「・・・相沢君」

   何ともいえないプレッシャーが祐一を襲う

  「何でございましょうか香里さん・・・?」

   思わず敬語になってしまった祐一

  「あなたは二つのミスを犯したわ」


  「・・・はぁ?」
  
  (TBSの某探偵アニメでも観ていたのか?

   10月から土曜日に移るらしいな、あの番組・・・

  


  「一つ目は私のきめ台詞を勝手に使った事

   これはもう著作権に値するわね」


  「ちょっとそれは無理があるんじゃ「二つ目は・・・

    有無を言わさずに淡々と述べる香里


  周りで聞いていた者たちも何となく耳をかたむける



  「もう私の出番がこれきりってことよ」


  (((あてつけじゃん!!!)))


  「さあ・・・どうしてくれようかしらね」

   ジリジリと間を詰める香里


  「ってゆーか俺はあんまり関係ないじゃん!」



  「…世の中理不尽な事もあるのよ…」

   祐一の悲痛な叫びも香里の前では無力のようだ

  「おとなしく観念しなさい」
  
  そして祐一に対する罰が執行された・・・

  


  ・・・・・・・・・・・執行中・・・・・・・・・・・・・・・









 「あう・・・頬が痛い(泣)」


 結局罰といっても両頬を引っ張っただけのようであった

 そのときの表情は嬉しさと照れが50:50だったそうだ

 恥ずかしがり屋の香里はこんなかたちでしか恋愛感情を表現できなかったようである

 まさにあれですな

 好きな子ほどかまって欲しくていじめてしまう

 ああ見えて結構香里はウブなのであった・・・































                               カノン世渡り物語〜漢たちの挽歌〜



                                           中編





















   頬の痛みも抜けきった頃、

   祐一は斉藤が何かを言おうとしていたことを思い出した



   「そういえば斉藤は何か用事でもあったのか?」

   (あのままシカトじゃ可哀相だしな…


   それなりの気遣いをする祐一


   「ああ!やっと訊いてくれた!!

    実は今まで貯めてきたお金でキャンプ用品を買って軽井沢まで行くんだ!!」


   「ほぅ…」

   ニヤリと祐一の口元が歪む

  
   「斉藤くん」


   「何だ?相沢、急にくん付けなんかしちゃって」

    まだ嬉しそうな表情をしている斉藤


   「キャンプ用品のほうは構わないが軽井沢行きは認めん」

    
   「なっ…!

   
    その表情が一変する
   

   「いくら相沢が主人公といえども俺はそんな命令には従わないぞ!!」

    怒りをあらわにする斉藤


   「くくくっ…そんなことを言っていられるのも今のうちだぞ。

     自分の立場を考えてみたまえ」

    何故か口調が変わっている祐一


   「何ぃ!?」


   「いいか?お前がこのまま軽井沢へ行ったとしよう…

    それっきりお前はこのSSに出られなくなるぞ?」


   「はっ!!」


   「やっと気づいたかね、

    あくまでもこのSSは主人公を中心に回っているのだよ」

 
   「くっ!」



   「さあ、斉藤くん

    君は名ばかりの旅行と主人公とともに行動し出番を増やす

    どちらを選ぶのだい?」


   「・・・」


   「悩むほどのことではないだろう?

    君は出番重視の性格なのだからね」



   「…相沢」


   「ん?」


   「軽井沢行きを認めないと言ったがキャンプ用品は買うのか?」


   「…軽井沢行きはいいんだな?」


   「ああ」

   
   「よし、交渉成立だな」

    固い握手を交わす二人

    おもいっきり脅迫である(笑)


   「今回の作戦の全容はキャンプ用品を揃えるときに話す」


   「分かった」


   「協力に感謝する、

     あとですばらしいものを用意しよう」

   「すばらしいもの?」


   そのすばらしいものとは・・・?












  続く






  今回はいつもに増して短いな・・・とお思いの方もいるでしょう

  実際はまだ続きます

  これは幕間といったところでしょうか

  それではこの話にもう少しお付き合いください

  お願いします























                               カノン世渡り物語〜漢たちの挽歌〜



                                           斎藤編

























   「こっこれは!?」

    驚きの表情を隠せない斉藤


   「驚いたか、斉藤

    これがさっき言っていたすばらしいものだ」

    
   見ての通り題名が斉藤編になっている

   
   「俺のサブとして存分に働いてくれよ?」

    茶化すような表情で言う祐一

   「ありがとう相沢っ!!」

      ガバッッ

    泣きながら祐一に抱きつく斉藤


   「ちょっっ、斉藤!?」


   「見てくださいあれ」 「公共の場で男同士で…(ひそひそ)」

   
   通りすがりの奥さまたちに二人は変態扱いされていた(笑)

      がすっ

   祐一の肘打ちが斉藤の頭部に突き刺さる

    「ぐはっ」


   「いいから離れろ!!」

   
   「い、今のは効いたぜ…」


   一発で虫の息になっている斉藤であった 





    ・・・・・移動中・・・・・


   「ここで揃えるんだな」


   「そうだ」


   俺たちがやってきたのはア○ペン

  (昔はスキーで広瀬○美の曲がよく流れていたなぁ
    
   あの曲を聴くと冬が来たってかんじだったな…

   ちょっと前に島谷ひ○みの曲にたずさわったらしい…


   「?相沢、何たそがれているんだ?」

    どうやら斉藤にはそう見えるようだ


   「ああ、気にするな。

    それじゃあまずテントを買うぞ」


   「そういえば誰とどこでキャンプをするんだ?」


   「まだ言っていなかったな

    北川と久瀬を合わせた四人と学校の屋上でやるんだ」


    その言葉に斉藤は


   「んな無茶な!教師に見つかったら即アウトだぞ!?」

    
   「ああ、そこらへんのことは石橋(先生)から許可もらったから大丈夫」

    用意周到な男である

   「みんな忙しいからな、

    遠出をしないでも大丈夫なところといったら学校だ」


   「そういうものなのか?」


   「そういうものだ、

    家庭科室も勝手に使っていいらしいし意外と便利だぞ」

   (前の学校ではキャンプとまではいかなかったけど不法侵入してやっていたし(爆)

    今回は許可を取ったから堂々とできる


    「何かおもしろそうだな」


    「そうだろそうだろ、

     そして晩御飯はカレーなのだ!!」

     テンションの上がってきた祐一

    
    「おっしゃあ!

     それは俺の得意分野だ!

     まかしとけ相沢ぁ!!」

     それに便乗するように斉藤も続く

     「「ぅえ〜〜い!!」」
     
     両手のハイタッチをする二人

     
    「斉藤!

     会計のほうもまかせたぞ!!」


    「おうっ!

          って…え?」


    そこにはもうハイタッチをかわした相沢の姿はなく、レジのお姉さんしかいなかった・・・(笑)


    「14800円になりまーす」


    レジのお姉さんの声がやたら重く感じた斉藤であった






    続く




   
  あとがき



  このごろSSを書くペースが落ちてきました

  今月は模擬試験が2つあるのです

  まあ、自分は3科目型なのでましなほうですけれど

  高3になりますと毎月テストが2つはあって大変です

  もっと若いうちに遊んでおけばよかった(泣)