サクラソウの保全
野生サクラソウの現状 
環境省の植物レッドデータ(2004)によればサクラソウは絶滅危惧種U類に分類されています。
そこで各地の現状を調べてみました。2005.3.6

環境省2007.8.3公表のレッドデータリストによればサクラソウはアサザ、シバナ、サギソウなどと共に保全対策が進んだとして準絶滅危惧(NT)にランクダウンされました。2007.8.26
野生サクラソウの現状
1.すでに絶滅(EX)した県
 東京、神奈川、和歌山、福岡
2.絶滅危惧T類(CE)または相当
 青森、宮城、茨城、群馬、兵庫、鳥取
3.絶滅危惧U類(VU)または相当
 岩手、長野、熊本
4.準絶滅危惧(NT)
 北海道、福島
5.生育が確認できる県
 北海道、青森、岩手、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、静岡、鳥取、岡山、広島、熊本、大分、宮崎、鹿児島
6.現状不明の県
 山形、茨城、石川、福井、三重、滋賀、兵庫、和歌山、島根
7.データが無い県
 秋田、千葉、新潟、富山、愛知、京都、大阪、奈良、山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、沖縄
私の考える減少の原因は次のものです。ただし、サクラソウは比較的人間社会の近くで人との関わりの中で生きてきた植物であり、自然のままにしておけば回復するという意見には賛成できません。

サクラソウ減少の原因
1.送粉昆虫類(ポリネータ)の減少
 サクラソウの花に来る虫はトラマルハナバチ、ハナダカハナアブ、ビロードツリアブ、クジャクチョウ、カラスアゲハ、コハナバチなどですが最もポリネータとして適しているのはトラマルハナバチの女王です。しかし近年その数を減らしています。
2.乱獲
 作今の山野草ブームにより乱獲され姿を消した産地もあるといいます。
3.開発
 東京都多摩市のように都市開発のため絶滅した例もあります。
4.河川改修による洪水の減少
 荒川水系のように夏に起こる洪水がサクラソウの根元に増し土の役目と肥料分を補給していましたが今はそれがありません。
5.環境の変化
 かって自生地では人為的に野焼きや草刈が行われたがそれが行われなくなって発芽時の
日照が不足するようになった。

野生サクラソウ栽培リスト2008.5.13現在
県名 産地または品種名
北海道 帯広、中標津、新冠
青森県 岩木山
岩手県 岩手
宮城県 作並、仙台紅、宮城若柳、宮城村
山形県 山形
茨城県 大子紅
栃木県 宇都野、酒野谷、、栃木、那須野、足利板倉
群馬県 赤城、新里、榛名、船原川上流、武尊、緑竜、尾瀬、照月湖、新里の松
埼玉県 上尾、上尾白、小鹿野、桶川、田島白、皿尾、杉戸、田島濃紅、田島(マラコ)、秩父紅、戸田、戸田白、中瀬紅、羽生、平方白、
錦ヶ原、田島紅、田島林、田島八倍体
、若子玉斑入り
千葉県 千葉、江戸川堤
東京都 浮間白、浮間野生、五台紅
静岡県 掛川
新潟県 松の山
長野県 海野宿、軽井沢小輪、信州、須賀川、長野岡谷、入笠山、入笠山白、八ヶ岳、八ヶ岳酔白、和田野、、戸隠、八ヶ岳白、野辺山
岐阜県 岐阜南木曽、岐阜
島根県 島根
大分県 久住白、九重(ピンク)、城嶋高原、飛岳、由布岳、湧蓋(ワイタ)
熊本県 阿蘇山
宮崎県 延岡
韓国 朝鮮
産地不明 秋の山、松嶺山、旭の匂、錦灘