大祓は6月と12月の晦日に執り行われる生活の節目としての大切な神事です。
人は誰でも知らず知らずの間に溜まった心の曇りや罪穢れを神事で祓い清め、大祓詞(おおはらいことば)を宮司と共に唱え、切麻(きりぬさ)を撒いて無病息災を祈願し、最後に茅の輪をくぐります。
茅の輪は大きな鉄のリングに茅を巻き付けて作ります。茅は神社近くに自生しており所有者のご好意で頂戴し、宮司、神社役員皆様の奉仕で大祓神事が行われる都度作られます。
神事とは直接関係はありませんが、大祓の参列者には母智丘神社ならではの”特別なおもてなし”と云うのでしょうか、神社特製の肉煮込みうどんが振る舞われるのです。
だし汁はほどよくコクがあり、他ではなかなか味わう事のできない美味しいうどんなのです。
この肉煮込みうどんは、崇敬者の奥様方と宮司の奥様が前から準備し丹精込めて作り、笑顔で皆さんに振る舞っています。
うどんを食べながらのひと時、いろいろ話が弾むのも大祓の楽しみの一つになっています。
父は長年当神社の役員をして104歳で他界しましたが、「俺が10年若かったらこのうどんで商売をしたいよ!天下一品!何しろ美味いんだよ」が口癖でした。
皆さんも大祓にお出でになり是非うどんを召し上がってください。本当においしいですよ。
大祓で肉煮込みうどんが振る舞われる謂れについて宮司奥様から伺いました。
お話によると、初代宮司であった黒木昇氏が大正8年、宮崎県都城市の神社から御霊を勧請しました。当時氏は長く巡査をしており、現在の相模原市南区相模大野付近地区一帯を担当しており、それが縁で南区近辺の崇敬者も多く、大祓などの神社行事には自転車などに乗って遠くから参拝に来られる為、そばを出してねぎらったのが始まりなのだそうです。
一時期を除き以来この習わしはずっと引き継がれてきましたが、2代目宮司の章氏が昭和40年代に現在の肉煮込みうどんを考案し、現3代目宮司亀氏にその伝統が引き継がれていると云うことです。
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