旅行番外編ウィリアム・テルの話(ガイドさんから聞いた話)
ウィリアム・テルの物語は1804年ドイツ人のシラーによって書かれたものです。架空の人と思っていましたがスイスでは実在の人と信じられているというのです。 1276年、当時スイスのルッエルン湖のあたりは、ハプスブルグ家のルドルフ1世により支配されていました。そのときの話です。 ゲスラー将軍は重税を課して住民を苦しめていました。また街角に自分の赤い帽子を掲げさせ、通行人に挨拶をするように申し渡しました。住民はしぶしぶこれに従っていましたが、子供と一緒に通りかかったウイリアム・テルはまったく無視して通りすぎました。それをとがめた将軍の部下の言葉にも従いませんでした。 部下からの報告を受けたゲスラーは怒ってウイリアム・テルを捕らえて牢屋に入れてしまいました。当時弓の名手として知られていた彼に対して自分の子供の頭の上に載せたりんごを射抜けば助けてやるといいました。実際には成功しましたが二本の矢を持っていたことを怪しまれます。彼はもし失敗すれば次の矢でゲスラーを打ち抜く覚悟でした。それを見抜かれてしまったのです。ウイリアム・テルは再び牢屋に戻されてしまいました。 あるとき、彼の生まれたリギ山の向こうのアウルドルフに護送するためにルッエルン湖を船で渡ろうとしたとき、嵐になりました。力持ちのウイリアム・テルの助けが必要となり、縄を解きました。もう少しで岸に着くとき、彼は岸に飛び移って逃げました。ゲスラーを付けねらった彼はついにホーレガッセでゲスラー将軍を射殺しました。 その後、彼は住民と協力してゲスラーの軍をドイツに追い返したという。そのとき協力したのがウーリ、シュウィーツ、ウンターワルデンの3つの州だといいます。この時が1291年8月1日すなわちスイス独立記念日であるというのです。ウイリアム・テルはスイス独立の英雄として尊敬されています。 ドイツのお犬様 ドイツには大変犬が多い。ただし野良犬はいないのだそうです。動物愛護協会があり、ここで徹底的に保護するからだという。ドイツでは犬や猫が欲しくなったら、まず動物愛護協会を尋ねます。ここで気に入った犬や猫がいるか見ます。 ここからが大変、犬を飼う資格があるかどうか調べられます。収入はあるか、犬を遊ばせる庭はあるか、散歩に連れて行く人手はあるかなどです。それに合格すると何がしかの寄付を動物愛護協会にします。それで晴れて自分の家につれて帰れます。しかし一月もすると動物愛護協会から家庭訪問を受けます。 約束どおりの待遇で犬が飼われているかどうかをチェックします。転売したり、他の人に上げてしまうなどもってのほかです。犬を飼うと1年間150マルクほどの税金を取られます。犬も納税者?なので公共料金は子供の分を払えばバス、電車に乗ることもできます。犬のレストランもあるという。レストランは見ませんでしたがディンケルスビュールの街の入り口にあるパーキング内のコンビニの前に犬用のスタンドがあり、ドッグフードと水が置いてありました。 動物愛護は犬や猫だけではありません。魚でも同じ、釣った魚を生きたままもってきてはいけません。日本のように生きた魚に包丁を入れるなどとんでもないことです。生け作りなど野蛮以外の何物でもありません。白魚の踊り食いなど見たらトイレに駆け込んでしまうといいます。 スイスの5大産業 スイスは水以外天然資源の少ない国です。そこでガイドの高山さんがバスの中でスイスの5大産業を答えてくださいと質問してきました。ある夫人がすべて答えてしまいました。
高山さんも感心していました。 「世界の貨幣価値を決めているのはスイス、チューリッヒの小さな銀行家である。」という言葉があります。スイスのお金は世界でもっとも強く、安定しているといわれている。EUは19カ国が加盟しているがスイスは入っていません。独立独歩で行くのでしょうか。 金融が強いのは理解できるとしても保険が第1位というのは意外に感じる人も多いのではないでしょうか。 パリの朝市 パリはおしゃれな街、ファッションの街のイメージですが、ちょっと裏に入ると庶民的な顔を見せてくれます。朝市ではカラフルな野菜や魚介類などたくさん並べておいてあり、見るだけでも楽しい。串に刺したブロイラを1度にたくさん丸焼きにしながら売っていました。八百屋のおじさんもなかなか愛想がいい。 パリの朝、マロニエの並木道を散歩すると大変気持ちがいい。ただし、木の根元へはあまり近づかないほうがいい。なぜかというとそこには犬の糞があることがあるのです。 ドイツのごみ収集 かってはごみは家の外に放り出したそうですが、現在、そんなことはありません。ドイツのごみ分別の方法は1.紙類、2.燃えないごみ(黄色の半透明の袋で出す)、3.コンポスト(土に返るもの)、4.リサイクルできるものと4種類に分けています。このうち、燃えないごみは従量制の有料で、月に1度集めに来ます。 それ以外は無料で自分の家の前に収集日に出します。ごみ箱はいつもは置かれてなく、収集されれば持っていきます。ただし缶、ビンなどは専用のごみ箱まで持って行って捨てます。このごみ箱でも缶、透明なビン、緑のビン、茶色のビンとそれぞれに投入口が違っていました。 ごみの収集日が少ないので、市民は詰め替え商品を買うなどごみを減らすことに大変熱心です。日本ではごみの大半を焼却してダイオキシンで悩んでいますが、ドイツでは焼却されるごみは25%にも満たないそうです。 旅の注意書き お金は免税店なら、ほとんどの国で日本円が使えます。お土産屋さんでも通用するところが多いようです。ただし、おつりは現地のお金でくれます。百円玉のおつりをくれたところもありました。カードはどこでもOKです。あまり大金を現地の通貨に換える必要はないと思いました。スリの被害や紛失を考えるとお金はあまり待たないのが一番です。 洗面用具、化粧品はどこのホテルでも出ますが、歯ブラシ、剃刀は出ませんので忘れずに、スリッパ、パジャマも必需品です。電気かみそりは変換コンセントが必要です。電圧は220Vが普通ですが、切り替えスイッチで110Vにできますので変圧器は必要ありません。普通の剃刀を持っていけば安心です。ドライヤーはどこでもついていました。 下着類は途中自分で洗濯すれば4セットぐらいで十分です。洗濯ロープは風呂場にあることが多いのですが、私はビニール紐を持っていきました。下着類は圧縮袋に入れておけばかさばりません。 ズボン1本、ジャンパー、帽子は防水スプレーをかけておきます。靴は皮専用のスプレーをかけていきました。携帯用の折り畳み傘はもちろん必要ですが、少しぐらいの雨なら傘を差さずにいても平気でした。 |