ルーブル美術館

ルーヴル美術館

 

ルーヴルは元王宮です。日本人にとっても最も知られている美術館のひとつです。膨大な量のコレクションを所有します。1981年ミッテラン大統領のルーヴル大改造計画「グラン・ルーヴル」が発足、今回の集合場所とされたガラスのピラミッドが、さらに1993年リシュリュー翼ができました。

  ショッピング街も整備されていて観光客で大賑わいでした。地下の駐車場から進むと半地下階で中世のルーブルの城壁が現れました。次に1階方形宮の「ミロのヴィーナス」を見ます。ギリシャのミロ島で発見されたこの大理石の美しい像は誰でも知っています。説明を聞く見学客で周囲はいっぱいでした。後姿もゆっくりと見ました。

 

続いて2階に上る階段の途中「サントラケのニケ」を見ます。勝利の女神像です。28トンと言う大変な重さの像であり、船の舳先のようになっている台座の部分ははじめてみました。

  ここからドノン翼に入ります。ダ・ヴィンチの「モナリザ」を見ます。この絵だけはガラスのケースに収めてあります。フラッシュは禁止のはずですが盛んにフラッシュがたかれている。スフトマ(ぼかしの手法)を使って描かれた顔はやはり神秘的な微笑を浮かべていました。ここでトラブル発生、これまで元気に説明をを続けてきたガイドの宮永さんの調子がおかしくなってしまいました。それでも何とか説明を続けるが何やら苦しそうです。

    以後、美術館でもっとも大きな絵であるヴェロネーゼの「カナの婚礼」、三角形の構図をとるラファエロの「美しき女庭師」とダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」を見て回る。次は昨日、ベルサイユで見たダヴィド作、「ナポレオン1世の戴冠式」、確かに同じ大きさ同じ構図です。彼はこの絵を描くために何枚もの下絵を描き、人形の模型まで作ったと言うから同じ絵を2枚描くことができたのでしょう。続いてジェリコーの「メデューズ号の筏」、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を見る。最後にアポロンの間(宝物室)でフランス王家の財宝の展示を見ました。

  これだけの膨大な展示物を短時間で見るのはもちろん不可能です。しかし普段印刷物で小さな絵しか見られなかった絵を間近で鑑賞できたことは大変うれしかった。

   この日の午後はガイドが西田さんにバトンタッチです。バスでパリの北端にある129mパリで最も高い丘、モンマルトルの丘に向かう。サクレ・クール寺院の西側に芸術家が集う一角があります。ルノワール、ゴッホ、ロートレック、ピカソそしてユトリロと数多くの画家がこの地に思い出を残しています。

  今でもたくさんの画家の卵たちが似顔絵などを描いています。そこここにパントマイムを演じる人がいました。また寺院前の階段の踊り場ではパフォーマンスを繰り広げる人たちがいてそれを見物するたくさんの人がいました。丘の上からはパリの街がよく見えます。

    バスに乗った私たちは最後の見学場所ノートルダム寺院に向かいます。パリの中央、セーヌ河の中州、シテ島にある古い寺院で1320年ごろの完成だといいます。優雅、均衡、繊細、フランス文化の源流と言うべきものが現れています。西側にある正面は現在修復工事中でした。

  正面の広場の敷石に丸い嵌め込みがあります。道路原標だと言います。内部は広く荘厳な感じがします。いくつかすばらしいステンドグラスがありますが13世紀半ばのガラスを残す北のバラ窓と言われるものは見事です。見学を終えて東側に行く、つまり後ろ側から見ることになりますがここがまた正面とはまったく違った趣があり、すばらしい景観です。

 

ドイツ、オーストリア、スイス、フランス4カ国すべての見学を終えた私たちは1710分、バスでシャルル・ド・ゴール空港に着きました。搭乗手続きを済ませ、通関を通るとターミナルの待合室で出発を待つだけとなりました。出発は2015分、まだ大分時間があります。ご婦人たちは最後の買い物に免税店を飛び回る。やがて一行は待合室の椅子に腰をかけ始めました。静かに旅の回想をしている人もいます。早くも帰国後の仕事のことを気にする人もいます。2040分、様々の思いを載せてJAL406便は夜のド・ゴール空港を離陸しました。

旅を終えて

 旅行を終わって1週間ほど経ってから書き始めた紀行文を仕事の合間に2週間かけて書き終えました。書きたかったことの70%は書けたような気がします。私にとっても妻にとってもヨーロッパは初めてであり、これまで遠い存在でした。テレビや本では知っていても実際に自分の目で見るのと違います。その意味で貴重な経験ができたと思います。

 EUの通貨統合も来年から始まるというがヨーロッパが国を超えて結び合う存在であることを実感しました。それは古くから人をはじめ様々な分野で交流が続けられてきたからでしょう。

  島国の日本では考えられないことですが1つ道路を様々な国の車が自由に走っています。私たちは国境を超えるとき当然のようにパスポートを用意したが、ほとんどフリーパスに近くスタンプさえ押されませんでした。  旅の楽しさは同行の人、添乗員、現地ガイド、天候様々な要因で決まります。その点、今回は恵まれていたと思います。旅行中多少の雨は降りましたが本格的な雨は1度もなく、寒さを感じることもほとんどありませんでした。

  ドイツのゆかりさん、オーストリアの清水さん、スイスの高山さん、フランスの宮永さん・西田さん、皆さんが良いガイドでした。とくにゆかりさんと高山さんは、まったく違うタイプですが二人ともガイドぶりは見事でした。

  添乗員の日向さんは実に良く面倒を良くみてくれました。その仕事振り、気配りも万全だったと思います。皆さんに感謝しています。楽しい旅をありがとうございました。

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ルーブル美術館

             TGVの中で             1998.10.26