カノン世渡り物語〜それぞれの陰謀〜の続編のようなものです
今回はカノンでは出番の少ない漢たちがメインです
久瀬も同じクラスです
始業式が始まって数週間がたった
今年から来年にかけて大学受験を控えているとはいえそれほど意識をしている者はまだ少なかった
しかし、テストの回数が多くなるのは必然であった
過去問などをより多くこなし本番で実力を発揮できるよう先日も行った
そして今日はその結果が返ってくる日であった…
カノン世渡り物語〜漢たちの挽歌〜
前編
「う〜ん・・・」
相沢祐一は悩んでいた
模試の結果に対してではない
明日からのゴールデンウィークのことである
午後の授業などそっちのけで明日からの予定を考えている
前回の話のように祐一は頭がいいので少しくらいのロスは自宅の勉強で補えるのだ
一定の時間を何かに集中するということに関しては天下一品ともいえよう
(特にやることがないんだよなぁ…
ゴールデンウィークといっても三連休程度だし遠出する必要はないな
北川・久瀬・斉藤でも誘って何かやろうかな
どうせ暇そうだし授業が終わったら訊いてみるか)
き〜んこ〜んか〜んこーん…
「では、今日はここまで」
「きりーつ、礼!」 「「「ありがとうございました!!」」」
明日からの休みが嬉しいのだろうか、一部の者を除いて舞い上がっている
その一部の者とは…
「「はぁ…」」
北川と久瀬であった
「どうしたんだ二人とも?
明日から休みなんだからもっと嬉しそうにしろよ」
祐一の言葉に久瀬と北川は
「僕は生徒会の仕事が忙しくてね…明日は泊り込みで書類の整理ですよ…」
「俺はこのあいだやったマーク模試を自己採点したんだけどかなり悪くてな…
3割未満の生徒は補習があるんだ」
「そういえばそんなこといっていたな。」
そう話していると横から斉藤が嬉しそうな表情でやって来て
「みんな大変だな〜俺は「そっか、みんな忙しいのか…
みんなでどこかに出かけようと思ったのに」「え!?俺の理由聞かないの!?シカトっすか!?」
「相沢も久瀬も3割は余裕で取れいるよなぁ
何でこのクラスに学年順位1・2がいるんだろうな」
(相沢・美坂を始め、久瀬も常に1桁だもんな…
「でね、俺は貯金してきたお金で「みんな〜席に着け、ゴールデンウィークの諸注意を説明するぞ〜」
「やべ、石橋先生だ、いったん席に着かないと
あ、斉藤もいたんだ。
早く席に着いた方がいいぞ」
「・・・・・・ぁぁ」
2度も無視された斉藤は力の無い返事をして席に着いた
(なんで俺ばっかりこんな扱いを…(涙)
・・・・・・・・・・・・・ゴールデンウィークの説明中・・・・・・・・・・・・
「・・・以上だ、
あと、前にやったマーク模試の追試者を発表するぞ」
その言葉に何人かは頭を抱えたり嘆いていた
自己採点した結果で判っているのだろう
「 ・・・
北川
・・・
北川と呼ばれた瞬間祐一は
「ドンマイ北川!」
「やかましい!お前には慰められたくないわい!!」
学年主席からの同情はかなり傷つくらしい…
相沢、以上だ」
「「え?」」
これには本人も北川も驚いた
ざわっ 「相沢が?」 「何かの間違いじゃないかしら」
「ちょっと相沢君?
どうしちゃったのよ?」
「よう香里、初台詞だな」
「そうね…ってちがうでしょ!
あのくらいの問題だったら「美坂、それは俺が説明する」
言葉をさえぎったのは石橋先生だった
「確かに相沢ほどの学力があれば問題はないだろう
途中の解答を一つずつずらせば9割ちかく正解している」
「ってことは・・・」
「相沢のマークミスだ」
「あ…そういえば最後の問題の答えをマークしたのにまだ余白があったような…」
し〜〜〜〜〜ん・・・・
(((((…相沢(君)らしい・・・(呆) )))))
「ま、とにかく補習に来るようにな」
・・・・・・・・・そして放課後・・・・・・・・・・・
「名雪、放課後だぞ」
祐一が起こそうとするが名雪はすでに夢の世界へと導かれていた…
「く〜〜」
「この子午後の授業もほとんど寝てたわよね…本当に活動時間が少なすぎるわ」
(これで陸上部の部長ってのがね…
「仕方ない…あの手を使うか…」
「あの手って…相沢ぁ!こんな時間から18禁路線か!?」
「あほか」
(とりあえず北川は無視しておこう
ヒソヒソ… 「やっぱ北川君てサイテー」 「何考えてるのかしら…」
「誰もつっこんでくれないのか!?」
と大げさに嘆く北川に対してクラスの女子たちの反応は冷たかった
「本気で言ったくせに今更何を言っているのかしら…」 「シッ!目で犯されるわよ!」
「美坂ぁ…」
最後の頼みの綱である香里に振ったが
「私に北川なんて友達はいないわ…」
いとも簡単に切られてしまった(笑)
そして女子たちの刺すような視線に負けて北川は教室から逃げるように走り去っていった…
「で、あの手って何なの?」
呆れたような表情で祐一問う香里
(でも本当に18禁路線だったら相沢君はどんな攻めを…?(どきどき)
何だかんだいってもお年頃なのであらぬ想像をしてしまうのであった
祐一はいたずらをする少年のような顔で
「こうするんだ」
「パンッッ!!」「だおっ」
乾いた音が教室内に響く
そこには机に突っ伏している名雪とどこか満足げに鉛筆を持つ祐一がいた…
((((でこペンかよっっ!!!))))
「ありゃ?ちょっと強すぎたか?
ちゃんと安全キャップは付けたんだけど…」
それなりに気をつかっていたようだ(笑)
「うぅ、おでこが痛い…」
おでこが少し赤くなっているものの口はきけるようだ
「寝ているときに打ったんじゃないか?
気をつけなきゃ駄目だぞ?」
自分でやっておきながら本人のせいにする祐一
「うん…」
(なんとか誤魔化せたな
心の中で安堵する祐一であった
「それにしても相沢君」
「ん?」
「ほんっっとに馬鹿なんだから…」
(補習がなかったらゴールデンウィーク中に一緒に出かけたかったのに…
「え〜、祐一は頭は良いよ」
「水瀬さんは寝ていて聞いていなかったのですね?」
久瀬が名雪に問いかける
「何が?」
やはり寝ていたようだ
「相沢君はマーク模試で結果が悪く補習になってしまったのです」
「ふ〜ん・・・・・・・えぇ!?
祐一が!?」
一気に覚醒したらしい
「あの試験で3割に届かない人なんて身近な人では北川君くらいかと思っていたのに…」
さすがに当の本人が聞いたら凹むだろうが幸いな事にもう教室にはいない
「何で何で!?
ゴールデンウィーク中は祐一とまったりどっぷりと付き合おうと思っていたのに(爆)!」
「あそこで何か言っている頭の弱い子は置いといて、今から石橋先生のところに行って来れば?
先生もあなたの成績は知っているし説得すればどうにかなるかもしれないわよ」
(よくあんなことおおやけで言えるわね
「ああ、そのことなら別に構わないぞ、学校にもちょっと用ができたからな」
「相沢君、それはどういうことなのかしら?」
「まあ、ある人を真似て言わせてもらえば言葉どおりってとこかな」
言うまでもなくそれは香里の台詞であった
中編に続く・・・
あとがき
どうも、take-overです
今後の話はカノン男性陣がメインとなります
ヒロインたちの出番は少なくて華の無いSS(笑)ですが我慢して付き合ってやってください
自分は舞シナリオをやっていないので久瀬は善人とみなしています
一番まともなキャラかもしれません
この話も3〜4つに分けて投稿させていただきます
いちおう自分も受験生なので模試ネタとかやりたかったんですよね
受験本番でやらかしたら洒落になりませんよね
センター試験まであと半年くらいですかね
受験生の皆さんもお互い頑張りましょう!
ではまた…