・ボクは生きてちゃいけない存在なの?」
「グハッ・・・まだ子供だと油断した俺が馬鹿だったか・・・やはり貴様は化け・・・物・・・だ。」
そう言って血だまりに沈み込んでいる男は息絶える。
「ねぇ・・・ドウシテ・・・?」
少年は動かなくなったモノに再度問い掛ける。
が、答えが返ってくる訳もなく・・・その場に立ち尽くしていた。
少年の名はうずまきナルト。
知っての通り、その身に九尾の狐を飼う少年。
もちろん里の者からは忌み嫌われている。
5年前の九尾の狐が里を襲った事件。
当時の火影のお蔭でその魂はナルトの中に封印されはしたものの、多くの人を失った悲しみは幼いナルトに向けられることとなった。
四代目火影がナルトに向けた里の英雄になるという願い。
もはやその願いを覚えている者が里に何人いるだろうか?
そしてこの世界の未来はそのままナルトが迫害され続けて朽ちていくといったものだった筈なのだ。
だが・・・。
その時ナルトは毎夜のように自分を襲いに来る刺客の返り血で血まみれになった体をどうにか洗い落とし、家路に着く途中であった。
昼間なら大通りを歩いただけで命取りにもなりかねないのだが、今は真夜中である。
ナルトは夜中にこの道を通るのが何となく好きだった。
普段は自分を殺そうとまでしてくる人間が夜中になれば誰もいない。この道を自分の物に出来そうだったからかも知れない。
だからこそ、もしかしたら誰かの目に止まるかもしれないという危険を冒してまでこの道を歩いているのだ。
だがこの夜はそんなささやかな楽しみだけでは終わらなかった・・・。
「キミ・・・そこのキミ・・・。」
ビクッ―
声を聞いた瞬間ナルトがその身をすくませる。
「だ、誰・・・?」
柱の影から一人の男が姿を現した。
「何故キミはそんなに悲しそうなんだい?」
男はナルトにそう尋ねた。
普通ならそんな怪しい男に返答なんてしないかもしれない、けれど男が纏う不思議な雰囲気に答えずにはいられなかったのだ。
「皆がボクのことをいらないって言うんだ・・・。おまえなんて死んでしまえばいいのにって。」
「死んでしまいたい・・・そう思うのかい?」
「分からない・・・けどもう痛いのは嫌なんだ・・・。」
「そう・・・でもそれはすべて君のせいだとしたら?君自信がすべて招いた事だとしたら?」
ナルトの目がかっと見開かれる。
「そんなことないっ!僕は・・・ぼくのせいなんかじゃないんだ。」
「そうか・・・でも君はこのままじゃ死んでしまう。未来はそう定められているんだ。」
男が悲しそうな瞳でそう呟く。
「未来・・・?」
自分が死ぬといわれたよりも男が未来を予想した事の方が気になるナルト。
「そう・・・。この世界はそういう世界なんだ。でも、君が望めば死なずにすむかも知れない。」
「僕が望めば・・・。」
そう言ってうつむくナルト。正直今のまま生きたいのかどうか自分でも分からないようだ。
「一度だけ聞くよ・・・?君は生にしがみつく勇気はあるかい?」
「毎夜のように誰かが僕を殺しに来るんだ・・・でも助けてくれる人なんて誰もいない。皆僕が死ねばいいって思ってるんだ。だから僕は・・・。」
男が眉をよせて難しい表情をする。
「もし君を殺しにくる人がいなくなったら?君は生きたいと思うかい?」
「えっ!?」
ナルトはそんな答えが返ってくるとは思わずにかなり驚いたようだ。
「で、でもどうすれば・・・。」
「簡単さ、君が強くなればいい。人という生き物は自分より強い者には決して手は出さないからね。」
「強く・・・。」
その時初めてナルトの目が輝いた。一つの希望を見つけたとでも言うように。
「今度は別の形で問うよ。君は強くなりたいかい?」
「僕は・・・僕は強くなりたい!」
そう答えた瞬間辺りは光に包まれた。
ナルトはその光の中で何を見たのか。
それは男にしかわからないことである・・・。
ただ一つ言える事があるとすれば、男がその瞬間ニヤリと笑っていたということだけだろう。
(そう・・・生にしがみつくということは死ぬ事よりも辛い事があっても生きねばならない・・・。)
それから数年・・・。
光に包まれた後ナルトは自分の中に九尾とは違うなにか大きな力のようなものを感じた。
光の中で希望を見たナルトは死ぬ気で修行した。
もともと才能があったのか我流でもグングンと成長し、少しずつ襲ってくる刺客の数も減っていった。
そして数え年で8歳になろうという頃。ナルトは里の大人たちの中でも好意的に接してくれる火影に頼み込み、里外での修行を承諾してもらった。
「ふぅ〜・・・さすがに妖霊山。誰も人がこないな。」
妖霊山。
元々あやかしの類が住むと言われている山で、地元の者ならばほとんど出入りしない山である。
「さてと、アンコ姉ちゃん特製みたらし団子弁当を食べるか。」
みたらし団子を弁当にする時点でどうかとも思うのだが、そこはナルトが姉のように慕っているアンコ特製の弁当。ナルトにとっては最高の弁当らしい。
ちなみに光に包まれて気絶していたナルトを見つけて拾ったのがアンコであり、そのまま引き取ったのであった。
その時アンコは大蛇丸の元から離れたばかりであり、ナルトのことは知らなかった。
ナルトに対する大人達の態度を知ったときは大部荒れたようだ・・・。
(ん?誰かこの山に入ってくる・・・。)
ナルトが光の中で身につけた能力その一。
広範囲に渡る超感覚である。
半径数キロに渡り、さまざまな事柄を感知できる。
「ヒック・・・ヒック・・・。」
(泣いている・・・?)
「泣いてる女の子をほっといたらまたアンコ姉ちゃんにどやされるな・・・。」
どうやら子供のようだし、迷い込んだという可能性もあるので助けようと言う気持ちになったようだ。これが大人だったら警戒して決してナルトは姿を現さないだろう。
「グス・・・。」
「お前・・・なんで泣いてるんだ?」
「え?」
「だから、何で泣いてるかって聞いてるんだけど・・・。」
「あなた誰?」
(そりゃ、俺が聞きたいんだって・・・。)
「俺の名前は聞かないほうがいい。君の為にはならない名だし。それよりもなんで泣いてるんだよ?」
「私・・・いらない子だって。弱いからいらないって・・・。」
ナルトは瞬時に理解する。この少女は以前の自分と同じだと。
ただ耐えるだけの毎日。
自分からなにも変えようとしなかった頃。
だからこそ彼は・・・。
「お前、そんなこと言ってこんな所で一人で泣いて。それで何が変わるんだ?それで強くなれるのかよ?」
あえて、叱咤の言葉を少女に向けた。
「う・・・ヒック。うわぁぁぁぁん!」
だがさすがに8歳で人の慰め方はうまくいかなかったようだ。
(やべぇ、泣かしちまった!)
「わ、悪い。ちょっと言い過ぎた。だから泣き止んでくれよぉ!」
あわててフォローに入るが時既に遅しといった状態だ。その後少女は10分間泣き止まなかったという。
「や、やっと泣き止んでくれたか・・・。」
グッタリとナルトが岩にもたれ掛かる。
「ご、ごめんなさい・・・。」
「でもよ、さっき言ったのは本当の事だぜ。必要として欲しかったら強くなるしかねぇ。」
「でも私・・・。」
「あー、もうグズグズ言うんじゃねぇ。とにかくだ・・・えーと。」
少女の名を呼ぼうとするのだがまだ名前すら聞いてないことに気づいたナルトは困惑する。
「あ、ヒナタです・・・日向ヒナタ。」
「ヒナタ、お前はどうしたいんだ?」
一転、真剣な顔になったナルトが問い掛ける。
「私・・・強くなりたい。」
その時ナルトはいつもなら言うはずもない言葉を出してしまっていた。火影の里の奴らは警戒するべきだと分かってはいたのに、昔の自分と重なる少女を助けてあげたかのかもしれない。
「そうか。んじゃあヒナタ、俺と一緒に修行するか?」
「え?」
言ってからナルトは気づいた。
(何言ってんだろ俺。こんなところで初対面の奴と修行って・・・。)
はっきりいってかなり怪しい。
だが返ってきた答えはナルトの想像を遥かに越えるものであった。
「い、いいの・・・?」
「いっ!?いいのってお前、ここは妖霊山なんだぞ?しかも俺とお前って初対面だし。」
「うん・・・でもアナタの目。とても強くて澄んでるから・・・。」
(そんなこと言われたの初めてだ・・・。)
ヒナタの目は白眼。すべてを見通すといわれている目だ。人の性質ぐらいわけもなく見抜ける。
ヒナタに見つめられてぼーっとしていたナルト、ヒナタも自分が見つめている事に気づいて頬を赤らめている。
「と、とにかく今日は帰れよ。もう時間も遅いし、ここは里の外だからな。」
「うん・・・あ、アナタの名前。」
(一緒に修行するにしても名前教えねーとどうにもならないか・・・。)
少し心の中で溜息を付くナルト。
別に偽名を使っても良かったのだがそんな嘘はこの少女には通じない気がしたので本名を名乗る事にした。
「誰にも俺の名前を言わないって約束できるか?」
言ってしまえばこの少女にまで危険が及ぶ可能性がある。それはナルトとしては避けたい事だった。
「うん・・・約束する。」
「うずまきナルト。それが俺の名前だ。」
「ナルト君・・・。」
「ああ、けど約束忘れるなよ?」
「うん、絶対に言わない。」
嬉しそうにヒナタがうなづく。
「なんでそんなに嬉しそうなんだ?」
「だって始めての友達だから・・・。」
すでにヒナタの中ではナルトは友達に位置付けされてしまったらしい。
「・・・俺も始めてだよ。」
そっぽを向きながら答えるナルト。顔が赤いのは夕日のせいではないだろう。
とにかくその日はヒナタを里の入り口まで送っていき、明日の約束をして別れた。
何故かナルトはそわそわしてその夜眠れなかった。
自分の中に暖かい気持ちが染みてくるのを感じた初めての刻であった・・・。
そしてそれから一ヶ月程が過ぎた。
ヒナタを里の外に出すには色々と苦労したナルトだが、修行の方は思いのほかうまくいったようでヒナタは瞬く間に成長していった。まぁ実力的には上忍以上のナルトが指導しているのだから当然とも言えるが。
ヒナタも父親の眼が自分の妹に向いていたせいかさほど苦労せずにナルトと修行を行う事ができた。
「いきます、白眼!!」
ヒナタの白眼が発動する。高速で動くナルトにはこれでも目で追うのが精一杯なぐらいだ。
「今日は俺を捉えれるかな?」
「うん・・・今日こそきっと。」
この修行。高速で移動するナルトに一撃を加えるという単純なものであるが、この一ヶ月、ヒナタは一度も成功していない。
(気配で追わなくちゃ・・・)
気配・・・言うのは簡単だがナルトでも完全に追えるようになるまで多少の時間が掛かった。それを短時間で会得しかけているヒナタも相当なものだ。
「・・・そこっ!土遁・地走弾!」
地面から土の塊が飛び出してくる。だが、その攻撃は空を切った。
「くっ・・・。」
「まだまだだな。見極めが甘いぞ〜。」
「なら、これでっ!!」
ナルトが地面に着地する瞬間を狙って足払いをかける。
だが、それすらも動じる様子のないナルト。
「甘い。」
「きゃっ!?」
空中で一回転して着地のタイミングをずらしたナルトはそのままヒナタの後ろに回りこんで足払いをかけた。
「ほらほら、敵が自分の思うとおりに動いてくれるなんて思わないことだ。」
「う・・・。」
そしてまた打ち合いを始める二人。
それは日が沈むまで続いた。
そしてタイムアップの合図である日が沈む。
星空を見ながら二人で並んで寝転んでいる。
「ふぅ・・・やっぱりすごいなナルト君は。もう一ヶ月もたつのにかすりもしないなんて。」
ちなみに日向の家の方にはナルトの影分身がヒナタに化けて行っている。
一週間に一度こんな日があってもいいだろうとアンコから言われてそうすることにしたのだ。
「ヒナタも大部チャクラが練れるようになってきたぜ?術も基本とは言えかなりの練度だしな。」
「そ、そうかな?」
ヒナタが恥ずかしそうに顔を赤らめる。まだそのナルトに抱く思いが何かは気づいていないようだが、尊敬している男の子に誉められて相当嬉しいようだ。
「ああ、このぶんじゃ後半年ぐらいで当てられるかもしれねーなぁ。」
「・・・私頑張るね。」
その時微妙に悪寒を感じるナルト。恋する乙女のパワーをまだまだ甘く見ているようだ。
そして二人は眠りにつく。夏場なので風邪は引かないと思うのだがやはりそこは保護者であるアンコの出番のようだ。
「ふぅ・・・まったく穏やかな顔して眠っちゃって。同じ布団に入れたら面白いかしら?」
やけに爽やかにエグイ事を言っている。
「でも、ま。ナルトが周りを気にせずにこんなに穏やかに眠るのなんて・・・やっぱりこの娘のおかげかしら?」
「日向の跡取か・・・やっかいな事にならなければいいんだけどね。」
その顔は二人を本当に心配している。
「ま、その時はあたしがナルトを頂くと言う事で〜。」
やっぱり心配してないかもしれない・・・。
「はぁぁぁぁ・・・。」
今日も妖霊山で修行をしているナルト。その周りには目に見えるほどのチャクラが集まっている。
「火遁・爆円陣!」
ドゴォォ―
ナルトが印を結び終わった瞬間円状に炎が出現した。
術自体はそんなに珍しくない火遁の一つなのだが、ナルトが使用する火遁はすべてにおいて色が紫である。
「ハァハァ・・・出来た。紫の炎、九尾の力だ。」
ナルトは自分のチャクラが九尾のモノと混ざり合ってきているのを感じていた。
「でも・・・俺は俺だ。九尾じゃなくてうずまきナルトなんだ。」
どこか自分自身に言い訳するような口調でそう呟く。
ナルトが子供の頃に感じていた九尾の人格はもう感じられない。何時頃からかは分かっていないがある時を境に力のみがナルトの中に残っているような状態になってしまったのだ。
(でも俺と九尾のチャクラが混ざり合うとものすごい力が出るんだよな。)
それはいわゆる化学反応みたいなものである。ナルトのチャクラと九尾のチャクラが混ざり合うことによってさらに数倍の力を発揮する。
「辛気臭いことばっか考えてないでっと・・・。とりあえず休憩休憩。」
そういって近くの岩に腰を下ろすと、山に誰の反応もないのを確かめて眠りにつく。
一方火影の里・・・。
「いの?いの居ないの〜?」
ここは山中花店。薬ならお手のものである里の中でもまあまあ名の知れた家である。
「お父さん、いのを知らない?ちょっと頼みたい事があったんだけど。」
「いのなら薬草を取りにいくと言っていたが・・・。」
居間でお茶を飲んでいた父がそう答える。
「そうですか、ならお父さんちょっと頼まれてくれる?」
「ぇ。」
「嫌だとは・・・。」
「ああ、わ、分かったからその右手の手裏剣をしまってくれ(汗)」
渋々と立ち上がる父。イノシカチョウの一人とは思えない情けなさである。
(うう・・・任務で家を出ていたほうがマシだったかもしれん・・・。)
その日はたっぷりとこき使われたようだ。
―里の外・薬草群生地―
髪をアップにしている少女が一人でなにやら悩んでいる。
「う〜ん・・・今日はあんまり見つからないなぁ。」
山中いの。山中家の一人娘で、8歳にして薬の知識も豊富な少女である。
「もう少し奥に行ってみようかな。」
そして山の方へ歩みをむけるいの。
普段ならば立ち入り禁止の札が立っているはずの妖霊山。
野生の獣に折られていのは立て札を見ることは無かった。
「ん・・・?人の気配。」
熟睡していたナルトが山に入った人の気配に気づいたようだ。
「ムニャムニャ・・・まぁ敵意も感じないからいいかな・・・ムニャ。」
完全に寝ぼけているようだ。普段なら飛び起きる場面である。
(それに今日はヒナタも来れないって言ってたし・・・。)
余計問題なのだが、やっぱりナルトが起きる気配はない。九尾のチャクラをかなりの量使ったので疲労しているのは分かるが、やはり気が少し緩んでいるのかもしれない。
「う〜ん・・・なんか不思議な感じがする所ね。こんな奥まで来た事なかったから知らなかったけど。」
しばらくいのが歩いていると開けた場所に出た。
大木に手裏剣が刺さっていたり、地面がえぐれていたりするが木陰から日が差し込んでいてとてもよさそうな場所だ。
「ふふ〜、やっぱりあたしの勘は当たるわね〜。こういう場所の周りに薬草がよく生えてたりするのよ。」
いのが辺りを見回していると視界に何か金色のものが見えたような気がした。
「ん?あれは〜・・・人?」
近づいて見ると、光が当たって金色に透けている髪。そしてすらりと整った顔立ち。神々しさまで感じさせる少年がそこに寝ているではないか。
「綺麗・・・。」
いのは思わずそう声に出してしまった。
そしてその髪を手で触ってみる。
「んぅぅ・・・。」
ナルトが微妙に反応する。
(って私ってば一体何しちゃってるの!?)
始めて会った少年の髪を梳いている恥ずかしさがこみ上げてくる。
「ん・・・やば、ちょっと寝すぎたか。ふぁぁ〜ぁ。・・・あ?」
いのは恥ずかしさで、ナルトは疑問で思いっきり固まる。
(な、なななな!なんでこんな近くに人が居るのに気づかなかったんだ、俺。そういえばさっき微妙に人の気配で起きたような・・・。あああ!寝ぼけてたのかよ!?)
(あわわわ・・・起きちゃった。どうしようどうしよう!)
「お前何しに来たんだ?」
とりあえず敵意や殺意も持っていないようだし、子供なのでいきなりクナイを突きつけたりはしないが、返答次第ではたたじゃすまない雰囲気をもって話し掛ける。
「わ、私は薬草を取りに・・・。」
(薬草だって?こんな奥までか?)
「ここは立ち入り禁止になってる山だ。危ないから早く帰った方がいい。」
「え、でもそんな立て札はなかったけど・・・。」
「・・・とにかく危ないんだよ、早く帰った方がいい。」
何としてでも追い返そうとするナルトの態度を見ていのは少しムッとする。
「じゃあ聞くけど。何であんたはそんな危ない所にいるの?」
「・・・修行だよ。強くなる為の。」
「修行?忍者の?」
「・・・ああ。わかったならここで俺を見たことは忘れて帰った方がいい。」
普通の少女ならあるいは引き下がったかもしれない。だが、ナルトの運の尽きはこの少女が山中いのだったことだ。
「なんでそんなに悲しそうな眼で言うの?」
(そんな眼されたら素直に引き下がれないじゃない・・・。)
「っ!?・・・俺と関わるときっと不幸になる。だから帰れよ。」
語気を少し強めるナルト。
「帰らないわ。だってまだあなたの名前を教えてもらってないもの。」
「何で名前を教えなくちゃいけない。」
「だって私はあなたと友達になりたいって思っちゃったんだもの。」
あっさりと言い放ついの。さすがのナルトもこれには毒気を抜かれたようだ。
「はぁ?」
「だから、名前を教えてって言ってるの!!」
「うずまきナルト・・・。」
これは最早名前を教えないと引き下がらない勢いだったのでおもわず言ってしまう。
「ナルトかぁ・・・いい名前ね。」
「もういいだろ・・・帰れよ。それと俺の事は絶対に里で言わない方がいい。」
「?よく分からないけど分かったわ。・・・だから明日も来ていい?」
「全然分かってないじゃないか・・・頼むからここのことは忘れてくれ。」
「んじゃ、また明日ね〜ナルト。あ、それから私は山中いの、よろしくね〜!」
すでにナルトに背を向けて走り去ろうとしているいの。
「おいっ!人の話を・・・。いっちまった。」
とりあえず今日一日の修行をこなす為に動きはじめるナルトであったが、なかなか身が入らず結局修行を中断して体を休める事にした。
「なんか・・・強烈な奴だったよな・・・。」
今日一日の感想はそれに尽きるナルトであった・・・。
「ナルト〜。来たわよ〜。」
山にいのの叫ぶ声が響き渡る。
「そんなに大きな声を出さなくても山に入った時から分かっている。」
声に呼ばれるようにナルトが姿を現す。
「まぁまぁ、そんな渋い顔しないでさ。ここらへんっていい薬草も生えてるうえに人が来ないから穴場なのよ〜。」
いのがペロリと舌を出して言う。
(それに・・・ナルトが寝てる姿。あの姿をみた時からなんか気になっちゃうのよね)
まだ8歳の少女にその感情を理解しろと言うほうが無理な話だ。
「まぁ、ここの事を誰にも言わなくて俺の邪魔さえしなけりゃいいけど。」
もはやいのを止める事は適わないと判断したのかナルトが渋々OKを出す。
(はぁ・・・なんでこんなことに。)
ナルトとしてはいのは里の大人達と違い自分の事を怖がっていないようなのでそんなに気にすることではないと思っているのだが。
「んじゃ、俺は修行の続きをするから。そこらへんで好きにしててくれ。」
そう言ってナルトは今日の課題である膨大なチャクラを使用した大技の準備に入ろうとする。
(チャクラを全身に行き渡らせるイメージで・・・そしてそのチャクラを一気に放出する!!)
「はぁぁ・・・火遁・爆円陣!!」
ゴォォ――
ナルトを中心にして火炎が円状に広がる。
そんなナルトを見つめるいの。
(すごい・・・なんかよく分からないけどとにかくすごいのだけは分かる)
すっかり感心しているようだ。
「ねぇナルト。」
「どうした?」
「私もナルトみたいにそんな感じで術使えるようになるかな?」
「忍術に興味があるのか?」
「う〜ん、私もあと数年したらアカデミーってとこに行くわけになるんだしさ。ちょっとは鍛えといたほうがいいのかなって。」
「・・・修行してみるか?」
「へ?」
実はナルト。さっきから見つめられているのに気づいていたのだが、そのせいでいまいち集中に欠けていたのである。
一流の忍者としてはあまりよろしくないことなのだが、まぁ女の子に見つめられて気にならない男子はいないということで。
(いっそのこと一緒に修行してたほうが楽かも・・・。)
という結論にたどり着いたのである。
「いいの?」
真剣に修行しているナルトを見ているので迷惑じゃないかと思いおもわず聞き返してしまう。
「まぁ別に人に教えるのは嫌いじゃないし。一人も二人も同じようなものだろうしな。」
「二人?」
その時、誰かがナルトの名前を叫んでいるのが聞こえてきた。
「ナルトく〜ん。」
ヒナタが来たようだ。
「よぉヒナタ。遅かったな。」
「はぁはぁ・・・ちょっと抜け出すのに手間取っちゃって。」
「・・・あんた確か日向の。」
「え?」
いのに問い掛けられて初めてその存在に気づいたようだ。
「え?え?ええ?あなたは・・・。」
まさかこんな場所にナルトと自分以外が居るとは思わなかったらしく大分戸惑っているヒナタ。
「私は山中いの。よろしく。」
「あ、あの・・・私、日向ヒナタです。よ、よろしく・・・。」
最近は大分弱気も直ってきているヒナタだったが、やはり初対面の人間は苦手なようだ。
「あの、ナルト君。」
ヒナタの眼がナルトに問い掛けている。
「あ〜・・・なんていうかな。かくかくしかじかでな。」
簡潔に状況を説明するナルト。・・・決して表現が面倒なわけでない。
「あ、そうだったんだ・・・。」
「ま、そゆことでよろしくね♪」
(いい人みたいだし、ナルト君がいいって言うなら。)
(日向って言ったら名門ってことでもっと威張ってるのかと思ったら。仲良くできそうで良かった。)
それぞれ納得する二人。
何故かこの後ナルトとヒナタの組み手を見たいのが奮起するのだが、そこはまぁ乙女のパワーと言う事で。
「すぐに追いついてやるんだがらね、ヒナタ。」
「い、いのちゃん・・・そんなにムキにならなくても。」
そしてそれから三ヶ月の月日が流れる。
後で振り返ってみると幸せな時は本当に早く流れるものであるとナルトが思い知る時が近づいている・・・。
妖霊山。
すでに季節は秋から冬になろうとしていた。
あらゆる生命が眠りにつこうとしている中、この山には今日も組み手の打撃音が響いている。
「はぁっ!とりゃぁっ!せいっ!」
いのの繰り出す拳がヒナタに襲い掛かる。
「くっ・・・。」
ちなみにヒナタは白眼を使用している。それでも完全にはかわしきれていない。
それほどいのの体術のキレがいいのである。
「まだまだっ!行くわよ。」
「負けないっ!!」
いのの連撃とヒナタの柔拳法がぶつかり合う。
ダメージはほぼ互角と言った所である。
「はぁはぁ・・・今日こそ引き分けなんてさせないわよー!」
「うん、今日こそは・・・。」
(ナルトが見てるんだから。)
(ナルト君の前でみっともない姿は見せられない・・・。)
口には出さないものの二人の思いは同じのようである。
三ヶ月間三人で修行してみて気づいた事がいくつかある。
二人の実力が向上するのと同時にナルトの強さを再認識したという事。
そしてナルトに認めてもらえるという事はとても嬉しいと言う事だ。
「二人とも、負けたほうはスペシャルメニューな。」
「「えっ!?」」
最初の頃に早くヒナタに追いつきたがったいのがナルトに無理やり考えさせたメニューなのであるが、あまりに過酷な為禁じ手となったものだ。
「これは基礎の卒業試験だからな。負けたほうは一からやり直し。」
三ヶ月間でナルトが二人に教えた事は体術とチャクラの効率的な練り方、それに気配察知という基本的なものばかりである。
ナルト自信も自分の修行に時間を費やす必要があったので必要最低限に留めたのだ。
しかし二人は競い合うように自分達で基礎から応用へと進化していき、三ヶ月で見違えるほどの成長を果たしたのであった。
「ヒナタ・・・悪いけど本気でいかせてもらうわ。」
「・・・チャクラ開放。」
その言葉を聞いて完全に本気モードに突入する二人。
ちなみにいのは両手の肉体活性。ヒナタは点穴をついて自分のチャクラを何倍にも増幅させている。
「双戟!!」
「せいっ!!」
ドゴォ―――
いのの両手の突きとヒナタの蹴りが両者にどうじにヒットして、二人とも後方に吹き飛んだ。
「これで64回目の引き分けだな。ヒナタの奴今日は妹の誕生日だから早く帰るって行ってたのに、大丈夫なのか?」
「ま、暫くすれば目は覚めるだろうし・・・その後俺が送っていけば間に合うか。」
こういう見えないところで優しさを発揮するナルト。
三ヶ月の間で少し変わったようだ。
―火影の里・日向邸―
「探せ、まだ近くにいるはずだ!!」
「くそっ、今日を狙っていたとしか思えない。」
何やら屋敷の中が慌ただしい。
日向家当主であるヒアシが苦い顔で呟く・・・。
「ハナビが攫われるとは・・・。」
―妖霊山―
何時も静かな山に数人の足音が響く。
「こっちだ、急げ。」
「うまくいったな。これで白眼の秘密が・・・。」
「まだ気を抜くんじゃない、ここは火影の領内なんだぞ!」
そんな男たちの様子をナルトが木の上から伺っている。
(いきなり山の中が慌ただしくなったと思えば・・・。ヒナタといのを移しておいて正解だったぜ。)
ちなみに男達はすでにナルトの幻術に嵌っており、さっきから同じと頃をぐるぐると回っている。
(それにしても・・・全員上忍クラス。しかも白眼ってことはあれがヒナタの妹か。)
「やるか・・・。」
不意に現れた気配に男達が即座に反応する。
「何者だ!?」
「そこの子を置いていけ・・・。そうすれば命までは取らない。」
「貴様、追手か!」
「そんなことはどうでもいい・・・。置いていくのかいかないのか。」
「おい、こいつ・・・。そう、九尾のガキだ!」
「何、あの化け物だと?」
男達がナルトを見る視線。それは昔よく味わったとても冷たいものだった。
「・・・俺は化け物なんかじゃない。」
「ふん、貴様があの化け物だろうと日向のガキは渡せん。」
「そうか、だったら・・・。」
「くっ、いくら九尾だろうと一斉に掛かれば!」
ハナビをかかえている男を除いてナルトに飛び掛ってくる男達。
「無駄だ・・・俺を化け物扱いした事を悔いながら死ね。火遁・爆円陣。」
ドゴォォォォ―
向かってきた男達を遮るように火炎が円状に広がる。
「ギャァァァァ!!」
男達の断末魔が響き渡る。紫の炎に焼かれた体はすぐには死ねず全身を喰らい尽くすように燃え盛る。
「後は貴様だけだ・・・。」
「くっ、水遁・爆流水布!」
突如出現した水流がナルトを押しつぶそうと襲い掛かってくる。
「どこを狙っている?」
「な、何っ!?」
「後ろだ。」
「貴様っ!」
「遅い。」
クナイを一閃。男の体が崩れ落ちる。
「ぐはっ、やはり化け物・・・。だが、ただでは死なんぞ。」
「何?」
「土豪心中の術!」
一瞬の隙だった。
だがその隙がナルトの一生でただ一つの後悔になる。
男の命がつきるのと同時に地面から土柱が突き出してくる。
「しまっ――」
(避けきれない!!)
ズシャッ―
ナルトがかなりのダメージを覚悟して目を開けた瞬間、信じられないものが飛び込んできた。
「ガフッ・・・。ナ、ナルト君・・・大丈夫?」
(え・・・?)
ナルトはその光景を理解できなかった。否、信じられなかったのだ。
『気絶している筈のヒナタが自分を庇っている姿』
土柱はヒナタの体を深く切り裂いていた。
その光景を理解した瞬間。
ナルトの中で何かが外れ、声にならない叫びが辺りに響いた。
「―――――ァァァァァァァッ!!」
燃え盛る炎の中で一人の少年が立ち尽くしている。
その傍らには倒れている少女。
さらに少し離れたところにはもう一人の少女がただ怯えている。
少年が呟いた。
「俺は・・・やっぱり化け物なのか。」
「ナルト・・・。」
「いの・・・体震えてる。」
「っ!?」
「・・・ヒナタは助ける。」
「待って、ナルト!!」
このまま何も言わずに彼を行かせてしまえば二度と会えないと感じた。
「私は・・・怖くなんてないよ?」
少女の精一杯の強がりだろう。それとも少年に気を使ったのか。
「ありがとう・・・。」
そういって少年は二人の少女を背負って掻き消える。
「なんで体が震えてるのよ・・・なんで・・・。」
後に残された少女は自分の情けなさに悔し泣く。
―報告書―
日向ハナビ誘拐未遂事件について。
誘拐した犯人グループは火影の里近辺・妖霊山にて死体らしきものが発見される。
死体は焼け焦げており、判別のつかない物であったが遺留品から霧隠れの抜け忍と判明。
なお、抜け忍六名を始末したのは山中いのからの証言でうずまきナルトであると判断する。
その実力は危険なレベルであり、処分については火影様に一任するところである・・・。
追記
意識不明の重体であった日向ヒナタであるが、一ヶ月後無事意識を取り戻す。
しかし日向本家はこれに対して、日向ヒナタの廃嫡を発表。
怪我の後遺症によって忍者には不適格と判断された為である。
報告書作成者 はたけカカシ
そして三年の時が過ぎ・・・
―火影の里・ヒナタの家―
ヒナタの朝はとても早い。
もう完全に身についてしまっている習慣のせいだ。
「はぁぁぁ・・・せいっ!」
藁を巻きつけた丸太を人に見立てて確実に急所に拳を打ち込んでいく。
その動きはとても洗練されていて見る者を虜にしてしまうほどだ。
「ふぅ・・・次はっと。」
その場に座り込み、チャクラを練る。
段々とチャクラの姿がはっきりとしていき、最後には具現化するほどになる。
そして印を結び始めるヒナタ。
「火遁・炎陣壁。」
地面から炎が一瞬で立ち上る。
「あんまり派手なのをやるとまずいかな・・・。」
そしてそのまま立ち上がり秘密の練習場の片づけを始める。
自分の立場はあまりいいものではないので、修行している姿などを見られると案外マズイことにもなりかねない。
そう考えて普通の演習場よりちょっと離れた林の中に自分だけの場所を作り上げたのである。
ちなみに結界が張ってあるせいか人には見つかった事が無い。
元々あまり人のこない場所なだけあってか、普段も大体ここにいるのだ。
だが、
「今日はアカデミー入学の日だし、あまりゆっくりしてる時間はないかな。」
ということなのである。
三年前自分が廃嫡されてから日向の家からは出ている。
あそこにはもう自分の居場所はないし、自分が家にいることによって父や妹に迷惑をかけることも嫌だったからだ。
本家の老頭は前からよく思っていなかったようだし、かといって分家に身を寄せる事なんて余計出来ない事。
「でも、私は負けないから・・・あの人にもう一度会うまでは。」
時間は余裕を見ているのでゆっくりとアカデミーへ向かう。
大通りを歩いていると人々の視線を感じる。
中には冷たい感情が宿っているものすらあるほどだ。
「あの娘・・・日向の。」
「ああ、傷付きだろ?」
「かわいそうにねぇ、狐に誑かされたって?」
三年経った今でもこの有様だ。
(今ならあの頃のナルト君がどんな気持ちで過ごしていたか分かるよ・・・。)
自分に向けられる嘲り、嘲笑、そして怒りや憎悪。
たまったものではない・・・ヒナタは思う。
確かに自分の体には一生消えない大きな傷があるし、日向の跡取も廃嫡された身だ。
だがこの傷はナルトとの絆だと思っているし、あの時の行動は今でも悔いては居ない、それどころか自分の想い人を助けられて幸せすら感じる。
あの時自分は本当に変わり始めたのだと実感できる。
自分の足で立ち、自分の思う事を実行する。
今生きているのだと思えるようになったのはナルトのおかげだと・・・つくづくそう思う。
あの時はまだ幼くて分からなかったけど、今自分の心にある気持ちは恋だと思う。
だからこそ、アカデミーを卒業して正式に忍者になってあの人を探しにいくのだと。
自分の信じる道を生き、そしてあの人の隣に立って生きるのが私の忍道。
と、そんなことを考えているとヒナタに向かってわざと大きく声を掛ける少女がいる。
「ヒ〜ナ〜タ〜!」
ヒナタの周りでひそひそと呟く人達にプレッシャーをかけるように。
「いのちゃん、おはよう。」
そしてキッと周りを睨みながらヒナタに近づいてくる。
「おはよう、ヒナタ。今日はいよいよ入学の日だね。」
山中いの。
ヒナタと共にナルトと修行していた少女だ。
三年前ナルトの事を最後まで悪くないと主張した一人で、その為か大人からの風当たりは強くなったものの、本人の強気な性格ゆえか今では嘲る人間はほとんどいない。
「うん、私ちょっと緊張してるかも・・・。」
そんなヒナタの言葉を聞いていのがちょっと不思議そうな顔をする。
「大丈夫だって、ナルトに比べたらアカデミー生なんてさ。」
「そうだね・・・私はもっと強くならなくちゃいけないから。」
「違うわよヒナタ。」
ヒナタの頭に?マークが浮かんでいる。
『私達、でしょ?』
「うん、そうだね。・・・ありがとういのちゃん。」
本当に感謝している。いのがいなければ自分は三年前立ち直れなかったかもしれないから。
「な、何言ってるのよ。今更お礼なんてさ、水臭いじゃない?」
ちょっと顔を赤らめてしまう、ヒナタのいい所はこういう恥ずかしげもなく言葉を素直に言えることだといのはつくづく思う。
あまり自分が素直なほうではないとわかっているのでそれは少し羨ましくもある。
ただ、ヒナタに言わせればいのの積極性はとてもうらやましいものなのだろうが。
「いこっか、ヒナタ。」
「うん。」
ちょっと顔を赤らめた二人の少女は歩いていく。
これから幾多の試練が待ち構えていようとも、この二人ならば見事乗り越えていくだろうと思わせる希望に満ちた後姿である。
そして・・・。
「三年振りか・・・。」
「ここが火影の里・・・ナルト君の生まれたところですか。」
「ああ、そしてお前の復讐すべき相手が居る場所でもある。」
「ええ・・・。」
「震えているぞ、大丈夫か?」
「武者震いですよ・・・。」
「そうか・・・お前にそんな心配は無用だったな。行こうか、白。」
「ええ・・・行きましょうか。」
うずまきナルトが還って来る。
一人の復讐者を引き連れて・・・。