サクラソウの実生法

 サクラソウは野生を元に江戸時代から数多くの品種が作られてきました。交配による実生です。現在でも多くの人が新花を作り出しています。そこで私も実生を試みて見ました。その結果を紹介します。

 普通の花では、なかなか先人たち銘花を越えることは難しいので八重咲のサクラソウに挑戦してみました。とはいえ始めから八重咲種を作出するのは困難なので加茂花菖蒲園の八重咲を利用することにしました。

 最初は「桃の舞」の実生をわずかにしました。結果は八重咲ではなく一重の花が咲きました。八重咲の遺伝子は劣性のようです。この花は丈夫な上、長柱花なので交配親に使うことにしました。戻し交配です。その結果今年は八重咲のサクラソウが咲きました。

 もちろん全てが八重咲では無く一重の花も咲きますが思った以上に八重咲が出ました。データを削除してしまい正確ではありませんが6割が花を付け、うち4割が八重咲きでした。ジベレルリン処理をして播種すれば10ヶ月足らずで花を見ることが出来るので交配としては手軽です。

 私は趣味の遊びとして播種したのでこれらの花を増やしたり、名前を付けるつもりはありません。 2008.4.20

 追記 一年目には一重咲の「桃の舞実生」が2年目の今年は八重に咲きました。(最後の写真)初花は本来の花ではない可能性がありますので固定するまで見守る必要がありそうです。 2008.4.30

 2008.11に実生苗の大半を処分しました。名前の無いものが流通するのを避けるためです。今年は実生は止めるつもりでしたが少しだけ種を蒔きました。11月末まで葉をつけていましたが休眠しています。 2009.1.6


2007.4.28交配して5.30の種の様子
「桃の舞の実生」一重咲

ジベレルリン50ppmを浸したティシュに播種 2006年の場合

6.8 パックに播種してサランラップを被せる 2007年の場合

6.27 発芽(根)の様子

6.27 種まき培土に播いた様子

7.20 本葉が出てきた

7.30ポットに植え替えて9.16の様子

2008.3.7の発芽状態

2008.3.12開花第1号

かがり弁の撫子咲き

広桜弁の半八重咲

桜弁「桃の舞」に似た花

薄紫の花

大輪の八重咲

元細桜弁

丸弁底白の花

細かがり弁「夕景色」に似た花

初花は一重、2年目に八重咲き