――――まじかる☆のいない12月――――





 クリスマスを目前に控えた12月のある日のこと。
木枯らし吹きすさぶ屋外とは対照的に、我が家の居間には暖かな風景が広がっている。
2人の女性がこたつで温まり、みかんを片手に談笑する姿は微笑ましい。

「と、いうわけでー、ここはまじかる☆前線基地になりました。ハイみんな拍手〜」
「わぁーぱちぱちぱち」

「って待てそこ!!ここって私の家ですよね?それって私のおこたですよね!?それって私のみかんですよねぇ!!?つーか雪希ちゃん口でぱちぱち言うなーー!!手が離せないほどみかんが大事くわぁ?OK、OK、だったら実家から送られてきた大量のみかん一箱くれてやらぁ!だから、だからぁ…帰ってくださいおねがいします」

そう、私、進藤さつきの家はまじかる☆シスターズこと、まじかる☆ひよりんとまじかる☆雪希ちゃんに謎の理由で占拠された。
後でイベントがあるからさっさと帰って欲しかったりする、が。

「だが断る」
「わ、ひよりんらしからぬ口調だね」
「よよ、御無体なぁ」

ってな感じでまったく取り合ってくれないようだ。
そもそも家に上げるべきではなかったのだが、魔法の力とやらで鍵が開けられ、どうしようも無かった。
まぁ、ひよりんの手元にピッキング道具が見え隠れするのは気のせいだろう。

「2人とも、今日だけは勘弁してくださいよ。先輩が来る予定なんです。2人のランデブーなんですよ?しかもあの先輩が手料理をご馳走してくれるんですから。今日はおねえちゃんもお母さんたちもいないし…そのあとは、うふふ〜。と、いうわけで、帰って下さい。というか、まじかる☆の国へ帰れ。もしくは馬に蹴られれコンチクショーウ!」
「ダメだよ、シンドリッタ。そんな弱気じゃ町を守れないよ」
「いや、弱気とかじゃなくて嫌気だし。というか何故に雪希ちゃんはノリノリ?あぁ!お願い!元の雪希ちゃんに戻って!!またいつかのように2人でかたぎの世界にね、ね?」
「うぅ、ごめんなさい、私はもう戻れないの」
「そ、そんな、雪希ちゃん、まだ遅くはないよ!」

さめざめと泣く雪希ちゃん。血でも混じっているのか、その涙はうっすらと色づいている。よほど辛いのか。
説得すれば先輩が帰ってくる前に帰ってもらえるかもしれない。

「うぅん、もう遅いの。だから、だから」
「雪希ちゃん!」
「だから!さぁ、進藤さんもご一緒に?」
「うわ、『せめて進藤さんだけでも逃げて!』とかじゃないんだね…」

夢は散った。やはりノリノリらしい。当然、涙に見えたのはみかん汁なわけだった。
なんだかんだで雪希ちゃんは、10個目のみかんに手を伸ばしつつも、私を勧誘する。

「お兄ちゃんもきっとシンドリッタの活躍を待ってるよ?」
「先輩が待ってるのは普通の私…のはず」

最近自信を持てない自分が悲しい。恐るべし、まじかるの呪縛。

「あれ…そういえば、何で私進藤さんを諭してるんだろう…何か違う…うぅ頭が…あぁ…
 …うん、頑張ろうね、シンドリッタ♪」
「やっぱ洗脳!?」
「あはは、ごめんごめんシンドリッタ。冗談だよ」
「あながち冗談でもないような…はぁ、もう仕方ないかぁ」

先輩、せっかくの2人きりでしたが、今日はダメそうです。ごめんなさい。









12月のとある日。

まじかるについて真剣になった、そんな日のこと。


「こうして、まじかる☆シスターズは今日も仲良く町の平和を守ります。めでたしめでたし」








「待ったァ!いきなり締めないで下さいよ!!しかもなんデスかそのナレーション!」

何故に私が改心してまじかるに真剣になって終わる、なんて落ちをせないけないのか。
断固拒否。あきらめただけで真剣にはなりえないというに。

「あきらめたらそこで試合終了だよー。さぁ、みんなで困った人をたすけようねー」
「そうそう、きっとそろそろお兄ちゃんか清香さんあたりが困る頃合だし」

2人は揃ってお茶を啜りつつ言う。

「いや、あきらめたらって使いどころ逆だし、地の文読んでるし、雪希ちゃんそれを言っちゃお終いだし。あぁ、もうナニからツッコめば良いのやら」
「とか言いつつちゃんとツッコんでるね」
「さすがだねーシンドリッタ」

2人は揃って羊羹を食べつつ言う。

「って!さりげなくうちの食料荒らさないで下さい!」
「あはは、つい」
「腹が減っては戦はできないから仕方ないよー」
「ああもういいです。はぁ、先輩早く帰ってこないかな」
「うん、駅前のデパートにしては遅いね」
「るんらら〜」

と、ひよりんが意味不明な発言をしたそのときだった。例のあアレだ。

―――…った、困っ…よ…

「ハッ!?今のは!展開が急な気がするけど、ひよりん、雪希ちゃん!」
「うん、さぁ、みんな出動だよー」
「うん!」

私はひよりんの差し出したコスチュームを手に取ると、急いで着替えていく。
雨にも負けず風にも負けず、北、いやどこにでも、困った人がいれば行って助けてやらなければならないのだ!

「あれ、私も既にまじかるの呪縛にバッチリかかってたし」
「最初は途惑うけどすぐに馴染むよ」
「みんな成長したねー」

逆成長がしたい、と遠い目をしたそのとき、またも悪魔の声が聞こえてきた。

―――困ったー困ったよー

助けを求める声が、否が応にも心をまじからいず☆してしまう。

―――困ったーさつきのどうしようかなー

「こ、これはまさか先輩!…ってまぁ大方の予想通りですが」
「進藤さん、それを言っちゃお終いだよ。私が言うことじゃないけど」
「健ちゃんだねー」
「あー私の名前言ってますね、なんでしょう」

お約束パターンにめげず、てこずりながらもリボンを結んでいく。
おそらく先輩は夕飯の買い物で困っているのだろう。

「お兄ちゃんが、進藤さんで…まさか、いやきっと…」
「あれ、どうしたの、雪希ちゃん?」
「いいい、いや、なんでもないよ、うん…きっと…」

しかし、出かけてから既に一時間以上も経っている。先輩も大概優柔不断だ。
どうせいつも雪希ちゃんに任せっきりだから、何をすれば良いのかわからないのだろう。
私は愛があれば満足だというに。

「じゃあ、ひよりん」
「うん、いってらっしゃーい」

いや、待てよ、愛ときたか。一瞬、私の頭を不吉なものがよぎる。
二人きりの夜にあの先輩が何も考えていない筈が無い。私は思わず手を止めた。

「しかし、いくらなんでも。いや、先輩ならありうる!」
「ねぇ、シンドリッタ〜」
「先輩、そんな、いけません!あ、そこは!18歳未満の方だって見てるんですよ!?あぁ、そこに盛っちゃ嫌〜。○体盛りは非衛生です、あ〜れ〜、って、ありえないありえない。だってこの気温だし。いや、『俺の愛で暖めてやるぜ』ですと!?もう、先輩のえっちー!!」
「シンドリッタ〜聞いてよぉ」
「もう、先輩のそういうところぜんっぜん治りませんねー。でも嫌いじゃないです…ってなに言わすんですか、もう。うふふー」
「うぇ、うぇ、シンドリッタのぉ、ばかー」

ぶん!ぶん!と、いきなり何かが風を切って横切った。

「ってハンマー!ひよりんハンマー!振り回したら危ないって!」

気付けばひよりんがまじかる☆ハンマーを振り回していた。
蘇る悪夢。所構わず振り回されるハンマーはついに愛しのクリオネの水槽に…

「ギャーッ私の魂がァ!!ストップストップ!ひよりんストーップ!!」
「あ、シンドリッタ、気付いたんだねーよかったよかった」

ピタリ、とハンマーは止まってくれた。危機は去った。

「もう、なんなんですか、一体」
「うんとね、雪希ちゃんは先に行っちゃったよ?わたしももう行くねー。シンドリッタも変身したら急いでね?」
「はーいわかりました〜。でも、自分のコーディネートに口出して良いのかな…」
「じゃあいってきまーす」
「いってらっしゃーい」

そうしてひよりんは先輩の元へ向かって行った。私はこたつにもぐりこみ、どうするべきか考える。
盛り付けへの口出し、それは片瀬シェフの機嫌を悪くするに違いない…。

「いや、待て私。本当に女体○りなのか!?冷静になれ!整理しよう。先輩はデパートへ行った。私に関することで困っている。そして今日は12月のとある日。クリスマスを目前に控えた特別でないただの一日のはず…」

私は困ったときの一休さんポーズをとりつつ考える。ぽくぽくぽくぽく…。
そう、決してロザリオなんて授与されないはず…。うん、授与…?あげる?プレゼント?クリスマスで?

「ちーん!って私はアホかー!!私へのクリスマスプレゼントに決まってるし!盛りってなんなんだー!!」

自分の間抜けさのあまり、がばっと起き上がリ叫んだ。それはもう後ろにタイガーのビジョンが見えるほど。
とはいっても、分かったところで私が出る幕ではない。自分のプレゼントに口は出せないから。
しかし、そのまま壁にもたれてふと思った。
ひよりんはろくなアドバイスしなさそうだな。そして雪希ちゃんは私をまじかるの道へ引き込みたがってたな…と。

「ど・う・す・れ・ば・い・い・ん・だ」

思わず頭を抱え込む。ヤヴァイ、ヤヴァ過ぎる展開に頭が真っ白になりかけた。
彼女らに私のプレゼントを決定させたら一体どうなってしまうのか。ろくでもないことは確かだ。
どうなってしまうか、考えろ。いや、感じるんだ私!

「いまだ、秘技、まじかる☆シンパシー!」

説明しよう。まじかる☆シンパシーとはその名の通り、他のシスターズと精神を同調させ、考えを読みとる(ことが出来たらステキな)技だ!

――@ワレ〜‘ワレ〜ハ〜)ウ厨。~£ジン〜〜ダл
――ゝ〜シ〇ネ(。〜カトウ〜セб】イブツメ〜(Σ〜〜

だが、上手く聞こえない。でも大丈夫、こういうときは叩いて治すに限る。
そういうわけでハンマーで頭を…

ガツン☆

「あばっ………ガクリ」




 夢、夢を見ている。
 妙な格好をした2人の女がほくそえむ夢。
 ――お兄ちゃーん、進藤さんはまじかるの聖地、ユカタン半島以下略で修行したいって、にゃうーん
 ――健ちゃーん、シンドリッタは新しいコスチュームが欲しいそうだよ、にゃうーん



「はぅあ!さ、させるかー!!」

気絶している場合ではない。私はすぐに立ち直り、とりあえず途中だった変身を完成させる。
なんとしてでも止めなければならない。
どうしてせっかくのクリスマスにまじかる☆満貫全席でなければならないのか!
ふっ、坊やだからさ、とかいう問題ではない。これは私、進藤さつきの人生最大の危機。
これはもう否応無く、確定的に、断固阻止しかないのだ。
しかし、まじかる☆シスターズの末娘である自分が姉二人を相手にするのは芳しくない。

ならば、

「私はまじかる☆をやめるぞひよりーん!」

そばにあったおばあちゃんの黒ケープ、黒手袋をおもむろに手に取り、装着する。
自分はもうまじかる☆ではない。

「私は闇の魔法使い、まじかる★シンドルモート…愚かなるまじかる☆どもに悪の裁きを!ハーハッハッハッ!」

私はそのまま表へ出ると、2人に追いつくために愛馬の元へ足を向ける。

「さぁ、行くぞ黒王号、まずはひよりんだ。レディ、ゴー!」

で、ギーコギーコと音を立てて自転車を走らすのであった。







そして、400メートルほど走っただろうか。ついにターゲットを発見した。

「ぜぇ、ぜぇ、黒王号ももう年か…手綱が重い。しかし、見つけたぞ、ひよりん!」」

ひよりんはのんきにも道をるんららぁと歩いていたが、私の声に気付き、振り返った。
距離はおよそ5メートル。

「シンドリッタ?どうしたの、あ…その格好は…まさか…」
「フフフ…私はもはやシンドリッタではありません。だが名乗る時間すら今は惜しい。速攻でカタをつけさせてもらいます!」

そう言い放つと私は愛馬から飛び降り、杖を持って走り、ひよりんとの距離を詰める。

「うぅ、まずいよぉ、このままじゃやられ役がわたしになっちゃう」
「遅いぞ、ひよりん、くらえ!」
「やるしかない、え〜い」

お互いに杖を向け、必殺の呪文の詠唱に入る。

「ぴんぷるぱんぷる…」
「やはり遅い!喰らえ、ヴィクトリーム・メロンよ来い!」

一瞬だった。ひよりんの詠唱は長すぎる。一足も二足も早く完成された私の呪文がひよりんに襲い掛かった。

ひゅるるるるぅ〜ゴチン★

「にゃうん!?」

メロンだ、メロンがひよりんの頭に振ってきたのだ。
何処からとも無く(横に佇む八百屋からな気がしなくもないが)突然現れたそれは確実にひよりんの脳を揺さぶった。しかも、それだけじゃない。

「あぁ、私の上でメロンが八等分されている…?う、これは」

ひよりんはメロンを手に取り、おもむろに口につける。

「むしゃむしゃがっがっがっがっ…」

もはや勝負はついた。だが念のために聞いておく。

「ひよりん、どうですか、そのメロンは?」
「Catch my heart very melon」

文法はむちゃくちゃだが無駄に発音の良い英語での返答。勝った、第一部完!

「さて、次は雪希ちゃんか…」
「…うぅ…美味しいよぉ…あぁ…王子様、王子様ぁ…」

ひよりんは意味不明なことを呟きながらメロンに夢中になっている。そんな彼女にもはや興味はなく、私は愛馬の元へ戻リ、乗り込んだ。

「はいよーシルバー」

そうして愛馬の名前に微妙に違和感を感じつつ、私は雪希ちゃんの元へ向かった。










「この感じ…ひよりんはやられちゃったんだ」

某時刻、駅前デパート前、まじかる☆雪希は近づきつつある脅威を感じていた。

「全速力でお兄ちゃんの元へ向かえば出し抜けることは出し抜ける。でも、それでいいのかな」

確かに自分の望みは果たせる。しかしデパートに、最悪、愛しい兄に被害がでてしまう。それもかなり。
それほど今のシンドリッタは脅威なのだ。だから、雪希はこう結論した。

「私、戦うよお兄ちゃん…絶対にシンドリッタを止めてみせる。私、負けないよ!」

ここに、まじかる☆雪希の長い戦いが幕をあけた…





「いや、待って。私がすごく悪役に見えるんだけど」
「あれ、違ったっけ、シンドリッタ」

デパート前でぼうっとしている雪希ちゃんを見かけたのは5分ほど前。
しかし雪希ちゃんがあまりにも自分の世界に浸っているから、声をかけ損ねていたのだ。

「でも、早かったね?まだひよりんがやられて数分も経ってないよ」
「雪希ちゃんの情報が遅すぎるんだよ…」
「あはは…ぽんこ通信だもんね…」

デパート前にやる気の無い空気が流れる。真に恐るべきはぽんこつか。

「あぁ、はいはいっ。気を取り直して本題にはいろうか」
「う、うん、そうだね、負けないよ〜」
「いくよ、初代まじかる☆を倒したまじかる★の力を見せてあげる」
「出藍の誉れという言葉を知らないのかな…お兄ちゃんの元へ行くのは、私だよ」

だんだんと空気が張り詰めていく。ぴりぴりとした空気が肌を刺す。
お互いに得物を構え、必殺の瞬間を狙い始める。
雪希ちゃんの必殺武器は言わずもがな、まじかる☆怪光線。遠距離が彼女の間合いだ。
一方の私にはドリル。近距離が間合い。いかに距離を詰めるか、それが勝負の鍵だ。
じりじりと時間が流れ、つっと汗が額を撫でた。
私はぐっと足に力を篭めて機をうかがう。

そして、その瞬間はきた。

「いざ」
「尋常に…」

「「勝負!!」」

掛け声と共に、私は空高く飛び上がった。そして雪希ちゃんへ向けてドリルを突き出す!

「ロードローラーだ!!」
「クッ!まじかる☆怪光線!!」

思いがけない上空からの攻撃に雪希ちゃんは避けることも出来ず、思惑通り光線での迎撃を選んだ。
そして、光線とドリルが激しくぶつかり合う!

「重力を味方に押し切ってみせる!」
「踏ん張りの利かない空中で防ぎきれるわけが無い…えーい!!」

グッと光線の圧力が強まった。ドリルを支える手がしびれる。だが!

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄…!」
「くぅ、重い、でも負けない!私が一番上手くまじかるを扱えるんだからぁ!!」

一秒また一秒ごとにドリルが光線を裂き、雪希ちゃんの体が沈んでいく。
私の腕も限界が近い、だが、その前に、押し切る!

「こなくそぉー!!」
「い、いやぁー!」


カッとあたりを閃光が包み込んだ。


続く静寂。


そして、閃光と砂煙が晴れていく。


そこに立っていたのは、

「雪希ちゃん、あなたは強かった」

私。私がボロ雑巾のようになりつつも、立っていた。紙一重だった。
その足元では強敵が倒れ臥している。

「うぅ…お兄ちゃん…銀座、銀座がぁ…」

もはや雪希ちゃんは正体不明。これでまじかるは全滅だ。

「あぁ、先輩、あなたのさつきは見事勝利しましたよ…」

そして、私はエンディングを目指し、困ったよ〜発信源へと向かって行くのだった。







その扉をあけると、寒空の下に彼はいた。

「先輩!!」
「さつき!?」

ここはデパートの屋上。先輩は悩んだ挙句疲れ果て、休憩していたらしい。
私はそんな彼の元へ駆け寄った。

「先輩、よかった、無事ですね…」
「状況はよくわからんが、ちょうどよかった」
「え?」

先輩は急に真摯な目つきになった。私の肩を抱き、顔を近づける。

「ずっと、悩んでたんだ。でも、どうすればお前が喜んでくれるか全然わからなくて」
「せ、先輩…」
「それでな、結局下手に考えるより、本人に聞くのがいいかなってな」

先輩の好意がひしひしと伝わってくる。なんだか幸せだった。
冬の夕空の下、ここだけが切り取られたかのように暖かかった。

「男としてそれはどうなんだって気もするけどさ、お前がよければそんなことは関係無いんだ」
「先輩!」
「さつき!」







――カレーの王子様と銀座カリーどっちがいい?






――ガクリ








12月のある日。特別でないただの一日。

実はそんなオチだと思っていた、そんな日のこと。

結局王子様になった、そんな冬の物語。







「「こうして、今日もまじかる☆シスターズは大活躍でした。めでたしめでたし」」