12月23日 北海道某所
「寒い・・・・」
一人の少年がつぶやいた
その少年は駅の入り口で誰かを待ているようだった
しかし少年の格好はいろいろな意味ですごいものだった
北海道・・・・しかも真冬だというのに薄手のセーターにジーパンだけである
しかも手には大きめの旅行かばんと何故か竹刀を持っている
「こないな・・・・・冬姉・・・・・約束の時間からもう30分経ってるんだけれども・・・・・」
少年がそうぼやいていると空から白い粒が落ちてきた
「雪か・・・・・」
始めはちらちら降っていたがすぐに本降りになってきた
「・・・・仕方ない無駄だとは思うけど・・・・・」
そういうと少年はポケットから携帯電話を取り出してどこかに電話を掛け始めた
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
「でないかやっぱり・・・・あの人携帯に電話が掛かってきてもでないみたいだからな・・・・・」
そういうと少年はあきらめて切ろうとしたその時
ピッ
「もしもし神吾だよね?」
少年にとって聞きなれた声が聞こえてきた
「冬姉!・・・・よかった通じた」
「どうしたの突然電話してきて・・・・」
「如何したのじゃないよ・・・・1時に駅に迎えに来てくれるって言ったじゃん」
「えっ!!神吾来るの来週じゃ・・・・・」
「・・・・・・今日だよ」
「うそ〜〜〜〜〜〜!!!!ゴメン神吾今すぐ迎えに行くから」
「急いでくれ・・・・このままじゃ凍っちまうよ」
「あははは、そんなことはないから」
「分かったから・・・・急いでくれ・・・・マジで」
「あはははゴメンゴメンじゃあ10分だけ待っててね」
ピッ・・・・ツーツーツー
「はあ」
少年はため息をつきながら携帯電話をポケットにしまった
「あの人は相変わらずだな・・・・でもそこがあの人のいい所の一つでもあるんだよな」
そういって少年は雪が降ってくる空を見上げた
少年が見た空は次々降ってくる雪の所為だろうか真っ白にみえた
その少年の一人の女性に対する想いのように・・・・・・・・・・・・・
SNOW DAYS 〜思い出のクリスマスイブ〜
12月20日
少年高宮 神吾は自分が通う剣道道場で稽古をしていた
「はぁ!はぁ!はぁ!」
ヒュ
ヒュ
ヒュ
掛け声と共に何度も竹刀を振り下ろしそのたびに空気が鋭く裂かれる音がする
そして神吾が竹刀を振り下ろすその姿はとても凛々しいものだった
「カッコいいよね神吾先輩って(うっとり)」
「うん、やっぱり全国の高校生の中でも五本の指に入ると言われてるだけあるよね(うっとり)」
神吾の後輩に当たる二人の少女はうっとりとした表情で神吾に見とれていた
神吾自身は想いの人がいるので全く気づいていないのだが彼はこの二人の少女だけでなく多くの少女に想われている
「神吾今日の稽古はそれ位にしておけ」
神吾は自分の尊敬している先輩であり剣道の師匠でもある佐藤
誠に言われたことにびっくりして素振りをするのをやめた
「何でですか先輩?まだここを閉じなきゃいけない時間じゃないでしょう」
「お前が今素振りをしていた時、心ここに在らずって感じで全然素振りに集中できていなかったからなそれでだ」
「・・・・・ばれましたかさすが先輩ですね」
神吾はふぅーとため息をついた
「実は色々やらなければならない事があって1週間位休もうと思っているんですけど大会が近いのに
そんなことを許してもらっていいかなと思って」
「いや良いぞ、どうせこのままじゃお前の真の力が発揮できそうにないからな」
「すいません師匠」
そういって神吾は深々と一礼をした
「いや、誤る必要は無いぞむしろそんな事でいちいち悩むな、オレや他の師範代たちや師範は事情があるのに
それでも剣道だけをやれっていうようなタイプではないからな」
「・・・・・ありがとうございます師匠」
神吾がそう言うと誠は少し笑った
「お前は本当に律儀だな、まっそこが良い所なんだけどな・・・・・それからな神吾」
「はい?」
「師匠って呼ぶのは止めてくれ結構恥かしいから」
「すいません・・・・・でも自分にとってあなたは尊敬できる人であり目標でもあるんで
やっぱり師匠と呼ばせていただきます」
神吾は真剣な表情できっぱりと言った
「はぁ・・・・・分かったよ師匠と呼んでもいいぞ」
こういう状態の神吾は絶対引かないと誠は知っていたのであきらめることにした
「さてと神吾、今師範いないから帰ってきたらオレから言っておくからお前もう帰って良いぞ」
「本当にありがとうございます師匠」
そういうと神吾は素早く着替えを済ませて道場を後にした・・・・・
30分後
ガチャ
「ただいま」
玄関のドアをすごい勢いで開けて入ってきた神吾はそれだけ言うとそのまま一目散に自分の部屋に入っていった
「おかえり〜・・・・・ってちょっと神吾」
そう言いながら部屋に入ろうとする神吾の後を追っていく神吾の母親である高宮 春奈
「何母さん?オレ忙しいんだけど」
「あんたなんでこんなに早く帰ってきたのまだ剣道の練習している時間でしょまさか怪我したとか・・・・・ってそんなふうには
見えないわね」
「それが・・・・・やらなきゃいけない事が出来たから早めに帰ってきたそれから1週刊休みをもらって来た」
「えっ!うそあんなに剣道が好きな貴方が・・・・・」
「確かに剣道は好きだけど・・・・・それよりも大切なことが有るんだ」
「大切な事って何なの?神吾」
「・・・・・ごめん今はまだ言えない」
そういうと神吾は何処かに電話を掛け始めた
プルルルル・・・・
プルルルル・・・・ピッ
「もしもし夏海おばさん?神吾だけどこの前言ってた件オレがいくから・・・・・うん大丈夫だからそれじゃ」
ピッ
神吾は電話を切るとすぐまた別のところに電話を掛けはじめた
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
しかし今度の相手は今度の相手はなかなか電話に出でくれないようだ
「うーんやっぱ繋がらないか・・・・」
ピッ
そういうと神吾は携帯電話を切った
「それから母さんオレ今日から1週間冬姉の所に行ってくるから」
「えっ!!突然何言ってるの冬美ちゃんに迷惑でしょ・・・・・もしかして大切なことって冬美ちゃんに関すること?」
「・・・・・ごめん母さん行って来ます」
そういうと神吾は近くにあった大きめの旅行かばんと竹刀を持って春奈を避けて玄関から飛び出していった
「ちょっと待ちなさい神吾!!」
春奈は必死に後を追ったがしかし日ごろから鍛えている神吾の足には追いつけずどんどん離されていった
「ハア・・・ハア・・・」
1キロぐらい走ったところで春奈は神吾を完全に見失ってしまった
「もう・・・・神吾ったら何を考えているのかしら?・・・・・・そういえば夏海に電話してたわね」
それに気づいた春名はすぐに家に戻り妹である藤井 夏海に電話を掛けた
プルルルルル・・・・ガチャ
「もしもし夏海?春奈だけど」
「姉さんなの?久しぶり如何したの何か声が少し荒々しい感じだけど」
「それが神吾が冬美ちゃんのところに行くって家を飛び出していったのよあなた何か知らない?」
「えっ!!・・・・それじゃあ神ちゃん姉さんに何も話してないの?」
「・・・・・」
「・・・・・話してないみたいね」
「夏海何が起こってるのか教えて頂戴」
「うーん・・・・実はね大学で冬美と同じサークルの人から2週間位前に電話があってね冬美さんが全く顔見せないですが
何かあったんですか?って聞かれたのよ私もびっくりしてすぐに冬美の携帯に電話したんだけども全然でなくてそれで様子を
見に行こうとしたら冬美の方から電話がきたから何かあったの?って聞いたんだけども何も教えてくれなくて仕方がないから
私の方から会いに行って直接聞きに行こう思ったんだけど仕事が忙しくなって行けなくなって仕方がないから姉さんに様子を
見に行ってもらえないかと思ってこの前電話を掛けたら神ちゃんがでて事情を話したらじゃあ母さんに伝えておきますって
言ってくれたから姉さんからの返事を待っていたんだけど、ついさっき神ちゃんから電話があってオレが行くからって言ってきて
姉さんに許可は取ったの?って聞いたら大丈夫って言ったからてっきり姉さんも全部知ってると思って任せちゃったのよ」
妹の話を聞きながら春奈は考えていた何故神吾は行きたかったのかを
「それでね姉さんその・・・・神ちゃんの事怒らないであげてねお願いだから・・・多分冬美が心配なだけだったのよ」
「まぁ別に始めから怒る気は無いんだけど何で神吾は自分で行きたかったのかしら・・・・・・」
春奈は自分の抱えている疑問を妹にも話してみた
「多分だけど・・・・神ちゃん冬美のことが好きなんだと思う」
「えっ!・・・・・確かにそんな感じはあったわね・・・・でも確か冬美ちゃんには彼氏がいたわよね?」
「ええ高校からの付き合いでたまに家にも来てたわそして神ちゃんもその事は知っているはずよ・・・・」
春奈たちがいろいろ話していたころ神吾は冬美の通う大学に向かっていた
何故神吾がそこに向かっているかというと彼は冬美に何があったか知るには大学で色々と情報を集めるべきだと思ったからだ
始めは直接冬美に聞こうなんてのも考えたが叔母さんにも教えてくれないんだから自分には教えてくれないだろうと却下した
「さて、着いたか・・・・」
そういう神吾の前には冬美の通う大学の校門が見えていた
「じゃあ始めますか」
そういうと神吾は行動を開始した
その辺にいる大学生を捕まえては冬美の弟だと言って色々と冬美の事を聞いていった
1日半かけて神吾は大学内で冬美が大体どのように思われているか分かった
大学内で冬美は明るく元気で少し間の抜けた所はあるがそこを含めてとても可愛いと評判だった
陰口を言うものも殆どおらずいたとしてもひがみ程度だった
しかし一つだけ嫌なうわさを聞いた
それは冬美が無理やり犯されそうになった
しかもそれが彼氏である渡辺 透の手引きによってというものだった
だが神吾はその噂を信じていなかった
如何してかというと昔あった時透はそんなことする様な人に見えなかったというものだった
「ふう」
神吾はホテルのロビーでため息をついていた
「もうホテルには泊まれないか」
そういって神吾は自分の財布の中身を確認する
いくら普段無駄にお金を使っていないといっても剣道ばかりやっていてバイトをしていない高校生である神吾の財布には
後4000円位しか入っていなかった
「こうなったら・・・・・」
そういうと神吾は携帯電話を取り出して何処かに電話を掛けはじめた
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
「頼む出てくれ」
神吾は祈るような気持ちで呟いた
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・
「・・・・もしかしてあの人誰かがかけてきてもでないのかな」
プルルルルル・・・・ピッ
「もしもし」
「もしもし冬姉?」
「冬姉って呼んでくるって事はもしかして神吾?」
「ああそうだよ久しぶり」
「うん、久しぶりだね元気だった?」
「ああ元気だよそれでお願いがあるんだけど」
「うーん用件によっては聞いてあげるよ」
「実は明日冬姉の家に泊めて欲しいんだ」
「えっ!どうして?」
「えーと・・・・その・・・・今家出してるんだ母さんとちょっとけんかしてだから泊めて欲しい」
神吾は自分でもいくら何でもこれは無茶かなと思った
しかし所持金が無くなってここに滞在ができなくなってしまう今
これによって冬美の所に行き直接理由を聞いてみるしか神吾には方法は無かった
「・・・・・いいよ」
「えっ!本当」
「うん神吾が変なことをしなきゃね♪」
「なっ!そんなことしないって!」
神吾は顔を赤く染め動揺しながら答えた
「ふふどうかな〜♪」
しかも冬美にその動揺を悟られてしまっていた
「冬姉!」
「冗談だよ♪それじゃあね明日の午後1時に駅の入り口に迎えに行くからそこで待っててね」
「わかった・・・・・冬姉ありがとう」
「別にいいよそれじゃあ明日ね」
ピッ
ツーツー
冬美が電話を切ったのを確認して神吾は携帯電話をポケットにしまった
「じゃあ明日に備えてね寝ますか」
そういって神吾は部屋に戻っていった
再び12月23日
「ごめんね神吾遅れちゃてでもなんでそんな薄着でいたの?」
遅れて迎えにきた冬美の軽自動車に乗って冬美の家に向かう最中冬美は神吾に尋ねた
「えーと実は・・・・オレが家出を始めたのは3日前で厚着の着替えがもう無いんだ」
「えっ!じゃあ今迄は何処にいたの?」
「ホテルに泊まっていた」
「へーそうなんだよくお金あったね」
「まあなんとかでもそれももう無くなっちゃたから・・・・」
「それで私に泣き付いてきたんだ」
「いや・・・あの・・・その・・・・・・はい」
「ふふふ別に良いんだけどねそれで何日くらい泊まる気なの?」
「その2日程・・・・」
「うん分かった♪それなら良いよ」
神吾は少し疑問に思った
「透さんは?クリスマスなのにいいの?」
「・・・・・透とは別れたよ」
先程までの明るい表情を一変させて冬美は答えた
「・・・・ゴメン冬姉」
「いいよもう結構前の事だから」
車内を一瞬の沈黙が包んだ
「・・・・でもいいよ今年は神吾が一緒にいてくれるんでしょえへへ何だか恋人同士みたいだね♪」
「(/////)」
神吾はそのままここに来た本当の目的を忘れそうになったが
冬美の家に着き部屋まで入った所で何とか思い出した
しかしなんだかんだで冬美のペースに巻き込まれてしまい
何も聞けないまま夜寝るときにになった
「じゃあオヤスミ神吾」
そう言って冬美は自分のベットに入っていった
ついでに神吾はそのベットの近くの床に毛布を借りて寝ることになった
「オヤスミ」
そういって神吾も毛布をかぶって目をつむった
しかし神吾は眠れないでいた
すぐ其処に冬美が寝ていると思うと気になってしまい
どうしても眠れなかった
「眠れないの?」
冬美がベットから顔を覗かせてきた
「ちょっと色々考えてて」
「お母さんと喧嘩したした事?」
「それも含めて色々と・・・・」
「ふーんで問題が解決できるいい方法は考え付いた?」
「いや・・・・・でも必ず解決してみせるよ」
神吾は冬美の目を見ながら言った
「うん♪がんばってねそれじゃあ私は本当に寝るから」
そういうと冬美は出していた顔を引っ込めた
「・・・・・本当に考えていたのは冬姉のことだよ」
神吾は冬美に聞こえないようにそういうと多分眠れないだろうなと思いながらも再び目をつむった
12月24日
神吾は冬美より先に起きていた
とりあえずボーっとするどうにか頭をどうにかしようと立とうとした
しかしボーっとしている所為か見事に転んでしまった
「きゃ!!」
冬美の寝ているベットに・・・・
「あっゴメン(////)」
「だ、大丈夫だから(////)」
赤面してしまう二人とりあえず神吾はすぐにどいて顔を洗いに行った
「ヤバイ・・・・本当に目的忘れそう」
そんなことを呟きながら顔を洗う神吾
洗い終わり部屋に戻ると冬美にじーっと睨まれた
「な、何・・・さっきの事だったら本当に御免」
「その事はとりあえずいいよそれより今日どこかに行かない?クリスマスだし」
「えっ!いいけど・・・・」
「よしじゃあ今日はいろんなとこ行こう」
そういうと冬美は顔を洗いに洗面所に行った
「冬姉と・・・・デート・・・・」
すでに頭の中から本当の目的は消えていた
7時間後
「ハア・・・・」
神吾は疲れきっていた
何故かというと冬美が神吾をいろんな場所に連れ回したからだ
始めはショッピングに連れ回し
次に遊園地に行き色々な物に乗った
そして今はカラオケ歌っている
「ははは神吾どう楽しい♪」
「ああ・・・・」
「ん〜疲れてるかなじゃあ次に行くとこで最後ね♪」
「分かった」
冬美がそう言ったので神吾は疲れきっていたが最後の力振り絞ることにした・・・・
二人がカラオケボックスを出ると雪が降ってきていた
歩いていて神吾はここに来た目的を思い出した
そしてやらなきゃいけないと思った
「冬姉!聞きたいことがあるんだけれど」
「んっ何?」
「あの少し前大学休んでたでしょ?どうして?」
「・・・・何で神吾が知っているの?」
「その・・・・」
神吾はここに来た本当の理由を話した
「そうだったんだ・・・・」
「うん・・・・」
「話してあげるよ・・・・今向かってる場所に着いたら」
冬美がそういったので神吾は黙って着いていった
30分ほど歩いたら何も無い寂しい公園に着いた
「ここは?」
「・・・・透と別れた場所」
「えっ!」
「そしてそれが大学を休んだ理由」
「・・・・・・冬姉本当にそれだけ?」
「えっ!」
冬美は驚いた顔をして神吾を見た
「オレ冬姉の大学にいって聞いたんだ噂を・・・・」
「・・・・どんな?」
「透さんが冬姉を別の男に襲わせたって」
「・・・・それはね嘘だよ私のついた・・・・」
「えっ!」
神吾も驚いた表情をした
「何でそんなうそを・・・・」
「透がね私に飽きったっていったの・・・・・始めは何かの冗談だと思ったんだよでも透は本気だったそして別れた」
「・・・・そうだったんだ」
「だから私少し仕返しがしたくなってあんな嘘を流したの・・・・ひどいね私」
そういった冬美は泣き出していた
「そして私は人と一緒にいる事を拒むようになったの・・・・・で大学にも行かなくなった」
「そうだったんだ・・・・じゃあ何で今日はオレと一緒にいたの?」
「・・・・理由は無かったただ昔と変わらない神吾がいたからそれを見たらうれしくなっちゃたから」
「冬姉・・・・」
「御免ね迷惑だったよね・・・・」
「迷惑じゃないよ」
そういって神吾は冬美を抱きしめた
「神吾?」
「オレ実はここに来た理由もう一つあるんだ」
「・・・・何?」
「冬姉が好きなんだ・・・・」
静かにしかしはっきりと神吾は言った
「・・・・うれしいよ・・・・けどダメだよこんな嫌奴の私じゃ・・・・」
「嫌な奴じゃないよ冬姉はただ少し間違いをしただけだよ間違いは直せるよ」
「やさしいね・・・・神吾・・・・でも・・・・」
「じゃあ冬姉はオレのこと嫌い?」
「好きだよでも・・・・」
「好きならいいじゃん・・・・オレは冬姉のことが好きで冬姉もオレのことがすきそれだけで」
「神吾・・・・」
冬美はまた神吾の顔を見た
「神吾が・・・・神吾が本当にこんな私を好きで・・・・一生一緒にいてくれるって言うんなら私は神吾と一緒にいたい」
「オレだって冬姉が一緒にいてくれるんならずっと一緒にいたい」
「神吾・・・・」
そういうと冬美は瞳を閉じた
そして神吾も瞳を閉じて
自分の唇を冬美の唇と重ねた・・・・・今二人は恋人同士になった
雪が降る中
二人の男と女は歩き出した・・・・一緒の道を
二人が選んだ道は険しいものかもしれない
もしかしたら一緒に歩けなくなるかもしれない
しかし
そうだとしても今は・・・
今だけは・・・・
二人は未来に期待を持ちながら歩いていく・・・・
二人一緒に白い何も無い道を・・・・・・・・・・・・・