母智丘神社と詩吟



 閑静な住宅街のはずれに緑と清水の湧き出る市民憩いの公園、芹ヶ谷公園があります。公園に隣接した大樹に囲まれた静寂な佇まいの地に伊勢神宮に準えた総檜、銅葺屋根の神明造りの社、母智丘神社(もちおじんじゃ)が鎮座しています。
 御祭神豊受大御神は農耕の神として崇められ商売繁盛、子孫繁栄、安産の神として多くの人々から崇敬されています。
 また数年前から原町田七福神の弁財天(芸術財福の神)がお祀りされており、正月新春には初詣や七福神巡りで大いに賑わいを呈しています。

 母智丘神社とは先代の宮司と私の父の代からの長年のお付き合いで、このご縁で私も総代の一員として現宮司と親交を厚くさせて頂いております。平成6年に先代の宮司が作られた「朝 芹ヶ谷公園を歩く」があります。

早朝微雨過ぐ 淅瀝古松の枝 逝水緋魚跳らし
深山残りて此に在り


 淅瀝(せきれき):風雨や葉の落ちる音のもの寂しいさま



芹が谷公園

 早朝静かな芹ケ谷公園の池に緋鯉が跳ねる様を詠んだこの五言絶句の漢詩を4月に行われる神社例大祭に詩吟の仲間と合吟奉納させて頂きました。他にも奉納演芸大会には名槍日本号と黒田節を入れて民謡踊りの会と合同で吟詠をさせて戴きました。 

 
筆者は右から3人目

 また昨年の例大祭において、父が母智丘神社顧問を退任するにあたり感謝状を頂きました。車椅子の足腰の弱った父は(明治43年生102歳)感謝状を拝むように宮司から受け取った姿が印象的でした。
 久しぶりに皆さんに会えたこと、参拝出来たこと「長生きはするもんだなぁ、良いことがあるよ」と長年に亘り神社の役員を務め崇敬の厚い父は大変喜んでおりました。
 
宮司より感謝状の贈呈(満102歳) 

  一昨年の歳旦祭(11日)のときに総代代表が参拝の皆さんに新年のご挨拶をするのですが急用のため、私に代表代行を依頼されましたので挨拶の中で「富士山 石川丈山作」を吟詠させて頂きました。
 詩吟は神社の幽玄厳粛の式典のなかで、その雰囲気にも調和し、何か心に魅かれるものがあります。漢詩は心のふるさととも言われておりますが、それは私達祖先から受け継がれた
DNAのなかに在るのかも知れません。
 近年パワースッポトについてテレビや雑誌等で紹介されていますが、神社、仏閣、霊山など人々の心のより処として関心が高まっております。病気平癒や子宝安産、商売繁盛、受験合格祈願などのご利益そして心の癒しを求めて多くの人達が各地のパワースッポトを訪れています。
 これからも母智丘神社総代の一員として、そして詩吟を愛するものとして神社の繁栄とメンタルパワーをリンクして詩吟に生かされればと思っています



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