陶磁器の里:大谷焼

                     徳島県鳴門市大麻町大谷
 
                   大谷焼の里:窯元へのアクセス
                        (案 内 図)
        
                                  

徳島:大谷焼は、日本を代表する焼物(陶磁器)です。特に、藍で栄えた阿波の藍染め用
大甕(かめ)を製作し、産業発展に寄与したこと大です。現在では、大甕のほか芸術品・
日用雑器と幅広く製品が生産され、風格と素朴さがある製品として評価されています。
大谷焼は、8軒の窯元で構成されている。平成15年(2003)経済産業省の伝統工芸品に
指定
される。


歴史は、安永9年(1780年)江戸時代後期に、四国八十八カ所霊場巡礼に訪れた豊後の国
(大分県)の陶器焼物師:文右衛門が、大谷村で蟹ケ谷の赤土で陶器を作ったことが起源と
されているそうです。


陶器は、磁器と比べると次のような特徴がある。(学習百科事典「三省堂編修所編」による。)
@ 焼きが柔らかい。
A かけ口は、不透明で土状をしている。
B 生地は、吸水性がある。
C 生地は、うすい色をしている。
D たたくと鈍い音がする。
E 焼くと締焼(しめやき)といって、高い温度(約1,100〜1,300℃)で焼き、次に釉(うわくすり)をか
けて、やや低い温度(900〜1200℃)で焼く。
有名な陶器には、栗田焼・薩摩焼などがある。

磁器とは、陶磁器の1種である。
@ 純粋な陶土・長石・石英を陶器よりも高温(1,100〜1,450℃)で焼き上げたものである。
A ガラス質で、吸水性がない。
B 純白である。
C たたくと金属に似た音を出す。
有名な磁器には、瀬戸焼・清水焼・有田焼などがある。


陶磁器とは陶器・磁器・b器(せつき)・土器を含めた呼び名とのことです。
         生地に多くの穴があり、水を吸う。この生地の上に釉を施して焼いたものが陶器で、
       施さ ない
のが土器である。

                 矢野陶苑見学記
                          TEL 088−689−0006
 大谷焼:矢野陶苑では、堆積粘土で鉄分が多い萩原粘土、讃岐粘土、姫田粘土を主原料として
 います。

 姫田粘土、石灰、長石、珪石鉄等を調合した釉(うわぐすり)を使う浸し掛け、流し掛けにより釉掛
 けをします。


 主要工程は、次のとおりです。

 @ 粉砕 原土を採掘りし、乾燥させた上、細かく砕きます。

 A 
篩(ふるい) 砕いた土を、何段階にも繰り返し、細かく精製します。

 B 
水簸 精製した土を水槽に入れて、かき混ぜた上(攪拌)、別の水槽へ流し、篩で漉した後に
       溜め、
陶土を沈殿させます。陶土は、もり鉢に入れて、粘土状の固さになるまで放置します。

 C 土練(つちねり) 粘土状になった土を足で踏みながらから荒練りし、均一になるまで固めます。
        更に、手で揉んで粘土の中の空気を抜きます。菊練りというそうです。

 D 成形 土練り後の粘土を、ろくろに乗せて手で作品の形を作ります。大甕を作るときは、寝ろくろ
        
という技法を用いて、1人は手で、もう1人は、足でろくろを回して成形します。

 E 乾燥 屋内で陰干しの後、天日乾燥させます。
    *甕や鉢など大物製品・・・屋内で約20日 屋外2〜3日 *茶碗など小物・・・屋内約2〜7日
     屋外1日


 F 施釉 乾燥後の製品に釉薬を掛けます。素焼きをしないで釉薬を掛ける方法を生掛け(なまがけ)
       といいます。
       施釉の方法には、釉薬に器物を浸す「浸し掛け」、柄杓などで釉薬を流して掛ける「流し掛け

        があります。

 G 窯詰 素焼きをする場合は800℃で素焼きをします更に釉薬が終了後、窯詰めをします。

 H 焼成 800℃で素焼きをした後、1230℃位の高温で本焼きをしています。登り窯の場合5〜6日間
       昼夜
   電気窯・ガス窯の場合1〜2日間
       本焼きの温度が低いのは、大谷の土の耐火度が低いためだそうです。

 I
 検品 焼き上がりの製品を検査します。不良品は取り除きます。
 
 J 完成

                                                

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